さかざKIDSブログ

2015年08月30日(日)

インフルエンザワクチン [クリニック情報]

明日で8月も終わり。
朝夕は涼しく、先週は喘息発作を起こす方が増えてきた。
RSウイルス感染症もちらほらあり、そろそろ秋の気配。
インフルエンザワクチンの予約も9月から開始予定。

今年のインフルエンザワクチンは従来と少し変わる。
従来のワクチンは、A香港型・H1N1(新型)・B型の3つが含まれていたが、今年からはB型も2種類(ビクトリア株と山形株)含まれて、4価ワクチンになる。
B型に対する効果が上がるので、いいことなのだが、なんとワクチンの卸値が昨年よりも1.5倍に値上がりするらしい。
当院では、シリンジタイプのものを使っていたので、さらに割高になる。
できるだけ値上げしないようにするには、割安のバイヤルタイプにもどすか?
看護師さんの手間を考えてシリンジタイプのものにするか?
迷うところ。
卸さんから、確定した値段はまだなので、当院も今年のインフルエンザワクチンの値段が決めれない。それでも、きっとほとんどのクリニックでインフルエンザワクチンが値上がりするはず。

鼻噴霧タイプのフルミストは、今年も接種予定で、この価格は昨年と同じ。今年こそ10月から接種開始したかったのだが、輸入業者さんから、今年も納入が11月になると連絡があった。フルミストに関しては、現在予約受付中。

フルミストについては、詳細は以下のとおり。
昨年から開始したが、やはり従来の注射タイプに比べてかかりにくい印象がある。ちなみに昨年の当院では発症予防効果は90%だった。

フルミスト(鼻腔噴霧インフルエンザ生ワクチン)とは

従来の注射による不活化ワクチンではなく、弱体化したインフルエンザウイルスを鼻の粘膜に吹き付ける生ワクチン。2003年にアメリカで承認、2011年にヨーロッパで承認されているが、日本ではまだ承認されていない。しかし、特に小児において不活化ワクチンより予防効果が高いことから、希望者に対し輸入ワクチンの接種を行う医療機関が増えている。

従来の注射によるインフルエンザワクチンとの違い
@従来の注射ワクチンは血液中に抗体を作るため(IgG抗体)、重症化の予防は可能だが、インフルエンザウイルスの鼻腔からの侵入を阻止することがほとんど出来ない。
フルミストは鼻腔局所に免疫をつくるため(IgA抗体)、ウイルスの侵入を阻止することが可能であり予防効果が高く、同時に血液中にもIgG抗体を作るので万一感染しても重症化も予防できる。
A生ワクチンで細胞性免疫も作るため、流行株とワクチン株が大きく異なっても、ウイルスの発症を軽症化する効果がある。
B特に2才〜7才効果が高く、発症予防効果80〜90%とうデータもある。
(国産ワクチンのこの年令での効果は45〜60%)
C鼻にスプレーするワクチンなので、痛くない。
D有効期間が約1年と長いと言われている。(通常のインフルエンザワクチンは約5か月ぐらい)
E4種類のウイルス成分(A型2株B型2株)が入っている。
(国産ワクチンも今年から4種類)

接種対象者
2才以上50才未満の方(国産ワクチンは生後6か月以上)。
おすすめの方は、持病のない、2才〜7才のお子さんで、不活化ワクチンを接種しても毎年インフルエンザにかかってしまう人。注射の痛みに敏感な人。受験生の方。
(鼻への噴霧のため、泣いていると多量の鼻水によってワクチンの効果が十分でないことあるため大泣きしているお子さんには接種できない。)

接種回数
1回がほとんど。
9才未満で、インフルエンザワクチンをそれまで接種したことのない人、あるいはインフルエンザにかかったことのない人は1ヶ月間隔で2回接種。

接種料金

1回7500円(税込み)


注意点
フルミストは、日本では、まだ未認可のワクチンなので従来のワクチンでの補償制度は受けることができない。(制限はあるが、輸入元MOZEN CORPORATION社の補償制度は受けることはできる。)基本的には、自己責任での接種になる。


フルミストを接種できない方
1、2歳未満、50歳以上
2、5歳未満で喘鳴の既往がある方、1年以内に喘息発作を起こした方
3、慢性疾患のある方(心疾患、腎疾患、糖尿病など)
4、インフルエンザワクチンの成分(鶏卵、ゲンタマイシン、ゼラチン、アルギニン)
に対して重度のアレルギーがある方
5、妊娠している方
6、免疫不全の方や、免疫不全の方のお世話をする方
7、鼻炎や鼻閉のひどい人
8、ワクチン被害に対する国の保証がないことを承認できない方

フルミストの副反応について
 副反応として最も一般的なものが鼻水・鼻づまり・頭痛・発熱などの風邪症状だが、重篤な副反応の報告はない。その他のアレルギー反応など、通常のインフルエンザワクチンと同様の副反応が起こる可能性がある。ただし頻度は非常に少ないとされている。

その他

13歳以上では予想された株が一致すれば不活化ワクチンの効果の方が高くなる。
ただし予想が外れた場合フルミストの方の効果が高くなるため、より確実にインフルエンザを予防したい方は2種類受けていただくことも可能。

Posted by さかざきひろみ at 20時01分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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