2016年12月06日(火)
鉄欠乏性貧血 [診療]
最近、貧血のお子さんが多いように思う。
特に、乳児期と思春期でどちらも成長が目まぐるしいとき。
この時期は、鉄分がたくさん必要になる。
乳児期後半になっても、母乳ばかりで離乳食を全く食べないお子さんは貧血になっていることが多い。
赤ちゃんの場合は、貧血があっても比較的元気なので見た目だけではなかなかわからない。
たまたま、熱が続くため血液検査をしたときなどに見つかる。貧血になると、体の色々なところへ酸素を運ぶ量が減ってしまう。特に脳に影響がでやすく、精神神経の発達に影響が出る可能性がある。
きーきー言ったり、夜泣きがひどかったりする場合もある。
思春期も体が急に大きくなるので、鉄の必要量が増える。
この時期に激しい運動をしているのに、食べる量が少なかったり偏食だったり、過激なダイエットをすると、あっという間に貧血になってしまう。
ただ、赤ちゃんと違って、疲れやすい、すぐにばててしまう、めまい、たちくらみ、頭痛などの症状がでるので、比較的見つけやすい
それ以外の時期でも貧血のお子さんがいる。
顔色が少し悪く疲れやすいので
「ご飯ちゃんと食べてる?」とお聞きすると
「お菓子しか食べません。」
「ジュースばかり飲んでます。」という場合もあるが、
「この子、食べるときは食べるんですが、食べないときは全然なんです。」という答えも多い。
鉄欠乏性貧血とわかったら、食生活を見なおして、鉄分を多く含む食品(魚、レバー、肉、緑黄色野菜)なども積極的に摂取することが必要になる。
しかし、貧血の程度が強いと、食事だけで回復することは難しいので一緒に鉄のお薬も飲んでもらっている。
治療法はあるのだが、やはり小さいときからバランスのよい食事をとるということが一番大切だ。
Posted by さかざきひろみ at 20時28分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
2016年12月01日(木)
何才まで? [診療]
小学校高学年、中学生になると滅多に病気をしなくなるので、あまりお会いできなくなる。
小さいときにいっぱい病気をしても、皆元気になっていく。
そんなお子さん達に会えるのワクチンの時。
インフルエンザワクチンで1年ぶりに会うお子さんたちも多い。
『わあー大きくなったね。いい子に育ったね。』
小児科医にとって、嬉しいひと時。
帰りにママが「先生、来年も来てもいい?
何才まで診てもらえますか?」とよく質問される。
正確にいうと、小児科は中学卒業まで。
だけど、16才になったら小児科医が診てはいけないという決まりもない。
本人がいやでなければ、何才でもいいよとお答えしている。
実際、女の子たちは、大学に行っても来てくれたりしている。
ただ、男の子は、「俺、もう無理。」
ピンクで待合室には小さいお子さんがいっぱいいるので、さすがに恥ずかしいよう。
ただ、高血圧、高脂血症、糖尿病、悪性疾患などの成人特有の疾患を合併されている方は、さすがに内科の先生に診てもらったほうがよい。
そうでなければ、高校生、大学生になっても、ママになってもOKなのだ。
Posted by さかざきひろみ at 19時53分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2016年08月31日(水)
関空でも [診療]
関西空港の従業員2名が麻疹と診断された。
他30人ほどもその疑いがあるそう(詳しくはこちら)。
麻疹は空気感染でとても感染力が強い。
そして、以前にもアップしたように重篤な合併症がある。
8月17日〜30日に関西空港を利用した方は、麻疹ウイルスに暴露している可能性があり、特にまだワクチンを接種できない1才未満のお子さん、またワクチン接種歴がない方は注意が必要。
麻疹の潜伏期は10日ほどなので、関西空港を利用して約10日後に発熱した場合は特に麻疹の可能性が強い。
上記に該当する方は、熱がでてすぐに医療機関に受診するとさらに感染を拡大させてしまう可能性がありますので、受診の際はまずは電話でご相談ください。
Posted by さかざきひろみ at 21時24分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
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