さかざKIDSブログ

2015年06月23日(火)

髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ) [診療]

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)に対するワクチンが日本でも発売された。
IMDって何?と知らない方の方が多いと思うので、詳しくはこちら(IMD情報センター)

このIMDについて実は私もよく知らなかった。
2011年に九州の高校の寮での集団感染で死亡例があったというニュースがあって、その時初めて日本でも発症するんだと知った。

実際は、中央アフリカの髄膜炎ベルト地帯という地域で流行していて、ほかの地域ではあまり流行しないが、日本でも毎年患者さんは発生しているらしい。

熱や風邪症状で発症し、症状が急激に悪化し、発症2日以内に5−10%が死亡するといわれている。万が一助かっても重篤な後遺症を残す。

まれではあるが、発症すると非常にこわい感染症。
集団生活、特に寮や合宿所などでの共同生活において、感染リスクが高くなる。
そのため、米国では、10代後半から20代の感染予防のために11−12歳に1回目のワクチン接種が推奨され、その後16歳で追加接種されている。

そして、今年5月に、日本でも髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ)が発売された。
接種推奨年齢は11−12歳。
米国や英国、オーストラリアへの留学する場合、アフリカの流行地域へ旅行する場合にはぜひ接種をお勧めしたい。
ただ、日本にずっといて接種したほうがよいかはとても難しい。
しかも、このワクチン非常に高価で、当院では税込で23000円。
(接種ご希望の方は、当院に電話でご予約ください。入荷に2-3日かかります。)

娘が大学生のとき、アメリカへ短期留学をした。その際、IMDについては全く警戒しなかった。
この時は日本で認可されていないワクチンだったのだが、IMDについてよく知っていたらトラベルクリニックに行って接種していたと思う。
結果的には無事だったが、今思うとほんとに恐ろしい。
知らないということは、ほんとに怖いことだとつくづく思う。
こんな病気があって、ワクチンで防ぐことができるということを、是非皆さんにも知ってほしい。

Posted by さかざきひろみ at 19時50分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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