2025年06月12日(木)
79番 平胃散 [漢方製剤]
へいいさん。
「平」は、平穏の平で、穏やかにすること。
したがって、「平胃散」とは、胃でおこっている苦しいものをしずめて、穏やかにするという意味。
生もの、冷たいもの、甘いもの、油っこいもの、アルコールなどを食べ過ぎて、胃がもたれで、消化不良になっているときの薬。
蒼朮はお腹にたまっている過剰な水分をとりのぞく。
陳皮、厚朴は気の流れをよくして、うつうつ気分をなおす。
また利水作用もある。
生姜+大棗+甘草は胃腸機能改善の組み合わせ。
六君子湯は、体質的に胃腸虚弱のために食べられずに食欲不振、胃もたれあり。
平胃散は、食べ過ぎて胃もたれ。
胃腸障害を治す漢方薬はたくさんの種類がある。
今年初のヤングコーンみつけた。
Posted by さかざきひろみ at 19時29分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2025年05月20日(火)
78番 麻杏薏甘湯 [漢方製剤]
まきょうよくかんとう。
整形外科領域でよく使われる漢方薬。
効能効果は、関節痛、神経痛、筋肉痛。
フローチャート整形外科漢方薬の富澤先生によると、
普段元気な人の急性期の筋肉痛 動かすと痛いとき。
筋トレ後の痛みにとっても有効らしい。
薏苡仁はハト麦で水いぼに使う。
むくみをとって痛みを止める。
麻黄は温めて痛みをとる。
より筋肉の炎症が強いときは麻黄と石膏を含む㉘越婢加朮湯のほうがよい。
薏苡仁を桂皮にすると㉗麻黄湯で、筋肉痛の薬が風邪薬に、
薏苡仁を石膏にすると55麻杏甘石湯で、筋肉痛の薬が咳の薬に変わる。
生薬の組み合わせで効能効果が変わるのが漢方薬の面白いところ。
ちなみに、慢性期の関節痛や腱の痛み・冷えもあるとき、いつも決まったところが痛いときは、52薏苡仁湯。
麻黄が痛みをとるのは78番と同じだが、こちらには当帰がふくまれて、血管の新生の役割をする。芍薬と甘草も含まれる
さらに、骨挫傷、骨折などの痛みは、89治打撲一方がよい。
Posted by さかざきひろみ at 17時38分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2025年05月13日(火)
77番 芎帰膠艾湯 [漢方製剤]
きゅうききょうがいとう
川芎の芎、当帰の帰、阿膠(あきょう)の膠、艾葉(がいよう)の艾をとって命名されている。
何と保険適応病名は痔出血だけ。
血虚の基本方剤である四物湯がそのまま含まれる。
婦人科領域では過多月経、不正性器出血に対する止血目的で使用される。
阿膠は、ロバの皮を長時間煮だして作られる「膠(にかわ)」のことで、主な成分はコラーゲンで、作用は血を補いながら止血する
艾葉は、ヨモギのことで体を温めて止血する。
そのため、止血だけでなく、月経過多による貧血にも効果が期待できる。
ちなみに、昔の人は、ヨモギを傷にすりこんで、止血していたらしい。
艾葉が含まれるのは、芎帰膠艾湯だけ。
月経トラブルと冷えと貧血といえば㉓当帰芍薬散もある。
3つの生薬が同じだが、当帰芍薬散は水のバランスが悪い人。
むくみがあって、そして出血はひどくない。
Posted by さかざきひろみ at 18時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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