2021年09月11日(土)
疲れたオトナ女子に [漢方薬]
水曜日は、ひろこ漢方内科クリニックの高橋浩子先生の講演会。
「女性の悩みあれこれセミナー 第1回疲れたオトナ女子に補気剤」
私が漢方を勉強しはじめたころに、高橋浩子先生の女性漢方の話を聞いてめちゃめちゃわかりやすかった。小児科医の私でも患者さんのママたちに漢方を処方できるかもと思わせてくださった。
現在高橋先生の外来には40歳から50歳代の女性がとても多いとのこと。
この年代で、しんどいのを我慢していて、それをどうしたらよいかわからない、西洋医学的にはどこもわるくない、そんな女性に漢方薬がとても有効とのこと。
補気剤というのは、気(エネルギー)を補う薬で、体力をつけるイメージ。
昔の人は、人の身体は気血水からできていると思っていた。この気血水のバランスや量やめぐりがとても大切で、どこかが崩れると不調をきたしやすい。
補気剤のベースは75四君子湯で胃腸が弱く栄養の消化吸収ができないため、元気がなく体力のない人に、胃腸の働きをよくして全身の消耗をとる。
㊸六君子湯は、四君子湯に陳皮半夏を追加したもの。高橋先生は言われなかったがイメージは、胃もたれがして食欲がない冷えているオトナ女子に㊸六君子湯。
陳皮半夏は、むかつきをとる作用がある。四君子湯が合うひとで、上部消化管の機能異常が出ている場合。あと冷えている場合。
疲れやすい、元気がでない、筋力低下で悩むオトナ女子には㊶補中益気湯。
当院でも処方頻度が多い。これがないと生活できないというママもいらっしゃる。
イメージは上を向いて歩こう補中益気湯!
疲れて落ち込んだオトナ女子には65帰脾湯。
イメージは、もともと胃腸の弱い人が落ち込んだとき。
高橋先生の外来では、コロナ感染がこわい、胃が弱いから薬が飲めない。心療内科はハードルが高くいけなくて、くよくよして夜も眠れない、そんな方にとても有効とのこと。
疲れて落ち込んでイライラしているオトナ女子は137加味帰脾湯。
加味帰脾湯は帰脾湯+柴胡・山梔子
柴胡と山梔子の作用は、いらいらやのぼせをさます作用がある。私の加味帰脾湯のイメージは、不安で不安で心配で心配でたまらなくて体力が落ちて弱っているママにかな。
疲れてむくんでふわふわむかむかのオトナ女子には㊲半夏白朮天麻湯。。胃腸が弱く、エネルギー不足で、めまい、ふらふら、頭痛のある人に有効。
疲れて膀胱刺激症状がでているオトナ女子に111清心蓮子飲。
もともとは、胃腸が弱く元気がない人が、心労によるイライラうつうつ、眠れない、口が渇く、手足がほてり、さらに排尿痛、排尿困難などの症状がある人。エネルギーが足りなくて、膀胱の排尿畜尿作用が失調した人によい処方。
高橋先生の講演はほんとにわかりやすい。
人生の坂道を上り下りするときに漢方薬は杖になるという表現をされた。補剤は、急に症状をとったりすることはないが、ずっと飲んでいると少しずつ少しずつできることが増えて体調が回復する。どちらかというと長く飲んでいて楽になる。
高橋先生のご講演は4回シリーズ、
次もとっても楽しみや。
Posted by さかざきひろみ at 19時44分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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