2018年07月19日(木)
熱中症 [診療]
ほんとに暑い。
今日は、西九条駅のホームで5分ほどいただけなのに、暑さで少し気分が悪くなった。あの場所に30分もきっと耐えられない。
豊田市の熱中症のお子さんの件は、ほんとに心が痛む。
熱中症について、過去にも何度かブログにアップしたがもう一度まとめてみた。
熱中症とは気温の高いところにいることによって、体温調節することができなくなって、体に色々な障害がおこる状態。
小さいお子さんは体温の調節機能が未熟なため熱中症になりやすい。
熱中症は次の4つに分類される。
@熱失神 皮膚の血管が拡張して血圧が低下して、脳への血液が減少するために、めまい,立ちくらみ、失神がおこる。
A熱けいれん 大量の発汗で血液のナトリウム(塩分)が低下し筋肉の痛み、こむら返り、硬直がおこる
B熱疲労 大量発汗で脱水症状となって、頭痛、吐き気、倦怠感がおこる
C熱射病 体温の上昇に体が対応できずに、脳の体温調節機能に異常をきたした状態。意識障害やショック症状、全身けいれんをおこし最も危険な状態。
お子さんの熱中症を疑うポイント
顔が赤くほてっている
ふれると体が熱い
皮膚が乾燥気味
赤ちゃんの場合、泣き声が弱々しい 泣かない
おしっこが少ない
ぐったりしている だるそうにして動かない
おっぱいやミルクを飲まない
吐いてしまう
頭痛や気持ち悪い、くらくらすると訴える
のどが渇くとさかんに訴える
いつもより汗をかいている。
以上のような症状があったら、
すぐに涼しいところへ移動する。
衣服をゆるめて、氷やぬれタオルで体を冷やす
水分と塩分を補給する。
保冷剤や冷えたペットボトルなどがあれば、頸部、腋の下、大腿の付け根などを冷やすと効果的。
ぐったりして、意識がしっかりしないときはすぐに医療機関への受診が必要。
予防は
高温の環境に注意を払う
ベビーカーに乗っている赤ちゃんや小さいお子さんは大人よりも地面に近いところにいるので、より高温になりやすい。できれば日差しと照り返しの強い時間の外出はさけたほうがよい。
また、たとえ短時間でも、絶対に自動車の車内にお子さんを残したままにしない。
十分な水分補給
のどの乾きを感じる前に少しずつこまめに補給するのが大切。通常の短時間の外遊びぐらいでは、水やお茶でもよいが、長時間や激しい運動の場合は水と一緒に塩分補給も必要になる。
そして普段からの体調管理もとても大切。
十分な睡眠
バランスの良い三度の食事。特に朝ごはんはしっかり食べてほしい。
まだまだ暑い日が続きそう。
体調管理にきをつけて、楽しい夏休みを過ごしてほしい。
Posted by さかざきひろみ at 20時19分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2018年07月10日(火)
おとなのワクチン [診療]
VPDを知って、子どもを守ろうの会から、思春期から高齢者までの予防接種とワクチンで防げる病気の情報サイトが公開された。
http://otona.know-vpd.jp/
思春期・青年期(10-20代)、子育て世代、現役ミドル世代(40代〜)、シニア世代(60代〜)にわけて、接種したほうがよいワクチンについて記載されている。
私の場合は、
もちろんインフルエンザワクチンは毎年必ず。
帯状疱疹予防もすみ。これは、私よりパパが危ないので、すぐに接種してもらった。
破傷風は1967年より前に生まれた人は未接種なので、大人になってから3回接種。
百日咳と日本脳炎の追加接種はまだしていない。
百日咳は、患者さんをみるので、おそらくブースター効果で免疫は低下していないはず。しかし、ワクチン接種前の新生児や乳児が感染すると重症化して命にかかわる。このサイトではお孫さんが生まれる前にと書いてあった。
日本脳炎も高齢者の発症例や死亡例もあるので、やはり追加接種が必要かなあ。
他にはA型肝炎は接種した。私はあまり生ガキとか食べないけど、万が一の感染はこわい。入院もしたくないし、黄疸にもなりたくない。
もちろん、娘も青年期のワクチンはすべて接種すみ。
ワクチンで防げるものは防ぎたい。
是非みなさまも参考にして下さいね。
Posted by さかざきひろみ at 20時32分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2018年03月20日(火)
便秘 [診療]
以前から多かったが、最近さらに便秘のお子さんがどんどん増えている。
もちろん、長期間便がでないということで来院される場合もあるが、保護者の方が自覚されていないことも結構多い。
別のことで来院されて、お腹の診察で便の塊を触れたり、咳がひどいので、胸のレントゲンをとった時、お腹に便がたくさんうつっていたりする。
小学生ぐらいのお子さんで、遺糞症で来院されるケースもあった。ひどすぎる便秘で、便の塊が直腸にあるため、その周りから便汁がもれでてしまう。また、激しい腹痛で救急車で来院され、浣腸してすっきり軽快ということも。
できれば、こういうことが起こる前に早めに治療したい。
便秘とは、排便するのにつらい症状を伴う状態のこと。毎日でていてもコロコロが少量しかでない、出すときに痛がって泣いたり、肛門がきれて出血するのは便秘になる。
硬い便で痛い思いをしたことのあるお子さんは、便意を感じてもでないように足をクロスさせたり、また部屋の隅で隠れてしゃがみこんだり、なかなかトイレで排便できずいつまでも便だけはおむつにすることが多い。
便が硬い→ 排便に苦痛を伴う→ ガマンする→ ますます硬くなる、という「便秘の悪循環」をなんとしてもたちきらないといけない。
まずは、ディスインパクションといって、たまった便をすべて出すことが一番大切。
外来で、浣腸すると、とっても大きな便がびっくりするぐらいたくさんでる。直腸、S字結腸をからっぽにすることで、腸管機能が改善するので、毎日浣腸が必要な場合もある。
そのあとに、生活習慣の改善や食事療法に加えてお薬を処方することも多い。
とにかく、本人に、苦しくなく痛くない排便をしてもらい、便をすることは怖いことでない、快適なことと思ってもらう。
下剤も便を柔らかくするものや腸を動かすものがあるし、他にも漢方薬もある。
慢性化している場合は一度出ても、最低2週間は毎日出すようにする。その後減量・中止していくが、多くは数ヶ月〜年単位の治療が必要。
また排便日誌をつけてもらうことも大切。
ある小児外科の先生は、排便日誌なしでは便秘の治療は考えられないと話されていた。
浣腸やお薬はくせにならない。便秘がくせになっている。
そして何よりも早寝早起き朝ごはん、適度な運動、朝うんちを目指したい。
便秘について「小児慢性機能性便秘症」のHPに詳しく乗っている
排便日誌もここからダウンロードできる。
もちろん、クリニックでもお配りしているので、気になる方はご相談ください。
Posted by さかざきひろみ at 20時47分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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