2024年07月25日(木)

57番温清飲 [漢方製剤]

うんせいいん

温という文字がついているが、実は冷やす薬。
抗炎症作用が強いN黄連解毒湯+71四物湯。
炎症をおさえながら、血のめぐりをよくして潤す作用もある。

N黄連解毒湯は冷やす薬、
71四物湯は温める薬。
冷やすものと温めるものが一緒に含まれる不思議な処方。

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効能効果は、皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いる:月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症。

黄連解毒湯が含まれるのでとっても苦い。
月経トラブルに処方するよりも、ひどいアトピー性皮膚炎に処方する機会が多い。
もちろん男性にも処方できる。

特に、なかなか治りにくい皮膚の炎症に、57温清飲+125桂枝茯苓丸加ヨクイニンを処方すると、効果を発揮することがある。

粉薬が飲めない場合は、黄連解毒湯の錠剤と四物湯の錠剤で処方できる。

Posted by さかざきひろみ at 18時27分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2024年07月18日(木)

56番 五淋散 [漢方製剤]

ごりんさん。

痛みを伴う膀胱炎とか尿道炎の薬になる。
㊵猪苓湯よりも、慢性化して炎症が強いタイプに処方。

「五淋」は、下記の5つの尿路にまつわる症状を意味している。

石淋:尿路結石に伴う「排尿障害」
気淋:ストレスによる「神経性の排尿障害」
膏淋:米のとぎ汁のような「にごった尿の状態」
労淋:疲れによっておこる「慢性の排尿障害」
血淋:血尿など「血液が混じる尿の状態」

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抗炎症作用のある黄芩や山梔子が含まれる。
水のバランスを整える生薬もたくさん。
さらに、血の巡りをよくする地黄、芍薬、当帰。

50番代は構成生薬が多い処方がたくさんなので、難しい。
だけど、こうやって整理するとなんとなく理解できる。

ちなみにOTCのボーコレンが五淋散。

ただ、小児科での出番はほとんどない。
泌尿器科ではよく処方されている。

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Posted by さかざきひろみ at 18時47分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2024年07月04日(木)

55番 麻杏甘石湯 [漢方製剤]

まきょうかんせきとう。

保険適応病名は小児ぜんそく、気管支喘息。
したがって、気管支炎とか上気道炎では保険が通らない可能性があるので要注意。

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麻黄湯にとてもよく似ているが、麻黄湯の桂皮が石膏に変わっている。

麻黄+桂皮は汗をかかせて、解熱効果
麻黄+石膏は、解熱効果と汗を止める作用。

麻黄+杏仁は咳を止める作用もある。

また石膏は、清熱作用が一番強い生薬。
熱が高いときには、より一層効果があるかも。

私がよく処方するのは、麻杏甘石湯+桑白皮の95番五虎湯。
こちらの方が、抗炎症作用が強く、また喘息でなくても咳という病名があれば保険適応となる。

そして、何といっても五虎湯には錠剤があるから便利。

Posted by さかざきひろみ at 19時11分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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