2015年02月11日(水)
咳にも漢方 [漢方薬]
咳に有効な漢方薬は実にたくさんある。
それぞれ効き方が違うし、咳の状態によっても処方がかわる。
麦門冬湯、五虎湯、小青竜湯、竹じょ温胆湯、清肺湯、柴朴湯、柴陥湯、半夏厚朴湯、神秘湯などなど。
他にも沢山あるのだが私が使っているのはこれぐらい。
お子さんに、よく処方するのは麦門冬湯と五虎湯。
麦門冬湯は、乾いた咳、こみ上げる咳、えへん虫がいるような咳に有効。味も美味しいので飲みやすい。以前ブログにもアップした。
五虎湯は、ぜいぜいがあるような痰の多い咳に有効。すこしまずいけど、これが大好きなお子さんも多い。
最近、私がママ達によく処方するのは柴陥湯。
これは、咳が1ヶ月以上続き、咳がしすぎて胸が痛い場合によく効く。千福先生も大好きなお薬で、咳喘息の方に有効と話されていた。
先日もこんな方(ママ)がいた。
咳が1ヶ月以上続き、あまりにも胸痛が強い。何軒か内科受診したけどよくならない。
レントゲンをとったところ、肺炎はないが、肋骨骨折(咳のしすぎが原因といわれたそう)があると診断。
そこでも、抗生剤や咳止めを色々変えて処方してもらったけれど、全く効かない。
とにかく咳をすると胸痛が強く、漢方で何とかなりませんかと相談された。
長引く咳、咳がでるととまらない、胸痛とくると柴陥湯。
これを処方したところ、翌日からよくなったと、とても喜んでいただいた。
こんなとき漢方を勉強してよかったなあと実感する。
柴陥湯には次の8つの生薬が含まれる。
柴胡(サイコ) 黄岑(オウゴン) 黄連(オウレン) 炎症をおさえる
半夏(ハンゲ) 胸のつかえ感や吐き気をおさえる
人参(ニンジン) 滋養作用
栝楼仁(カロニン)肺を潤す作用
甘草(カンゾウ) 炎症や痛みを緩和する
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)
このなかの潤す作用がある栝楼仁(カロニン)がとてもいいらしい。
西洋薬の抗炎症作用があるものはステロイドになる。
そして潤すお薬にいたっては西洋薬で代用できない。
抗炎症作用と潤す作用、漢方の魅力のひとつだ。
ただ、このお薬、とっても苦い。
お子さんにはちょっとハードルが高そう。
Posted by さかざきひろみ at 18時17分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
2015年02月08日(日)
2月 [クリニック情報]
待合室にオラフも仲間入り。
お子さん達は「あっ、オラフ。」と気付いてくれる。
その嬉しそうな声を聞くのが楽しみ。
外来では、マイコプラズマ肺炎の方が続いた。
皆さん、急な高熱でインフルエンザを心配され、すでに検査されていて陰性。
インフルエンザの咳は乾燥した咳が多いのに比べて、肺炎の方は湿った咳。
とにかく咳がひどくて夜が眠れない。
めずらしく手足口病の方もいた。
リンゴ病や溶連菌は比較的多い。
さらにRSウイルスもまだある。
先週水曜日は立春で満月。
これは2/6の朝に撮影。
夜は曇りが多く最近お月様が見えない。
朝のお月様が幻想的でとても綺麗。
そして、とうとう昨日土曜日から国家試験。
連絡すべきか迷ったあげく、前日の金曜日に
娘に「今までたくさん頑張ったから大丈夫よ。いつもどおり、頑張ってね」とラインしてみた。
すると、「はーい!ありがと」との返事。
何だかちょっと安心した。
今日と明日のあと2日だね。
Posted by さかざきひろみ at 07時23分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
2015年02月07日(土)
ワクチンセミナー
本日午後はワクチンセミナー
医師だけでなく、コメディカルの方もいるので、500人近い方が参加された。
講演1では、
アメリカとの考え方の違い、また免疫不全、痙攣既往、早産低出生体重児の方へのワクチン接種について、わかりやすく説明していただいた。
また、卵アレルギーのある方へのインフルエンザワクチンの安全性については、アメリカでの1000人規模の臨床試験の結果を示され、60分後24時間後の反応はアレルギーのないお子さんと変わらないとのことであった。
講演2では、
2014年のヒブ髄膜炎がとうとう0になった話をされていた。肺炎球菌も減少しているのだが、こちらに関しては菌型が1種類ではないので0にすることは難しい。それでも、私達が日々ワクチン接種してこのように結果がでたことはとても嬉しい。
B型肝炎ワクチンは、2016年に公費になる予定だが、まだはっきりしたことは何も決まってないらしい。今も小児から若年成人に年間6000人の水平感染があるのにはびっくりした。乳児期に接種すると20年以上抗体持続するため公費助成を待つのではなく、これまでどおり接種を勧めるべきであると思った。
今後新しく開発するべきワクチンとして、MMR、MMRV、DPT-IPV-Hib-Bの6混、ノロ、RS、帯状疱疹ワクチンらしい。
また、12歳のDTワクチン接種をDPT-IPVにするというお話しもあるらしい。
どれも、実現はまだまだずっと先だと思うのだが、お子さんたちがVPDで苦しまないように、これからもどんどん良いワクチンが開発中というのは喜ばしいことだ。
最後のパネルディスカッションで、私も参加させて頂いた。本当は武知先生のはずだったのだけど、華やかに?明るく?してほしいとのことで代わりをさせて頂くことになった。
その役目が務まったのかどうかわからないが、他の先生方の話はとても勉強になり、私自身はとても楽しい時間を過ごすことができた。
うちのスタッフ達も参加してくれたのだが、壇上から捜すことができず残念。
ダンスの舞台のときは、すぐにわかったのに....。
帰りには参加者全員に美味しいスイーツのお土産。
こうやって文字を入れることができるのなら、うちも作ってみようかとふと思った。
ぴんくまちゃんつけたら可愛いに違いない。
Posted by さかざきひろみ at 19時34分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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