2024年03月10日(日)
㊸六君子湯 [漢方製剤]
ろくくんしとうではなく、りっくんしとうと読む。
ツムラさんの売り上げランキング第3位。
(ちなみに、1位は大建中湯、2位は抑肝散)
42番は欠番。
他にも。4番、13番、44番、49番は縁起が悪いとのことで欠番になっている。
虚弱で冷えがある人の胃もたれなどの症状に出番がある。
胃の調子が悪くて、胃カメラなどの検査をしても全く異常ない場合も多い。いわゆる機能性ディスペプシアのファーストチョイスの漢方薬。ガイドラインでも推奨されている。
四君子湯に陳皮と半夏を加えたもの。
六君子湯はグレリンの分泌を増加させる作用もある。
グレリンは、食欲増加作用、成長ホルモン分泌作用、アンチエイジング効果もある。
また、単なる胃薬でなく、抑うつ作用もありメンタルにも有効。
セロトニンの分泌を促進し、自律神経のバランスを整えて、精神を安定させ、うつによる不安な気分を和らげる。
さらに、身体を元気にする補気作用もある。
まさに心にも身体にも有効な漢方薬。
胃内停水音というのは、胃のところをたたくとちゃぽちゃぽと音がする。
胃腸機能が低下して、水のバランスが悪い人にみられることが多い。
また、さわると胃のあたりが冷えている場合も多い。
体力があって、冷えがない場合の胃もたれはM半夏瀉心湯となる。
41番補中益気湯の違いもよく質問される。
補中益気湯も食欲不振に有効だけど、とちらかというと倦怠感が強い場合。また六君子湯は胃腸症状が強い場合。
でも、両方のんで調子がよい人もいるので、飲んで効く方を飲むとよいと思う。
Posted by さかざきひろみ at 18時29分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年02月15日(木)
㊶補中益気湯 [漢方製剤]
漢方薬の王様、ほちゅうえっきとう。
医王湯ともいう。
とにかくだるいしんどいときに。
オーバーワークのパパは、もう15年も飲んでいる。
他にも、風邪がなかなか治りにくい場合や、
風邪予防にもよい。
受験生の風邪予防に希望される方は多い。
構成生薬は10個
人参と黄耆が入っている参耆剤(じんぎざい)なので、身体を元気にしてくれる。
胃腸機能を改善する生薬がたくさん入っている。
メンタルにも感染症にも有効な柴胡も含まれている。
津田玄仙は、補中益気湯の8つの目標を示している。
@手足がだるい
A声に力がない
B眼に勢いがない
C口につばがたまる
D食欲がない
E熱いものを飲みたがる
Fお臍のまわりをさわると動悸がふれる
G脈が弱い。
この中で、とくに手足がだるいというのが一番の使用目標らしい。
保険適応病名は、
消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:夏痩せ
、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症。
錠剤があるのも便利。
Posted by さかざきひろみ at 17時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年02月06日(火)
40番猪苓湯 [漢方製剤]
ちょれいとう。
尿トラブル、膀胱炎などの炎症に使用する漢方薬。
五苓散とよく似ているが、五苓散は上半身の水毒に、猪苓湯はどちらかというと下半身の水毒に有効。
阿膠(あきょう)は、ロバの皮からとった動物性生薬。
潤す作用や止血作用があり、膀胱の炎症も抑える。
本物の阿膠は大変高価なため、現在エキス剤の多くは、ブタやウシ由来のコラーゲンで代用されている。
滑石は、ケイ酸マグネシウムで鉱物性生薬。
抗炎症作用、冷やす作用がある。
膀胱や尿道の軽度の炎症に対して効果があり、炎症の熱を、尿とともに体外に排出する作用がある。
膀胱炎には、抗生剤も必要だが、繰り返す場合とか無菌性膀胱炎とか、抗生剤のアレルギーで飲む薬がないときなどに出番がある。
小児科では、めったに活躍しないかな。
Posted by さかざきひろみ at 18時00分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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