2018年03月04日(日)
のどが痛い! [漢方薬]
のどが痛いとき、西洋薬ではトローチや鎮痛剤。実は漢方薬にも色々な処方がある。もちろん、溶連菌感染症の場合は抗生剤が必要だが、漢方薬の併用もOK。
ただのどが痛いだけ→138桔梗湯
扁桃腺が腫れて炎症が強い→109小柴胡湯桔梗石膏
冷えがあって少し鼻水もあり(のどチクの風邪)→127麻黄附子細辛湯
うちの娘は109番が大好き。
私も109番派。これを常備しているママもいる。
のどが痛くなったら手持ちの109番を飲んで軽快しないときだけ受診されている。
だけど、漢方薬の味が苦手の方もいる。
そんな時は、桔梗湯。これは、味が甘くてのみやすい。
桔梗と甘草という2つの生薬でできている。
生薬の数が少ないものは即効性がある。
桔梗には抗炎症・排膿・鎮痛作用があり、甘草は急迫症状を治す作用がある。
そのまま飲むよりも、お湯で溶かして冷ましてから、のどの痛いところにうがいしながら飲むとより効果的。
いわゆる「がらがらごっくん」
1日分をペットボトルの水500mlに入れて、ちびちび飲むのもOK。
外来では、インフルエンザはさらに減ってきた。
くしゃみ、鼻水、目がかゆいとお子さんもママも花粉症の症状が軒並み増えてきた。
抗アレルギー剤、点鼻点眼薬、漢方薬などあらゆる手をつかって、なんとか乗り切ってほしい。
あとは、RSやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎が目立つ。今日は、春の陽気。
だけど、あさってからまた寒くなるらしい。
まだまだ、コートが必要かな。
Posted by さかざきひろみ at 17時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2018年02月22日(木)
鼻づまり [漢方薬]
外来で口をポカーンと開けているお子さんをよくみる。
お口閉じてねっていうと閉じれる場合もある。
だけど、鼻炎や副鼻腔炎がひどい場合はお口を閉じることはできない。
ママにきくと、以前から鼻が悪くて耳鼻科で色々治療してもらっているけど治らない。
そして、夜はいびきがひどく無呼吸になったり、寝相もとっても悪いし叫んだりするお子さんもいる。
西洋薬の抗アレルギー剤や抗生剤などで有効な場合はよいが、そうでないときは漢方薬がお勧め。
とくに鼻づまりには漢方がとっても有効。
透明の鼻水がぽたぽたたくさん→小青竜湯
ねばねばした鼻水で鼻閉が強い→葛根湯加川芎辛夷
どろどろの鼻水→辛夷清肺湯
鼻水はほとんどないが鼻がつまって夜眠れないと泣く→越婢加朮湯
赤ちゃんの鼻づまり→麻黄湯
最近、出番が多いのは、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)。
鼻閉がよくなって、夜間熟睡できるようになった。
夜のいびきがなくなって、寝相もよくなった、夜叫ばなくなったなどとても喜ばれている。
パパが勝手に飲んで「これ、めっちゃ効く」とお子さんの分を全部飲んでしまったケースもある。
ただ、上記のくすりは辛夷清肺湯以外は麻黄が含まれるので、体力のない大人の方や高齢者の方は注意したほうがよい。
ちなみに、私は昼は透明な鼻水がぽたぽたでるけど、夜間は鼻が詰まって苦しかったときに、小青竜湯と葛根湯加川芎辛夷と一緒に飲んで、あっという間に軽快した。
新見先生は、葛根湯加川芎辛夷を頭が良くなる薬と話されていた。
鼻閉が軽快→夜間熟睡できる→昼間集中できる→成績が上がる。とのこと。
私も中学生ぐらいのお子さんには「これ飲んだら賢くなるで」と説明している。
ただ、漢方は味がちょっとね。
特に、辛夷清肺湯はとってもまずい。
小青竜湯はすっぱ苦い。
最近は、西洋薬のムコダインムコサールを混ぜると飲んでくれるお子さんが多い。
小青竜湯と葛根湯加川芎辛夷は錠剤もある。
そういえば、越婢加朮湯をたこ焼きソースに混ぜて飲んでいたお子さんがいた。
私はいつもその子に、「今日はたこ焼きソース処方しとくね」と言っていた。
小青竜湯をもずく酢で飲んだお子さんもいたなあ。
漢方薬は体質や症状に合わせてたくさんの選択肢がある。
そして、飲み方も様々でほんとに面白い。
そして、こうやって並べると色がたくさんあってカラフル。
Posted by さかざきひろみ at 19時41分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2018年02月17日(土)
モダンカンポウセミナー [漢方薬]
今週も漢方セミナー。
新見先生の3部作。
神戸主催で80名の定員なのに、大阪から80名、神戸から70名の参加予定。
さすが新見先生、大人気。
新見先生がいつも必ずお話しされること
「西洋医学で治せないものがメインターゲット」
「直球の西洋薬が効かないときに、漢方と言う変化球があると臨床はとても楽しい」
「漢方は道具。とにかく300例処方すると漢方が何かがわかってくる」
2部では、3秒ルール。
実際は3秒では無理なのだけど、私はこの本が大好きだ。
生薬レベルから漢方薬を分類し、そしてそのエキス剤の方向性の理解の仕方が書いてある。
本を読むよりも、実際に先生のお話しを聞くとさらに理解が深まる。
今回は漢方診療の実際の進め方(患者さんへの話し方、治療方法)のお話しもあった。
最後は領域別の解説。
呼吸器、消化器、循環器、泌尿器、精神、運動器、婦人科、小児科、耳鼻科、皮膚科、眼科、口腔外科。
あっという間に簡単にわかりやすく説明されていた。
いつもながらの質問コーナーが圧巻。
実にスピーディ、どんな質問もウエルカム。わからなことははっきりわからない。西洋薬の方がよい場合はそちらを使ったほうがと断言される。
講演に参加された先生たちは、皆さん「明日から使ってみよう」と思われたに違いない。
新見先生は、そのまま東京に戻られて、明日朝はなんとまた姫路でご講演されるそう。
講演もそうだけど、行動もエネルギッシュ。
昨年12月に、東京でご一緒させて頂いたのだが、今度は大阪でのコラボレーションも決まった。
ランチしながら打ち合わせ。
日程は8月4日(土)。色々楽しい企画がいっぱい。
新見先生が提案されることは、ほんとに面白い。
詳しいことが決まれば、またお知らせしますね。
その前に5月19日(土)に岐阜の中ちゃん先生とのコラボもあある。
偉い先生方とご一緒させて頂いて身に余る光栄。
多くの先生方に漢方薬の良さを知っていただけるように、私はもっともっと勉強しよう。
Posted by さかざきひろみ at 20時35分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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