2017年09月24日(日)
おたふくかぜで難聴! [診療]
当院では1才のときに、ほとんどの方が、MRワクチン、水痘ワクチンと一緒におたふくかぜワクチンを接種される。
MRと水痘ワクチンは、定期接種で無料だが、おたふくかぜワクチンは任意接種なので、費用がかかる。それでも、説明したら皆さん接種されている。
おたふくかぜによる合併症は、難聴、無菌性髄膜炎などが有名だが、無菌性髄膜炎はほとんどが回復する。しかし難聴は治療法がなくお子さんの一生にかかわる問題、目の前のお子さんたちをそんな目に合わせたくない。
必ず、おたふくかぜワクチンの必要性を説明している。
先日、日本耳鼻科学会で、大規模な調査が行われ、おたふくかぜによる難聴がなんと2年間に314名も発症(うち両側難聴が14名)していることが明らかになった。難聴になった人を年齢別に見ると、10歳未満が49%と半数近くをしめたほか、10代が22%、20代が7%、30代が11%。
おたふくで難聴になる確率は1000人に1人ぐらいと漠然と言われていたが、実際はこんなにもたくさんの方が発症しているなんて、びっくりした。
おたふくで難聴になったお子さんのお母さんは、「おたふくかぜで難聴になるなんて知らなった。知っていたらワクチン接種をしたのに。」と大変悔やまれていた。
もちろん、ワクチンにも副反応はある。
しかし、自然感染による合併症に比べるとはるかに低い。
さらに、入園入学前に接種するよりも、1才時に接種したほうが、さらに副反応の出現率は低いと言われている。
実際、私自身経験したおたふくかぜワクチンで無菌性髄膜炎になった2例は幼稚園以上の大きなお子さんだった。
もちろん後遺症も残っていない。
1才になってすぐ、そして2回めは年長さんのMRワクチンと一緒にぜひ接種をお勧めしたい。
ただ、費用のかかるワクチンなので、事情があって接種できない方もいる。
本来なら、定期接種になるべきワクチン。
1日でも早くおたふくかぜワクチンの定期接種化を期待している。
Posted by さかざきひろみ at 15時08分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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