2019年11月02日(土)
悩ましい [クリニック情報]
今週は、アレルギー症状の方は多かったけれど、感染症はすこし落ち着いたよう。インフルエンザワクチンの予約枠もほぼ満杯。枠をふやそうかと思うのだが、それをすると一般診療にさしさわってくるし、定期接種の枠も確保できなくなってしまう。ほんとに悩ましい。
そんななか、インフルエンザ治療薬の「イナビル」のネブライザー吸入タイプが発売された。
従来のパウダータイプは、思いっきり吸い込む必要があって、小さいお子さんや上手にできないお子さんには、むつかしかった。今回のは、ネブライザーにお薬を溶かしていれて、病院で吸入するタイプ。小さいお子さんでもできる可能性がある。感染対策として使用したマスクは使い捨て。
ただ、マスクをしっかりして8分も吸入しないといけない。
小さいお子さんは、喘息や、クループの吸入を病院ですることがあるのだが、せいぜい3分がやっと。中には、吸入自体が大暴れしてできないお子さんもいる。
そんな子たちに8分もできるのか?
ママが抑えてスタッフが介助しても8分は難しいように思う。しかも、インフルエンザの流行期はスタッフが8分もそれにかかりきりになると人手が足りなくなる。また、隔離室がいっぱいになるので、時間が長引くのも大変。
メーカーの方に、小さいお子さんが8分も吸入するのは大変やわというと、きゅとんとされていた。
小児科に携わっていないと、わからないのね。
昨年、発売されたゾフルーザは、1回飲むだけでとても便利だったのだが、耐性ができやすく、日本小児科学会の見解では12才未満は慎重投与ということになった。
これも色々悩ましい。
できたら、インフルエンザにかからないのが一番だけど、毎年必ず流行する。集団生活をしていたらなおさら。その時は、お子さんに一番あった方法を考えながら適切な治療にあたっていきたい。
Posted by さかざきひろみ at 20時54分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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