2019年05月28日(火)

まさか六君子湯が..... [漢方薬]

よく「○○に効く漢方ってありますか」と聞かれることが多い。
○○は 頭痛だったり、肩こりだったり、不眠、腰痛などなど。
実は、漢方薬は診察せずに病名や症状だけで、お薬を決めることはできない。その人の体質、生活環境、他の症状などによって、効く漢方薬は変わってくる。
同じ症状でも、人によって薬が違う。
それを難しい言葉で同病異治という。

例えば頭痛の場合は、
気圧の変化や雨降り前の頭痛は水のバランスが悪いので五苓散関連の薬。
緊張が強いタイプは、柴胡桂枝湯や抑肝散。 
月経関連は駆お血剤。
体質によって、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸、または加味逍遙散で長年の頭痛が軽快した方も多い。

先日びっくりしたのは六君子湯が頭痛に有効だった11才のお子さん。
8才ごろ頭痛がひどく、CTは異常なし。
冷えたり、人ごみ、気圧の変化などで頭痛がおこる。

本人の雰囲気やお腹の所見は小建中湯が効きそうだけど、シナモンはきらいとのこと。
緊張が強そうだったので、柴胡桂枝湯から処方したが、いまいち。
とにかく食が細い、冷え症、少し水のバランスも悪そうなので、六君子湯を処方してみた。
これは美味しいと!
六君子湯を飲んでから食欲が増え、頭痛を言わなくなった。
こんなに長い間、頭痛を言わなくなったのは初めてとのこと。ごはんもよく食べるようになった。ほんとによかった。

六君子湯は、胃腸機能を改善して、身体を元気にする薬。
水のバランスも良くなるし、冷えも改善してくれる。
大人では、機能性ディスペプシアに良く処方されている。
そういえば、千福先生は失恋で食欲不振になったときに六君子湯がいいよと話されていた。
頭痛に有効とは、効能効果には書いていない。

今回のケースは、胃腸機能が回復して、食欲が増え、身体の気と水のバランスがよくなったのね。このまま元気になってね〜。
ちなみに、このお子さん、下痢がひどく、げっそりしたときには真武湯が効くらしい。
漢方薬には色々な手段があるから、ほんとに素晴らしい。

Posted by さかざきひろみ at 19時59分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年05月25日(土)

大阪小児科医会総会・教育セミナー

本日は、年に1回の大阪小児科医会総会。
そのあとは、引き続き教育セミナー。

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総会はやっぱり難しい。
議案とか承認とか、収支予算とか、国会みたい。
こういう難しいことややこしいことを、担当理事の方々が一生懸命して下さるからこそ医会が成り立っている。
ありがとうございます。

大阪小児科医会賞は、今年は藤井先生の『在宅所にかかりつけ医事業」からみた小児在宅利用の考察』私も1例だけ、在宅のお子さんを引き受けたが、藤井先生にはほんとにたくさん教えて頂いた。しかもめっちゃ頼りがいがある。藤井先生がいらっしゃらなかったら、たぶんできなかった。

特別講演は近大小児科教授の杉本先生
『小児科医が支える「人生100年時代」』
子どもたちの誰もが経済事情にかかわらず夢にむかって頑張ることができる社会、それには心身ともに健全であることが必要。小児科医がそんな子どもたちのためにできることについて、とてもわかりやすく、ためになるお話しだった。

終了後は懇親会。

いつもたくさんお世話になっている先生方とゆっくり話ができた。
兵庫県だけど、大阪小児科医会に入会したパパも参加。
私が参加するので、今日の晩御飯がないので食べにきた。
おなかいっぱいになって、嬉しそう。
でも、パパまた痩せたなあ。

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Posted by さかざきひろみ at 21時00分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年05月23日(木)

舌下免疫療法 [診療]

昨年11月〜12月初めにスギの舌下免疫療法を当院ではじめた方は11人。
みなさん、今年のスギのシーズン、症状が軽かった。
中には全く何も症状がない方も。

毎年、薬を飲んでもスギの時期はひどいけど今年は全然違うとのことで、ほとんどの方の感想は「やってよかった」

まだまだ3−5年続けないといけないけど、こんなに早く効いてびっくり。
副反応も、最初の1-2週間は口や舌がピリピリするお子さんがいたが、その後は症状ななくなった。

一方、ダニの方も11月から始めているが、まだまだ効果は少ない。
こちらのほうが時間がかかるよう。
それでも、鼻閉の薬を飲む日が減ったという方もいる。

スギの舌下免疫については、12月中旬から5月中旬まで開始できなかったが、今週から当院でも再開している。

今年スギで大変だった方には、スギの舌下免疫をおすすめしたい。
また、ダニについても、アレルギーが強く、年中鼻閉があるなどの症状がある方もお勧め。

7月に、「舌下免疫療法、はじめの一歩」という題名で短い講演をさせていただくことになった。
アレルギー専門医でも何でもない一般小児科医の私でもできるということをお話できたらと思う。

専門病院にいかなくても、いつものかかりつけの先生のところで、気軽にできればと思う。そのきっかけになればと思う。

Posted by さかざきひろみ at 20時00分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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