2017年04月25日(火)

腕がぬけた! [診療]

『急に、腕を動かさない!』と言って来院されるお子さんがいる。

何らかの拍子でお子さんの腕を引っ張った後、急に泣き出して、腕を動かさないときは肘内障(チュウナイショウ)が疑われる。

これは、肘の外側の骨(橈骨頭)の一部が靭帯から外れて、肘の関節が亜脱臼している状態。
関節から骨が完全にずれる完全脱臼とは異なり、少しだけずれている状態。

肘内障なら、小児科医でも十分に対応できる。
動かない方の手の肘の外側を親指でおさえて、肘をねじりながら曲げると、触れている親指にクリック音を感じる。

すると、あらー不思議。
お子さんの手が急に動き出す。

『あっ、治った!』とママもびっくり。
私もスタッフも笑顔がいっぱい。

だいたい1−3才ぐらいのお子さんにおこりやすい。5才以上になると靭帯がしっかりするので、おこりにくくなるが、それまで、何度も繰り返すお子さんもいる。

ひっぱたりしてないのに、朝おきたら肘内障になってたという場合もある。

3才のHくんも、よく抜ける。
時間外にぬけたとき、遠い病院までいったとの話。
ママに、治し方を教えてあげた。

できるかなあと不安そうやったけど、別のことで外来受診されたときに、「また、ぬけたんですけど、先生の言うとおりにしたら戻りました。」

その話を聞いて、とっても嬉しかった。
時間外に、遠いところまでいくのはほんとに大変。
ましてや兄弟がいたら、一緒に連れていかないといけない。
ママのホームケアが一番。

ほんまによかった。

Posted by さかざきひろみ at 18時47分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2017年04月23日(日)

外来では、 [クリニック情報]

4月から集団生活を始めたお子さんたちのお風邪が多い。
鼻はずっとずるずる、透明になったり黄色になったり。
通園する限り、新しい風邪をもらうので、鼻水がとまることはほとんどない。
咳もこんこん、げほげほ。
3日ぐらい登園すると熱もでる。
やっと解熱して園に行くと、またお熱で呼び出し。

他にも、お熱で呼び出されて、お迎えにいくとニコニコ元気。
帰宅するともう熱はない。
翌日登園すると、またお熱で呼び出し。
家にかえると解熱しているの繰り返し。
これも園に慣れるまでは必ずおこる。
環境温とも考えられるが、37.5℃以上は園では預かることができない決まりになっている。
あまりにも続くので血液検査をしても異常なし。
まだ、園に慣れていない、お家でゆっくりしたほうがよいという合図かもしれない。
慣れるまで、ゆっくりすることも大切。

こんなふうに、いっぱい風邪をひいてしまうけど、機嫌が良くて、食欲もある、睡眠もできていれば大丈夫。
いろんな病気をして、お子さんたちはどんどん強くなっていく。
最初の3か月を何とか乗り切って、夏は少しまし。
また秋から冬にかけて、いっぱい風邪をひく。
だけど1年もすると、とっても元気になるので、この時期をなんとかうまく乗り切ってくださいね。

他には、先週まだインフルエンザAが何例か。今まで流行のなかった園で小流行している。
さすがに、今週はもうなかなあ。

Posted by さかざきひろみ at 18時23分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2017年04月22日(土)

外来術

またあっという間に1週間。
先週見学させて頂いた新見先生の外来。
漢方というより、外来術の勉強になった。

80才の女性。たしか腰痛とかむくみがあったけど、漢方ですっかりよくなった。その方が「今度人間ドックもしようと思っているのです。」
新見先生「何で受けるの?受けなくていいじゃない。80才超えたら、がんを早く見つけても、症状が出てから見つけても一緒だよ。そんなもん受けなくてよいよ。40,50才はべつだよ。だけど80才はいらないよ。好きなことしてたらいーよ。」

たしかにそーかも。
義父は87才で症状がでてから胃がんが見つかったけど、ぎりぎりまで元気だった。もし早期発見してたとえば85才ぐらいで手術やら抗がん剤をしていたら、入院も長く大変やったかもしれない。

夜間頻尿の男性。
「漢方飲んで、夜中のトイレが5回から減ったけど、まだ3回も行くのがね。困っているんです。」
N「何、贅沢いってるの。3回なら僕でもたくさんコーヒーとか飲んだら行くよ。5回はかわいそうだけど、3回は普通だよ。」
「先生でも3回も行くんですか?そうか3回は普通なんですか。」と患者さんがものすごい納得して嬉しそうに帰っていった。

86才の女性の方には、「もう女性の平均寿命超えてるんだから、上等だよ。何でも好きなことしていいよ。もういつ死んでもいいんだよ。」

診察も脈をみて、診察台に寝て全身を触って、最後にうつぶせになってもらう。
このうつぶせになる動作が人それぞれで面白い。
80才超えても、ささっと向ける方もいれば、まだ若いのに時間がかかる方もいる。
さらに、年をとると背中に筋肉がなくなりやすいので、それをしっかり触って確認されている。
でも、たしか一度も聴診器を使わなかったなあ。

「今度は娘さんにおむつ代えてもらいなさい。」
「そんなん嫌ですよ。迷惑かけたくない。」
「何言ってるの?小さいとき、娘さんのおむつ代えてあげたでしょう。今度は娘さんにかえてもらう番だよ。」

そして、どの人にも最後に必ず「他に何か困ったことありませんか?他の先生に言えないことも僕には隠さず何でも言うんだよ。何か困ったことがあったら、いつでも来るんだよ。何もなかったら3か月後に予約いれとくよ。」

江戸っ子だねえ。大阪弁とはまた違う、親しみやすさ。標準語とも違う。

ずけずけと言いたい放題のようにみえるけど、そばで聞いていて患者さんへの愛情をとても感じた。
皆さん、笑って満足されているのがよくわかる。
新見先生に見て貰っている患者さんたちは幸せだ。
これぞ外来力。
女子力も好きだけど、外来力もみがきたい。

Posted by さかざきひろみ at 19時20分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

4

2017


            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

検索


カテゴリーリスト

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2006 さかざKIDSブログ All right reserved.2006 Sakazaki Kodomo Clinic.