よく「○○に効く漢方ってありますか」と聞かれることが多い。
○○は　頭痛だったり、肩こりだったり、不眠、腰痛などなど。
実は、漢方薬は診察せずに病名や症状だけで、お薬を決めることはできない。その人の体質、生活環境、他の症状などによって、効く漢方薬は変わってくる。
同じ症状でも、人によって薬が違う。
それを難しい言葉で同病異治という。

例えば頭痛の場合は、
気圧の変化や雨降り前の頭痛は水のバランスが悪いので五苓散関連の薬。
緊張が強いタイプは、柴胡桂枝湯や抑肝散。　
月経関連は駆お血剤。
体質によって、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸、または加味逍遙散で長年の頭痛が軽快した方も多い。

先日びっくりしたのは六君子湯が頭痛に有効だった11才のお子さん。
8才ごろ頭痛がひどく、ＣＴは異常なし。
冷えたり、人ごみ、気圧の変化などで頭痛がおこる。

本人の雰囲気やお腹の所見は小建中湯が効きそうだけど、シナモンはきらいとのこと。
緊張が強そうだったので、柴胡桂枝湯から処方したが、いまいち。
とにかく食が細い、冷え症、少し水のバランスも悪そうなので、六君子湯を処方してみた。
これは美味しいと！
六君子湯を飲んでから食欲が増え、頭痛を言わなくなった。
こんなに長い間、頭痛を言わなくなったのは初めてとのこと。ごはんもよく食べるようになった。ほんとによかった。

六君子湯は、胃腸機能を改善して、身体を元気にする薬。
水のバランスも良くなるし、冷えも改善してくれる。
大人では、機能性ディスペプシアに良く処方されている。
そういえば、千福先生は失恋で食欲不振になったときに六君子湯がいいよと話されていた。
頭痛に有効とは、効能効果には書いていない。

今回のケースは、胃腸機能が回復して、食欲が増え、身体の気と水のバランスがよくなったのね。このまま元気になってね〜。
ちなみに、このお子さん、下痢がひどく、げっそりしたときには真武湯が効くらしい。
漢方薬には色々な手段があるから、ほんとに素晴らしい。

土曜日は、金沢加賀温泉で講演会。
診療のあと、サンダーバードに乗って加賀温泉へ。

４月も小児科学会で金沢にいったばかり。
サンダーバード、やっぱりめっちゃ揺れる。

柴山潟と白山峰。
お仕事なのに、ちょっとリゾート気分。

加賀医師会、薬剤師会の主催だったので、医師以外にも薬剤師の方も参加してくださった。

直前になって、やっぱり本社の厳しい審査をうけたのしか配布資料はだめといわれ、今回はスライドのレジュメはなし。
それでも、皆さんとっても熱心に聞いてくださった。
ありがとうございます。

講演会終了後は、世話人をしてくださった、上棚先生と金田先生とお食事会。
加賀のとっても美味しいごはん。
なんといっても、のどぐろのお寿司が一番。
上棚先生は、小児科医とは思えないほどエネルギッシュ、色々なことに精力的に取り組まれている。私も負けそうなほど元気な面白い先生。
金田先生は、病院の部長先生。小児医療について、とてもまじめで熱心な先生。びっくりするほどのお仕事量に先生働きすぎやわと言いたくなってしまった。

子どもが大好きで小児科が大好きな熱い先生たちとのお食事会は楽しくてあっという間に時間がすぎる。めっちゃ夜更かししてしまったけど、有意義な時間やった。

加賀温泉に呼んで頂いて本当にありがとうございました。

とうとう、5月28日に発売決定。
『漢方♥外来　先生、儲かりまっか？』
またまた、ちょっとした新見先生との雑談が、本になった。
凄い題名で私もびっくり。
新見先生と千福先生のところは、ほんとに学問的で素晴らしい。
私のだけ、ちょっと下世話な話。文章も幼い。
だけど、また本にして頂いて、感謝がいっぱい。

そして、昨日は千福ファミリー集会。
忘年会も新年会も行けなかったので、ほんとに久しぶり。
千福先生にお会いすると、とっても元気になる。
パワーをたくさん頂いて、またこれからも頑張ろう！
それにしても、皆さん面白い。
うちのスタッフの吉本的面白さとまた違うわ。
お昼も夜もいっぱい笑った。