2021年09月09日(木)

疲れているときには [漢方薬]

なんといっても㊶補中益気湯
名前のとおり中(胃腸機能のこと)を補って、気(元気)を増す薬。
色々な病気に効果があるから医王湯ともいう。
まさに、医薬の王様!

身体にエネルギーを補充しながら、消化機能を回復させ、血液循環を促進させ、免疫力をアップする作用がある。
普段から体力の落ちている食欲のない人の薬だけど、
普段元気でも非常に疲れたとき、オーバーワークのときに有効。

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江戸時代の津田玄仙先生の㊶補中益気湯の8つの使用目標は
@手足が疲れるA声が小さい
B目力がないC口に生唾がたまる
D味がしないE熱いものを好む
Fおなかで動悸がふえるG脈が弱い
このうちの2-3の症状があればよいとされている。

この薬のメインは人参+黄耆
人参はエネルギー(気)をふやし、黄耆はエネルギー(気)が漏れないようにする。その結果身体にエネルギーが増える。
人参と黄耆が含まれている処方を参耆剤(じんぎざい)という。
人参、蒼朮、陳皮、生姜、大棗、甘草は胃腸機能を改善する。
ちなみにこの6つに茯苓と半夏が入ると㊸六君子湯。
柴胡と升麻は下がったものを持ち上げる作用がある。
食欲アップ、気持ちアップ、精神状態アップ、免疫機能アップ、筋力アップ。
当帰は血のめぐりをよくして、潤す作用もあり。

これは中国の金元時代の李東垣(りとうえん)先生が考えたもの。
西暦1200年ごろ、日本では鎌倉時代??
今から約800年前に作られた薬。
800年もの間、なくならずに存在し続けた薬。
それが、現代の多くの人に役立っているってほんとにすごい。
受験生の風邪予防、最近は新型コロナウイルス感染予防にも良いと言われている。
ちなみにパパは10年以上飲んでいる。
補中益気湯がなかったら、仕事が続けられなかったかもしれない。

Posted by さかざきひろみ at 16時53分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2021年08月28日(土)

浜松に向けて [漢方薬]

福原先生とのコラボ講演。
本当は、浜松でハイブリッドの予定だった。

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この講演が企画されたころは、8月にはコロナも落ち着いていて、浜松に行けるはずだった....。
うなぎ楽しみやった。エクシブの予約もしていた。
しかし、今が一番危険。
完全Web講演に。

自宅から配信するつもりだったが、前回の「音がでない事件」のこともあり、やはり何があるかわからない。
スタジオからの配信となった。
たった一人で自宅からより断然心強い。
福原先生の講演をそばで聞けてめっちゃ勉強になった。

「補剤から始める漢方治療」
補剤というのは、身体に足りないものを補う漢方薬のこと。
気が足りない➡補気剤 ㊶補中益気湯 ㊸六君子湯
水が足りない➡滋陰剤 136清夏益気湯(気と潤いを補う)
血が足りない➡補血剤 ㉓当帰芍薬散
そして、現在に大切なレジリエンス(しなやかな強さ)を手に入れるには、この補剤がとても役に立つとのこと。

福原先生も千福先生もいつも処方を限定してしっかりお話ししてくれる。たくさんの処方がでてきても、覚えられない。
これを私も見習うようになった。

私のはこどもの心シリーズ。
東京、大阪に続いて第3弾。
処方を限定して、72甘麦大棗湯、54抑肝散 99小建中湯、I柴胡桂枝湯 O半夏厚朴湯の6つについてお話しした。

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最後に2人で質問に答えながら、クロストーク。
これが一番楽しい。
時間に限りがあるが、2人でエンドレスに話ができそうやった。漢方談義はつきない。

4月からずっと講演や執筆やdutyがいっぱいやったが、これでひとまずやりきった。次は小児鍼学会での講演。それまでは、さらに知識アップのために、いっぱい勉強しよう。

Posted by さかざきひろみ at 21時05分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2021年08月22日(日)

ワークショップもWeb [漢方薬]

日本外来小児科学会でのワークショップ。
初めて、WEBのみでにWS。

外来小児科学会での漢方薬のワークショップ、横浜、福岡、大阪、仙台、高松、福岡。今回はもう7回目。

今回は「プライマリケアに役立つ漢方薬の使い方 〜小児の睡眠の問題について〜」
関東、関西、四国、東海など色々なところから参加してくださった。皆さん、臨床がとっても好きということがお話ししてよくわかる。患者さんのことを一生懸命考えてはる。
そんな先生方とお話しするだけで、とっても楽しい。

子どもの睡眠については、なんといっても一番は睡眠衛生指導だと思う。その次に、投薬になるけど、お子さんには西洋薬はなかなか使いにくく、漢方薬の出番となる。

今回は、乳児、学童とわけて症例提示しながらお勉強。
やはり、メインは72甘麦大棗湯 54抑肝散 83抑肝散加陳皮半夏、99小建中湯。
他にも、年長児で疲れ切っている場合には103酸棗仁湯もいいと教えてもらった。
これは、今まで大人の方しか処方したことがなかった。
しかし、有効例があると効いたので、処方選択がさらに広がった。

あと漢方薬とは関係ないが、参加された先生方から、
発達のこと、姿勢のこと、くつが大切ということも教えてもらった。
靴があってないと、上半身の緊張が強くなって、頭痛がひどくなったり、肩こりがおこったりすることがあると教えて貰った。インソール外来や靴外来なるものもあるらしい。

そういえば、以前草鹿砥先生も足育の話をされていた。

不適切な靴選びで、重心が崩れて、姿勢も悪くなって体全体に影響する。そして幼少期の歪みが、成人期への問題になっていくとのことだった。

今日はサブリーダーとして参加したが、逆に色々なことを教えてもらった有意義なWSだった。
そして、ギリギリにもかかわらず、いつも完璧にこなす蘭子ちゃん、知識が豊富で何でも知ってるいずみーる、すごいわ。
私の自慢。

Posted by さかざきひろみ at 16時57分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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