2016年03月08日(火)
日本脳炎ワクチン [診療]
3才から接種と思っている方が多いが、実は生後6ヶ月から接種できる。
なぜ3才が勧奨されているのか?
3才ぐらいになって、外出して蚊に刺される機会が多いからというのが理由らしい。
日本脳炎は蚊が媒体して発症する。
蚊に刺されるリスクは1才でも3才でも変わらない。
今回、日本小児科学会が、日本脳炎への罹患リスクの高い小児に対して生後6カ月からの日本脳炎ワクチンの接種開始を推奨する見解を示した。
最近の日本脳炎の発生状況は、
2006年に熊本県で3才児
2009年には熊本で7才児、高知県で1才児。
2010年には山口県で6才児、
2011年には沖縄県で1才児、福岡県で10才児、
2013年には兵庫県で5才児。
2015年に千葉県で11カ月児の報告がある。
実際にブタの日本脳炎抗体保有状況は西日本に多い傾向にある。大阪市内にずっといてどこにもいかないというのなら大丈夫かもしれないが、例えば実家などが九州や四国、三重、鳥取などの地図で茶色の地域にあるのなら、日本脳炎ワクチンの早期接種をおすすめしたい。
昨年、千葉の11か月のお子さんは後遺症を残したらしい。千葉は日本脳炎抗体保有が高い地域になっているし、もし生後6ヶ月から接種していたらと悔やまれる。
ワクチンの1回量は3才以上が0.5ml、3才未満が0.25mlだが、3才未満で1期追加が完了しても免疫原性に変わりがなく有効性が示されている。
これは、世界の日本脳炎流行地域。
中国、台湾、タイ、韓国、インド、ネパールとともに、日本も流行地域になっている。
日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住するお子さんに対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨される。
Posted by さかざきひろみ at 18時56分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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