2018年03月06日(火)

ママは強し [漢方薬]

漢方を使うようになって、ママたちから色々なご相談を受ける機会がふえた。
不眠、頭痛、肩こり、動悸、めまい、生理痛、胃痛、倦怠感、便秘など、聞けば聞くほど様々な症状がある。

そんな中、貧血の方が時々みつかる。

顔色があまりに悪いので、最近検査した?とお聞きしても出産以来してない。パートなので、検診はない。市民検診も40歳以上。子供たちをおいて内科にかかる時間などないとのこと。ただ、たいていは妊娠出産のときに貧血を指摘されているがそれ以降は全く検査していないとのこと。
私でよければと検査したら、めっちゃ貧血。
よくこれで育児と家事をしてたねというぐらいにヘモグロビンが低い。いわゆる立ちくらみやめまいなどの脳貧血でなくほんまもんの貧血。
ほんとに母は強しだ。

ごはん食べてる?好き嫌いしてない?お肉も食べてる?とお聞きすると、好き嫌いはないけれど食べる時間があまりないらしい。
お子さんに食べさせるのがやっとで、自分は家事しながら立ちながら食べていると。
食べるというより口にほおりこんでいるという方もいらっしゃった。
ほんとに、大変。
鉄剤をおすすめすると、以前妊娠したときに、胃もたれがひどく飲めなかったと。
食のほそい虚証のママは、胃腸も弱い。
そんな時、お子さんが飲む鉄のシロップなら胃もたれが少しましだと主人に教えてもらった。
シロップなら何とか飲んで下さっているよう。

もちろん、ひどい鉄欠乏性貧血なので、他に筋腫や胃潰瘍などの病気があるかもしれないので、婦人科や内科にもちゃんと行ってもらうことも大切。

そういえば、内科にかかっているがじんましんがひどいという相談をうけた方は、甲状腺機能亢進症だった。
きっと、動悸とか倦怠感も強かったに違いない。
内科で様子見ましょうといわれていた不整脈の方もいた。

こんなものだと、皆さん、お子さんのためにいろいろ我慢されている。
だけど、ママが元気がないとお子さんも元気にならない。
忙しいけど、できればちゃんと検診なんかも受けてね。

Posted by さかざきひろみ at 19時11分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2018年03月04日(日)

のどが痛い! [漢方薬]

のどが痛いとき、西洋薬ではトローチや鎮痛剤。実は漢方薬にも色々な処方がある。もちろん、溶連菌感染症の場合は抗生剤が必要だが、漢方薬の併用もOK。

ただのどが痛いだけ→138桔梗湯
扁桃腺が腫れて炎症が強い→109小柴胡湯桔梗石膏
冷えがあって少し鼻水もあり(のどチクの風邪)→127麻黄附子細辛湯

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うちの娘は109番が大好き。
私も109番派。これを常備しているママもいる。
のどが痛くなったら手持ちの109番を飲んで軽快しないときだけ受診されている。

だけど、漢方薬の味が苦手の方もいる。
そんな時は、桔梗湯。これは、味が甘くてのみやすい。
桔梗と甘草という2つの生薬でできている。
生薬の数が少ないものは即効性がある。
桔梗には抗炎症・排膿・鎮痛作用があり、甘草は急迫症状を治す作用がある。
そのまま飲むよりも、お湯で溶かして冷ましてから、のどの痛いところにうがいしながら飲むとより効果的。
いわゆる「がらがらごっくん」
1日分をペットボトルの水500mlに入れて、ちびちび飲むのもOK。

外来では、インフルエンザはさらに減ってきた。
くしゃみ、鼻水、目がかゆいとお子さんもママも花粉症の症状が軒並み増えてきた。
抗アレルギー剤、点鼻点眼薬、漢方薬などあらゆる手をつかって、なんとか乗り切ってほしい。
あとは、RSやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎が目立つ。今日は、春の陽気。
だけど、あさってからまた寒くなるらしい。
まだまだ、コートが必要かな。

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Posted by さかざきひろみ at 17時37分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2018年02月22日(木)

鼻づまり [漢方薬]

外来で口をポカーンと開けているお子さんをよくみる。
お口閉じてねっていうと閉じれる場合もある。
だけど、鼻炎や副鼻腔炎がひどい場合はお口を閉じることはできない。
ママにきくと、以前から鼻が悪くて耳鼻科で色々治療してもらっているけど治らない。
そして、夜はいびきがひどく無呼吸になったり、寝相もとっても悪いし叫んだりするお子さんもいる。

西洋薬の抗アレルギー剤や抗生剤などで有効な場合はよいが、そうでないときは漢方薬がお勧め。
とくに鼻づまりには漢方がとっても有効。

透明の鼻水がぽたぽたたくさん→小青竜湯
ねばねばした鼻水で鼻閉が強い→葛根湯加川芎辛夷
どろどろの鼻水→辛夷清肺湯
鼻水はほとんどないが鼻がつまって夜眠れないと泣く→越婢加朮湯
赤ちゃんの鼻づまり→麻黄湯

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最近、出番が多いのは、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)。
鼻閉がよくなって、夜間熟睡できるようになった。
夜のいびきがなくなって、寝相もよくなった、夜叫ばなくなったなどとても喜ばれている。
パパが勝手に飲んで「これ、めっちゃ効く」とお子さんの分を全部飲んでしまったケースもある。

ただ、上記のくすりは辛夷清肺湯以外は麻黄が含まれるので、体力のない大人の方や高齢者の方は注意したほうがよい。

ちなみに、私は昼は透明な鼻水がぽたぽたでるけど、夜間は鼻が詰まって苦しかったときに、小青竜湯と葛根湯加川芎辛夷と一緒に飲んで、あっという間に軽快した。

新見先生は、葛根湯加川芎辛夷を頭が良くなる薬と話されていた。
鼻閉が軽快→夜間熟睡できる→昼間集中できる→成績が上がる。とのこと。
私も中学生ぐらいのお子さんには「これ飲んだら賢くなるで」と説明している。

ただ、漢方は味がちょっとね。
特に、辛夷清肺湯はとってもまずい。
小青竜湯はすっぱ苦い。
最近は、西洋薬のムコダインムコサールを混ぜると飲んでくれるお子さんが多い。

小青竜湯と葛根湯加川芎辛夷は錠剤もある。

そういえば、越婢加朮湯をたこ焼きソースに混ぜて飲んでいたお子さんがいた。
私はいつもその子に、「今日はたこ焼きソース処方しとくね」と言っていた。
小青竜湯をもずく酢で飲んだお子さんもいたなあ。

漢方薬は体質や症状に合わせてたくさんの選択肢がある。
そして、飲み方も様々でほんとに面白い。

そして、こうやって並べると色がたくさんあってカラフル。

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Posted by さかざきひろみ at 19時41分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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