2023年03月23日(木)

11番柴胡桂枝乾姜湯 [漢方製剤]

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)は
柴胡剤の中で一番体力のない人(虚症)向けの薬。

メインは自律神経安定と精神安定。

柴胡剤は、体を冷やし乾かす方向にあるが、
これは、体を温め潤す生薬も入っているので冷え症の方にもOK。

画像(320x202)・拡大画像(560x355)

活楼根(かろこん)が身体を潤す生薬。
牡蛎(ぼれい)は牡蠣の貝殻で、精神安定作用や制酸作用がある。
桂皮はシナモンで体を温め、乾姜も体を温める。

体力のない人が、自律神経が乱れて、不眠、動悸、冷え、肩こりなどの症状があるときに処方。

お腹の所見としては、胸脇苦満は強くなくて、心窩部に圧痛があり、臍上悸(ドキドキ)がふれる。

保険適応病名は、
体力が弱く、冷え症、貧血気味で動悸息切れがあり神経過敏のものの次の諸症:
更年期障害、血の道症、神経症、不眠症。

私は、ファーストチョイスで処方することがあまりないのだけど、例えば、加味逍遙散が効かない、加味帰脾湯もいまいちのときに、これに変更することがある。

だけど、効くときはめっちゃ効いて、とってもいい薬。

Posted by さかざきひろみ at 19時05分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年03月07日(火)

10番柴胡桂枝湯 [漢方製剤]

さいこけいしとう、私が好きな処方のひとつ。
9番小柴胡湯に45番桂枝湯が半分ずつはいっている。
桂枝湯は、虚弱な人の風邪の初期に使う、すなわち病気のステージの初めに使う薬。
小柴胡湯はこじれたときに使う薬。
このふたつが一緒になることによって、守備範囲がとても広くなって色んな症状に有効。

画像(320x214)・拡大画像(640x429)

不思議なことに風邪薬でもあり、風邪予防にもなる。
インフルエンザでも新型コロナでも熱がでてしばらくして、汗をかいた後に処方する。
さらにメンタルにも、また胃炎や胃痛にも有効。
他にも筋緊張性頭痛、肩こり、チックなどにも有効。

うーん、何でも効くイメージ。

画像(320x211)・拡大画像(472x312)

この表は花輪先生の本から抜粋したのだけど、◎が一番多いのは柴胡桂枝湯。まさに、何でも効くかも。

味も割と飲みやすい。
しかも錠剤もある。
知っておくと、とても便利。

Posted by さかざきひろみ at 19時45分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月28日(火)

9番小柴胡湯 [漢方製剤]

9番は小柴胡湯。
柴胡剤の代表選手。
メンタルよりもこじれた感染症に処方することが多い。

風邪が長引くと、熱が上がり下がりして、口が苦くなったり、舌が白くなったりする。
またむかむかして食欲が低下してくる。
そんなときが小柴胡湯の出番。
身体を守りながら、感染症と戦う攻める薬でもある。

画像(320x197)・拡大画像(441x272)

柴胡と黄芩で熱を下げ、炎症をとって、半夏と生姜は吐き気をとめる。さらに人参大棗甘草は胃腸機能を守ってくれる。

保険適応病名がとても長くて、
体力中等度で上腹部が張って苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症 急性発熱疾患、肺炎、気管支炎、感冒、リンパ節炎、慢性胃腸障害、産後回復不全。

9番小柴胡湯よりも私は、109番小柴胡湯加桔梗石膏の方をよく処方する。
でも最近は品薄で処方できない…..。

あと、以前は肝炎によく使われていて、なんでもかんでも小柴胡湯を処方されていた時代があった。

その時に、この薬による間質性肺炎が問題になった。
ちゃんと体質をみて処方しないとよくないことが起こる。
今はインターフェロンと小柴胡湯の併用は禁忌とされている。
インターフェロンで免疫が落ちているような人には合わないということなのかもしれない。
漢方は、ちゃんと、その人個人を診て処方することが一番大切かと思う。

Posted by さかざきひろみ at 19時33分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

3

2023


      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

検索


上記の検索結果のRSS情報です RSS1.0

カテゴリーリスト

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2006 さかざKIDSブログ All right reserved.2006 Sakazaki Kodomo Clinic.