2017年09月26日(火)

外傷・熱傷治療 [診療]

9月初めの外来小児科学会で参加したハンズオンセミナー
『外傷と熱傷の湿潤療法』
湿潤療法ってどうするの? −子どもの熱傷&外傷への対応 基礎と応用

2011年の外来小児科学会で、熱傷のワークショップにでてから、ある程度のやけどには外来で対応できるようになった。しかし、やけどの部位やら程度が様々あり、外傷のことも、もう一度きちんと勉強したかった。

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色々な症例の実際や、またグループにわけて実際に処置の方法を教えてもらったり、とっても勉強になった。
たしか、8人ぐらいでグループを作って、目の前にはこの患者さん役のキューピーさん。サランラップとか、いろいろな被覆材、ネット、テープなどもある。

私たちのグループには、東京のかるがもこどもクリニックのナース2人がついてくださった。もう熱傷と外傷のエキスパートで、細かいところまで丁寧に教えてもらった。ほんとにありがとうございます。

足の熱傷は比較的処置しやすい。手指の熱傷は、ちゃんと手指が動くように、こんな風に処置をする。あっという間に私の手は、プラスモイストでおおわれた。

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切創でのストリストリップの固定方法も細かく教えて頂いた。そのまま貼るのではなく、ピンセットでテンションをかけながらやると創がうまく縫合できる。だけど、実際はお子さんが泣いて動くので少し大変。

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ちょっとびっくりしたのが、頭部のきず。
なんと、髪の毛をひっぱって傷を合わせるというもの。
たしかに、これだと髪の毛をカットする必要もない。

クリニックは、ケガした!切った!やけどした!と受診される。
今回改めて色々な知識を得ることができた。
少しでも皆さんのお役にたてればと思う。

Posted by さかざきひろみ at 18時56分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2017年09月24日(日)

おたふくかぜで難聴! [診療]

当院では1才のときに、ほとんどの方が、MRワクチン、水痘ワクチンと一緒におたふくかぜワクチンを接種される。

MRと水痘ワクチンは、定期接種で無料だが、おたふくかぜワクチンは任意接種なので、費用がかかる。それでも、説明したら皆さん接種されている。

おたふくかぜによる合併症は、難聴、無菌性髄膜炎などが有名だが、無菌性髄膜炎はほとんどが回復する。しかし難聴は治療法がなくお子さんの一生にかかわる問題、目の前のお子さんたちをそんな目に合わせたくない。
必ず、おたふくかぜワクチンの必要性を説明している。

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先日、日本耳鼻科学会で、大規模な調査が行われ、おたふくかぜによる難聴がなんと2年間に314名も発症(うち両側難聴が14名)していることが明らかになった。難聴になった人を年齢別に見ると、10歳未満が49%と半数近くをしめたほか、10代が22%、20代が7%、30代が11%。

おたふくで難聴になる確率は1000人に1人ぐらいと漠然と言われていたが、実際はこんなにもたくさんの方が発症しているなんて、びっくりした。

おたふくで難聴になったお子さんのお母さんは、「おたふくかぜで難聴になるなんて知らなった。知っていたらワクチン接種をしたのに。」と大変悔やまれていた。

もちろん、ワクチンにも副反応はある。
しかし、自然感染による合併症に比べるとはるかに低い。
さらに、入園入学前に接種するよりも、1才時に接種したほうが、さらに副反応の出現率は低いと言われている。

実際、私自身経験したおたふくかぜワクチンで無菌性髄膜炎になった2例は幼稚園以上の大きなお子さんだった。
もちろん後遺症も残っていない。

1才になってすぐ、そして2回めは年長さんのMRワクチンと一緒にぜひ接種をお勧めしたい。
ただ、費用のかかるワクチンなので、事情があって接種できない方もいる。
本来なら、定期接種になるべきワクチン。
1日でも早くおたふくかぜワクチンの定期接種化を期待している。

Posted by さかざきひろみ at 15時08分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2017年08月24日(木)

細菌性胃腸炎 [診療]

また、O157が話題になっている。
集団発生だと、ニュースになるが、全国で散発例はたくさんある。

私が、はじめて経験したのは医師になって1年目の冬。
O157感染で、腎不全になって透析した5才の男の子。
ちょうど、1月でその患者さんのことで忙しかったときに昭和から平成になったのでよく覚えている。

その後勤務医になってからも、散発例を経験したが、何よりも堺の集団発生のときのことが忘れられない。多くのお子さんが入院されて、小児科病棟は、0157のお子さんでいっぱいになった。

激しい腹痛と鼻血のような下痢便がひどくて、みんなベッドで眠ることもできない。ポータブル便器の上にうずくまって仮眠をとるような状態だった。何とか楽にしてあげたいが、下痢をとめることはできない。
幸い、重症の患者さんも、透析することなく、皆元気に後遺症なく回復したのが何よりだった。

細菌性胃腸炎は、O157だけではない。
鶏肉によるキャンピロバクターも多い。
焼き鳥やさんで、鳥のたたきを食べるお子さんたちが結構いるのでびっくりした。

馬刺しを食べて、2才のお子さんがサルモネラの敗血症になり骨髄炎になったケースも経験した。9才のお子さんが卵かけご飯を食べてサルモネラによる急性脳症を発症した報告もある。

とにかく食中毒は予防が一番。
予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」。
調理の前には必ず手を洗い、
手指や調理器具を清潔に保ち、
食材は新鮮なものを選びよく加熱すること、
調理後食べるまでに長い時間をおかないこと
食品どうしで汚染をしないよう、調理器具の使い方にも注意。

そして、生卵、ユッケ、肉のたたき、生レバーなどの生ものはお子さんに食べさないほうがよい。できれば、大人の方も。
まだまだ、暑い日が続くので十分に注意してほしい。

 

Posted by さかざきひろみ at 14時59分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 4 )

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