2013年08月27日(火)
13価肺炎球菌ワクチン（PCV13） [診療]
現在、定期接種の小児肺炎球菌ワクチンは7価（PCV7)であるが、11月から13価肺炎球菌ワクチン（PCV13)にパワーアップする。
PCV13は現在のPCV７に含まれる7種類に加えて、あらたに6種類の抗原がさらに増えていて、よりたくさんの肺炎球菌の菌株に対してカバーできる。
他の先進国では、すでにこのPCV13が承認されていて、日本でもやっと11月から接種できるようになった。
では、今後どうすればよいのか？
１）初回接種の3回がまだ終わっていない方
11月まで待たずに、生後2ヶ月になったら、すぐにPCV７を接種。また、初回接種の途中のお子さんも、接種控えすることなく、そのままPCV７を接種。
1歳未満に細菌性髄膜炎の頻度が高いので、11月まで接種せずに待つというのはお勧めではない。ただ、初回接種の途中に11月になれば、PCV13接種になる。
２）すでに初回接種3回を終わっている方
今までは、1歳になったら追加接種をしていたが、当院ではお盆あけぐらいから、11月まで待った方がよいと説明している。厚労省も今まで、追加接種は1歳3ヶ月までとしていたが、今回のPCV13の導入にあたっては1歳6ヶ月まで延期してもよいとしている。
３）すでにPCV７を4回接種した方
この場合、4回目から2ヶ月あけて、PCV１３を接種することが可能である（補助的追加接種）。
これによって、PCV7に含まれていない残りの6種類についても抗体が獲得できる。
しかし残念なことに、今回はこれは定期接種として認められなかったので自費(任意接種）になるのだが、補助的追加接種が望ましい。
厚労省のPCV13導入についての見解はこちら
保護者の方へ
11月の導入にあたって、色々混乱されるかもしれませんが、もしご不明な点や心配なことがあれば、いつでもご相談下さい。また、新しいことがわかればその都度情報をアップしますね。
Posted by さかざきひろみ at 16時37分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
確かに追加接種は1才3ヶ月までが推奨されていたのですが、今回PCV13の導入にあたって、追加接種前の1歳3ヶ月と1歳6ヶ月の方の抗体価を測定して、あまり変わらないという結果でした。したがって、追加接種を１才6ヶ月にしても、その遅れに関連した侵襲性の肺炎球菌感染症のリスクの増加はみられないという見解で、1歳6ヶ月まで待ってもよいということになりました。（しかしこの見解を厚労省がだしたのは7月下旬です。）
また、PCV１３は世界126カ国で承認されていて、その安全性や副反応はPCV７と同等です。実際、今年11月になれば、PCV７は接種できなくなり、定期接種はすべて13価です。
PCV１３の自費の費用は、未だ納入価が決定していないので、確かなことはいえませんが、今のところPCV７と同じ納入価になりそうです。そうなった場合は当院では8000円ぐらいにしようと考えていますが、詳しいことがわかれば、またHPにアップしますね。
初めまして。こちらのブログで13価ワクチンのことを知りました。こういった情報を非常に助かります。
今回の13価に関してですが追加接種の人は1歳6箇月まで
待った方が良いということですか？（平成24年5月以降に
生まれた子供） 今までの7価は1歳3箇月までだったのに
13価は3箇月長い理由は何かあるのですか？
後、13価の安全性は大丈夫か少し不安です。厚生省の資料は安全性が高いと書いていましたが子宮頸がんワクチンのようになったりしないか等、色々と不安を感じてしまいます。
色々申し訳ないですが最後に実費になった場合はいくらくらいの金額になるのでしょうか。
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