2018年02月04日(日)

集団免疫 [診療]

先週1週間、水曜日をピークにすこしインフルエンザの患者さんが減ったよう。

画像(240x145)・拡大画像(640x388)

改めてグラフにしてみると、12月になって少しずつ増え、冬休みでいったん減少。園や学校がはじまってから一気に流行。
そういえば、私の小さいころインフルエンザの集団接種があったことを思い出した。矢野だったので、出席番号が後ろで注射の順番が最後の方だったのが、とても嫌だった。
皆が「今年の痛い〜」というのを聞いて、ドキドキしてた。
今のお子さんはワクチンもそうだけど、あと鼻の検査という辛いことがいっぱいや。

YAHOOニュースでこんな記事を見つけた。
「小中学生のワクチン集団接種 をやめたら、インフルエンザ で亡くなるお年寄りが増えた。なぜ」

その中に出てくるこの表は、慶応大の研究で、都内のある小学校を24年もの間、インフルワクチンの接種状況と学級閉鎖との関連を観察してきたもの。

画像(320x75)・拡大画像(640x150)

ただ、昔はインフルエンザの検査がなかったので、元気な隠れインフルはカウントされていない。その子たちは普通の風邪として登校していた。しかし、それでも典型的なインフルエンザは増えずに学級閉鎖も増えなかったのだ。さらにこの記事によると、集団接種をすることによって、高齢者がインフルエンザで重症化することも防ぐことができていた。小さいお子さんたちの脳炎脳症もこのほとんど接種しない時期から増えてきたように思う。小学生が集団接種して、流行を最小限に抑えることによって、高齢者や小さいお子さんたちを守ってくれていたのかもしれない。

これは、ほかのワクチンにも言えることだ。
1才こえて、皆が麻疹風疹ワクチンを2回接種することによって、集団免疫で、1才未満の小さいお子さんたちを守ることができる。また妊婦さんが風疹に罹ることを防ぐことができる。もちろん水痘ワクチンやムンプスワクチンも同様。ロタワクチンも現在接種率が大阪でも50%をこえ、昔のようにロタが大流行することはなくなった。

この記事の中にも記載されている図だが、これは以前私がワクチン講演会で使ったスライド。

画像(240x182)・拡大画像(538x410)


上はワクチン未接種(青)が多い集団。
感染者(赤)がいるとあっという間に病気(赤)が広がる。
下はワクチン接種(黄)が多い集団。
感染者(赤)がいても、感染の拡大は最小限に抑えられる。

ワクチンはもちろん自分のために接種するのだけど、実は周りの皆を守るためにも接種するのだ。ワクチンの接種は、自分のため、そして周りの皆のためなのだ。

インフルエンザの大流行も、きっとあと少し。
これから、受験シーズン。
皆様、体調管理に気を付けて頑張ってくださいね。

Posted by さかざきひろみ at 09時34分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2018年02月02日(金)

今朝

外に出たら明るい。
確か昨日ぐらいまでは、暗い中駅まで歩いてたはず。

門をでると、目の前にお月様が飛び込んできた。
先日のスーパームーンも素敵だったけど、今朝のは格別。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

透き通った冬の朝の光。優しいkirakira.

何だか私に頑張れ!って言ってるよう。
お月様のパワーをしっかり受け止めた。
どんな試練も乗り越えることができそう。
今日も頑張ろう!

Posted by さかざきひろみ at 07時01分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2018年02月01日(木)

赤ちゃんがいっぱい

先日、用事があって、病院のGCUに入室した。

GCUは「Growing Care Unit」の略。
「継続保育室」「回復治療室」「発育支援室」など、さまざまな訳語がある。
NICU(新生児集中治療室)で治療を受けて、状態が安定してきた赤ちゃんなどが、ここで退院にむけて引き続きケアを受けるところ。

NICUはクベースに入った赤ちゃんばかりで、そしてあちこちでモニターの音が聞こえる。
それに比べて、GCUでは小さいベッド。
ほんとに赤ちゃんがいっぱい。

そこで、すやすや寝ている赤ちゃん、あくびをしている赤ちゃん、泣いている赤ちゃん、小さいのに皆一生懸命。
生きてる〜というパワーが伝わってきた。

退院にむけて色々看護師さんからアドバイスを受けているママの姿も。
ほんとに素敵な優しい笑顔。

私が新生児医療に関わったのは、研修医の間だけ。
あのころは、GCUなるものがなく、皆NICUに一緒だった。
そのNICU勤務のときに、妊娠した。

救急車に乗ったり、蘇生したり色々あったなあ。
あの時に、小さかった赤ちゃんも今は28才。大きくなっているのだろうなあ。

そして、その時にお腹にいた娘が、小児科医になって、NICUで働くことになるなんてほんとにびっくり。

時がたつのはほんとに早い。

Posted by さかざきひろみ at 19時53分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

2

2018


        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      

検索


カテゴリーリスト

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2006 さかざKIDSブログ All right reserved.2006 Sakazaki Kodomo Clinic.