2019年03月21日(木)
久しぶりに [診療]
ロタウイルス胃腸炎のお子さんが続いた。
やっぱりとってもしんどそう。
ワクチン未接種の方はとくにひどい。
お子さんが無欲状顔貌になる。
一目みただけで、重症感。
ロタワクチンの接種率が大阪で50%以上になって、流行がめっきり減った。
ワクチンがないころは、3月はいつもロタウイルスだらけ。
勤務医のころは、ロタウイルス部屋ができるほどであった。
ノロウイルスはお子さんはたいてい2−3日で軽快する。
ロタはノロの比ではない。
嘔吐下痢の回数がひどい子もいるし、それほど嘔吐してないのにぐったりしている。
いったん軽快してもまた嘔吐。
それが1週間も続く。
ほんとにしんどそうで、点滴してもよくならないことも多い。しかも、入院したお子さんで、1日に何度もけいれんする場合もあった。
また、ロタウイルスは脳炎の原因としてインフルエンザ、ヘルペスについで3番目。
脱水がひどくて腎前性腎不全になることも。
生後2ヵ月からワクチンがあるが、ロタウイルス感染症のことを知らない方は「ロタはいらない」と言われる場合もある。しっかり、病気の怖さを伝えるのは私たち医療者側の義務。
もちろん、ワクチン接種してもかかってしまうお子さんもいる。
しかし、症状は全く違う。
私はロタにかかって、しんどくなるお子さんをたくさん見た。
生後2ヵ月からのワクチン、ぜひロタワクチンも一緒におすすめしたい。
Posted by さかざきひろみ at 17時29分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2019年03月14日(木)
お布団から! [診療]
国立成育医療研究センターの研究で、すべての家庭のお子さんの寝具から鶏卵アレルゲンが検出されたとの報告。
3歳児がいる国内88家庭を訪問して子供の敷布団からほこりを集め、鶏卵とダニ由来のアレルギー原因物質の量を調査。
全ての家庭で子供用寝具から鶏卵アレルゲンが検出され、しかもダニアレルゲン量よりも高濃度で検出されたとのこと。
食物アレルギーは皮膚感作が主な原因と言われている。
皮膚が湿疹があったり、がさがさしてると、皮膚のバリア機能がなくなり、そこから卵やダニのアレルゲンが侵入して、アレルギーが成立してしまう。
赤ちゃんは、よだれが多いし、ミルクや母乳が皮膚について肌があれやすい。しかも、寝具に寝ていることが多いので、皮膚からアレルゲンが入りやすい。
だから、卵を食べたことがないのに血液検査で卵白RASTが陽性になっているお子さんが多い。
乳児湿疹は油断できない。
新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下するとも言われている。
適切なスキンケアと必要な軟膏塗布で、赤ちゃんの皮膚は常につるつるにしておくことがとっても大切。
Posted by さかざきひろみ at 19時41分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2019年02月19日(火)
麻疹(はしか)が...... [診療]
今年になって、まず三重県の集会での集団感染。
その後、京セラドームのAKB握手会への感染者の参加などあったが、それほど広がらずほっとしていた。
そんな時、ハルカスで麻疹。
発症しているのは20〜40代の方。
そして、茨木市の病院では、麻疹の外来患者さんから職員が感染。
他にも、和歌山や千葉やらあちこちで麻疹の発生が報告されている。マレーシアやタイなど、海外で感染して帰国して発症するケースもある。
関西を中心に麻疹が増加してして、過去10年で最多のペース。
2006年(H18)4月に、MR(麻疹風疹)ワクチンが1歳から2才未満と年長さんの2回接種になった。
2008年(H20)4月に、それ以外の年令の方も接種できるように経過措置された。すなわち2008年4月から2013年3月までの5年間は、1990年(平成2年)4月2日〜2000年(平成12年)4月1日生まれの方は、中1と高3のときにMRワクチンを接種できるようになったのだ。
しかし、この時の接種率は75%しかない。25%もの人、きっと何十万人以上の方が麻疹に対する免疫がない可能性がある。高3でワクチン接種できますよと言われても、受験や学校が忙しくてなかなか接種できなかった人も多いはず。
また、1990年(H2)4月1日以前に生まれた方は、ワクチン接種は1回だけ。
新幹線や飛行機、多くの人が集まるところはどこでも感染の危険がある。麻疹は空気感染で物凄く感染力が強い。
一番怖いのは、1歳未満のお子さんが罹ってしまうこと。
小さいお子さんを守るためには、周囲がMRワクチンを確実に2回接種していることが必要。
ただ、現在MRワクチンは定期接種のお子さんの分しか作られていない。関西空港で麻疹騒動があったとき、多くの大人の方が接種されたので、ワクチンが足りなくなるということもあった。あってはならないのだが、今回もその可能性は否定できない。
1歳になったらすぐに、そして年長さんでまだの方はすぐに接種をお勧めしたい。
Posted by さかざきひろみ at 18時57分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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