2013年10月13日(日)

ゆびきり [クリニック情報]

ある日の診察室でのエピソード

2才のRくん、手足が黄色いのが心配でと来院。
とっても元気で、カロチン血症のよう。
みかんやオレンジジュース、人参ジュースや野菜ジュースをよく飲みませんかと聞いても、それは飲まないと。
そういえば、フルーツジュースをよく飲むとのこと。
聞けば、なんと1日1.5Lも飲むらしい。
さらにヤクルトも好きで1日4−5本。

それはできれば、減らした方がよいとお話をした。
ジュースは高カロリーで、虫歯にもなるし、将来の肥満につながる。小児肥満のお子さんはたいていジュースが大好き。何よりも、1.5Lも飲んでいたら、水中毒にもなる。
また、最近ではジュースを沢山飲むお子さんはきれやすいとう報告もある。ジュースを飲むと血糖が急上昇するため、そのあと反動で血糖値が下がるとイライラしてきれやすくなるとのこと。
そんな話をすると、Rくん、最近きーきーと疳の虫が強いらしい。

ジュースを飲むのをできればやめたほうがよいが、なかなか急に0するのは難しいので、少しずつ減らしていってねとお話した。

その時、Rくんはじっと私の話を聞いていたので
「フルーツジュースやめようね。ヤクルトもできたら1本にしてね。」と指切りげんまんをした。

それから、しばらくして別のことで来院されたときに、ママ曰く「あれから、ジュースもヤクルトも一切飲まなくなりました。この子、『先生とゆびきりしたね、だから飲まない。』というのです。」

なんて、偉い
2才なのに、私の言うことを理解して聞いてくれたのね。

ジュースやお菓子は、お子さんにとって甘くてとても魅力的なもの。大人になると身体に悪いということはわかるのだが、小さなお子さんには無理。できれば、お子さんにはその味を早くから教えない方がよい。

お菓子やジュース、マクドばかり食べるお子さんに、できればやめたほうが良いという話をしてもたいていは実行できない。
なのに、Rくん、私との約束できっぱりやめることができた。

とても嬉しかったなあ。
これからも、外来で一生懸命お話しよう。

Posted by さかざきひろみ at 17時22分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2013年10月12日(土)

シリンジタイプ [クリニック情報]

今週水曜日からインフルエンザワクチンの接種を開始した。
今年から、0.25mLのシリンジタイプが発売されたことより、0.5mlもシリンジタイプの1人用ワクチンにしてみた。
(昨年までは、バイアルから注射器で吸い上げて接種していた。)

画像(240x180)・拡大画像(640x480)

シリンジタイプのワクチンは、ワクチンメーカーで無菌的に一人分を注射器に詰めて出荷し、開封したらそのまま接種を行えるし、製造から接種時まで無菌状態が保たれるので、保存剤(チメロサールとかフェノキシエタノールなど)が必要ないという利点がある。
バイアルタイプより割高だけど、利点がいっぱい。

ただ、1才未満のお子さんの場合は、なぜかこのシリンジタイプ0.25mlの適応がないので、従来どおりバイアルを使わないといけない。(もちろんバイアルタイプもチメロサールフリ−を使っています。)
今、治験されているようで適応になるのは2年後らしい。

ただ、こんな時期に、すでに関東のほうではインフルエンザが出始めたらしい。
もちろん、当院では、まだ1例もなくRSウイルスのほうが圧倒的に多い。ほかには、溶連菌がふえたのと、暑いからか細菌性胃腸炎のお子さんが多かった。お子さんはしっかり火の通ったものを食べてね。

今日明日、運動会のところも多い。
運動会いっぱい楽しんで、あとはゆっくり休んでね。

Posted by さかざきひろみ at 21時45分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2013年10月08日(火)

シナモンの味 [漢方薬]

五苓散(ごれいさん)は私の好きな漢方薬。
袋をあけると、シナモンの香りがする。
味もシナモン味。

このお薬は、身体の水のバランスを整えるお薬。
粉薬も錠剤もある。一包が錠剤6個と同じ成分。

画像(240x180)・拡大画像(640x480)

桂皮(ケイヒ) 猪苓(チョレイ)茯苓(ブクリョウ)蒼朮(ソウジュツ)沢瀉(タクシャ)の5つの生薬がはいっている。シナモンの味と香りはこの桂皮によるもの。

急性胃腸炎(嘔吐があって、のどが乾くとき。嘔吐がひどくて飲めないときは当院では五苓散座薬も作っているよ。)
むかむかするとき
めまい 立ちくらみ 片頭痛
乗り物酔い(よく効くので当院でも愛用されている方も多い。)
二日酔い(飲む前に一包、飲んだあとに一包、翌日一包らしい)
飛行機の離着陸時の耳の痛み(離着陸30分前に飲んでね。)
私は、食べ過ぎると翌日顔がパンパンにむくむので、そんなときにも前もって飲んでいる。

あと最近では脳外科領域でとても注目されている。
脳梗塞の急性期や、脳外科の手術のときなど五苓散は脳浮腫を軽減してくれるので併用するととてもよいらしい。

この症状は、全て水滞(水毒)の症状で水のバランスが悪い時に起こる。五苓散はこの水滞の症状に即効性がある。
また、他にもこの水滞に有効な漢方薬はいっぱい。

水滞については、ブログの中で「母娘で五苓散」という記事のなかにも詳しくUPしている。
ひょっとしたら、水滞かもという症状があるときは是非一度ご相談下さいね。

Posted by さかざきひろみ at 16時49分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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