2024年04月25日(木)
50番 荊芥連翹湯 [漢方製剤]
けいがいれんぎょうとう。
やっと50番まできた。
漢字がめっちゃ難しすぎる。
しかも構成生薬が17個と多い。
ただ保険適応病名はわりとシンプル。
蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび。
実際、炎症が強くて、他の薬ではなかなか治らない難治の副鼻腔炎、ニキビに処方することが多い。
中に、黄連解毒湯(清熱作用、抗炎症作用)と四物湯(血のめぐりをよくする補血剤)がそのまま入っている。
黄連解毒湯+四物湯=57温清飲。
温清飲はアトピー性皮膚炎で、乾燥肌で皮膚の炎症がとても強いタイプに処方する。
また、荊芥、柴胡、防風、桔梗、甘草はE十味敗毒湯にも含まれる。十味敗毒湯も化膿性病変やニキビに。
ただ、この薬は味が、めっちゃめちゃまずい。
うちのスタッフはまずいものを50番と呼んでいた。
また、これとカレーを混ぜて味見してもらったら、
「先生、これは毒カレーですか?」とも聞かれた。
しかし、なかなかニキビが治りにくいお子さん、慢性鼻炎がひどいお子さんたちはこれを頑張って飲んでくれた。
「まずくない?」と聞くと、
「うーん、美味しくないけど、もう慣れた」
Posted by さかざきひろみ at 19時55分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年04月16日(火)
48番 十全大補湯 [漢方製剤]
じゅうぜんたいほとう。「だい」ではなく「たい」と読む。
補中益気湯とよく似た効果だけど、
疲労倦怠があるときに、まだ頑張れそうなときは、㊶補中益気湯。もう頑張れないときに㊽十全大補湯。
そんなイメージ。
どちらも身体を元気にする人参と黄耆が含まれる参耆(じんぎ)剤。
血虚(足りない血をおぎなう)の代表である四物湯。
気虚(消化機能が弱く気がたりない)の代表である四君子湯。
そこに、皮膚を強くして滋養強壮作用のある黄耆と、温めて気をおぎなう桂皮が含まれている。
倦怠感やだるさがあって、かつ血虚の症状
(貧血、皮膚の乾燥、皮膚のつやがない、髪の毛が抜ける、月経量が少ない、目がかすむ、筋肉のひきつりなど)があれば、十全大補湯。
悪性腫瘍の術後などにもよく処方されている。
急性中耳炎ガイドラインには、反復性中耳炎に対して「補剤である十全大補湯は、免疫賦活・栄養状態改善などを通して中耳炎罹患回数の減少効果を融資、反復性中耳炎に対する使用が推奨される。」とされている。
また肛門周囲膿瘍の急性期には排膿散乃湯が有効だが、繰り返す場合は予防といて、十全大補湯が処方される。
どちらも、2歳未満の乳幼児に多い疾患で、十全大補湯の有効性が報告されている。
Posted by さかざきひろみ at 19時00分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年04月09日(火)
47番 釣藤散 [漢方製剤]
ちょうとうさん。
小児科では、あまりなじみのない薬。
慢性頭痛の診療ガイドラインに、頭痛に有効な漢方薬として記載されている。
主に、虚弱な人で血圧が高めの人の頭痛に対する薬。
頭痛は朝方におこることが多い。
実証タイプの高血圧には黄連解毒湯を用いる。
釣藤鈎というのは、抑肝散にも含まれている。
これは、興奮を抑えて、緊張からくる筋肉痙攣を和らげる。
菊花は、目に良い生薬。頭痛や目の痛み、めまいに効果がある。
石膏はかっかするのをおさえて、防風は鎮痛作用。
麦門冬は心を潤す。
さらに、六君子湯が含まれているので、胃腸に優しい。
イメージはイライラしてのぼせて、気が逆上して頭痛めまいがする人。
高山先生によると、元気だが気難しく頑固な老人にあう薬らしい。
Posted by さかざきひろみ at 18時11分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
【 過去の記事へ 】