2017年08月24日(木)
細菌性胃腸炎 [診療]
また、O157が話題になっている。
集団発生だと、ニュースになるが、全国で散発例はたくさんある。
私が、はじめて経験したのは医師になって1年目の冬。
O157感染で、腎不全になって透析した5才の男の子。
ちょうど、1月でその患者さんのことで忙しかったときに昭和から平成になったのでよく覚えている。
その後勤務医になってからも、散発例を経験したが、何よりも堺の集団発生のときのことが忘れられない。多くのお子さんが入院されて、小児科病棟は、0157のお子さんでいっぱいになった。
激しい腹痛と鼻血のような下痢便がひどくて、みんなベッドで眠ることもできない。ポータブル便器の上にうずくまって仮眠をとるような状態だった。何とか楽にしてあげたいが、下痢をとめることはできない。
幸い、重症の患者さんも、透析することなく、皆元気に後遺症なく回復したのが何よりだった。
細菌性胃腸炎は、O157だけではない。
鶏肉によるキャンピロバクターも多い。
焼き鳥やさんで、鳥のたたきを食べるお子さんたちが結構いるのでびっくりした。
馬刺しを食べて、2才のお子さんがサルモネラの敗血症になり骨髄炎になったケースも経験した。9才のお子さんが卵かけご飯を食べてサルモネラによる急性脳症を発症した報告もある。
とにかく食中毒は予防が一番。
予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」。
調理の前には必ず手を洗い、
手指や調理器具を清潔に保ち、
食材は新鮮なものを選びよく加熱すること、
調理後食べるまでに長い時間をおかないこと
食品どうしで汚染をしないよう、調理器具の使い方にも注意。
そして、生卵、ユッケ、肉のたたき、生レバーなどの生ものはお子さんに食べさないほうがよい。できれば、大人の方も。
まだまだ、暑い日が続くので十分に注意してほしい。
Posted by さかざきひろみ at 14時59分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
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コメント
素敵な記事ありがとうございます。これからも頑張ります!
ありがとうございます!
早速ご紹介させていただきました。
これからも楽しみに拝読させていただきます!
ありがとうございます。
好きなことばかりアップしていますが、そんなふうに言って頂いてとても嬉しく思います。
宜しくお願い致します。
いつも先生のパワフルなブログを楽しみに拝読させていただいております!先生のブログがきっかけで漢方にも助けられ、小学生の子供たちの体調管理にも先生が発信される情報を本当に参考にさせて頂いています。今回のこのような内容もとても参考になります。
私の管理するHPの日記もお子さんを持たれる方が読んでくださることも多く、先生のブログを紹介させて頂きたくお伺いさせて頂きました。
ご迷惑でしたら遠慮なくお知らせください。よろしくお願いします。