2017年04月22日(土)
外来術
またあっという間に1週間。
先週見学させて頂いた新見先生の外来。
漢方というより、外来術の勉強になった。
80才の女性。たしか腰痛とかむくみがあったけど、漢方ですっかりよくなった。その方が「今度人間ドックもしようと思っているのです。」
新見先生「何で受けるの?受けなくていいじゃない。80才超えたら、がんを早く見つけても、症状が出てから見つけても一緒だよ。そんなもん受けなくてよいよ。40,50才はべつだよ。だけど80才はいらないよ。好きなことしてたらいーよ。」
たしかにそーかも。
義父は87才で症状がでてから胃がんが見つかったけど、ぎりぎりまで元気だった。もし早期発見してたとえば85才ぐらいで手術やら抗がん剤をしていたら、入院も長く大変やったかもしれない。
夜間頻尿の男性。
「漢方飲んで、夜中のトイレが5回から減ったけど、まだ3回も行くのがね。困っているんです。」
N「何、贅沢いってるの。3回なら僕でもたくさんコーヒーとか飲んだら行くよ。5回はかわいそうだけど、3回は普通だよ。」
「先生でも3回も行くんですか?そうか3回は普通なんですか。」と患者さんがものすごい納得して嬉しそうに帰っていった。
86才の女性の方には、「もう女性の平均寿命超えてるんだから、上等だよ。何でも好きなことしていいよ。もういつ死んでもいいんだよ。」
診察も脈をみて、診察台に寝て全身を触って、最後にうつぶせになってもらう。
このうつぶせになる動作が人それぞれで面白い。
80才超えても、ささっと向ける方もいれば、まだ若いのに時間がかかる方もいる。
さらに、年をとると背中に筋肉がなくなりやすいので、それをしっかり触って確認されている。
でも、たしか一度も聴診器を使わなかったなあ。
「今度は娘さんにおむつ代えてもらいなさい。」
「そんなん嫌ですよ。迷惑かけたくない。」
「何言ってるの?小さいとき、娘さんのおむつ代えてあげたでしょう。今度は娘さんにかえてもらう番だよ。」
そして、どの人にも最後に必ず「他に何か困ったことありませんか?他の先生に言えないことも僕には隠さず何でも言うんだよ。何か困ったことがあったら、いつでも来るんだよ。何もなかったら3か月後に予約いれとくよ。」
江戸っ子だねえ。大阪弁とはまた違う、親しみやすさ。標準語とも違う。
ずけずけと言いたい放題のようにみえるけど、そばで聞いていて患者さんへの愛情をとても感じた。
皆さん、笑って満足されているのがよくわかる。
新見先生に見て貰っている患者さんたちは幸せだ。
これぞ外来力。
女子力も好きだけど、外来力もみがきたい。
Posted by さかざきひろみ at 19時20分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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