2024年02月27日(火)
モイゼルト軟膏とコレクチム軟膏
アトピー性皮膚炎の治療は、スキンケアとステロイド外用薬を中心とした薬物療法が主体。
いつも皮膚をつるつるした状態に保つことが大切。
もちろん、睡眠や食事、適度な運動などの生活習慣も。
最近、新しい外用薬として、コレクチム軟膏(2020年)、モイゼルト軟膏(2022年)が登場。
コレクチムは生後6ヵ月からで、1回の使用量が5gまでと決まっている
モイゼルトは生後3カ月から使用でき、使用量の制限はない。
この二つはどちらも皮膚の炎症を抑える作用があるのだけど、作用するところが違う。
コレクチムはJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤で、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみを起こす物質の流れをブロックして、症状を抑える。
モイゼルトは、PDE4(ホスホジエステラーゼ)阻害剤で、皮膚の炎症を起こす物質を減らす。
どちらも、皮膚がうすくなる、多毛などのステロイドでおこる副作用がない。
ただ、ステロイドより炎症をを抑える作用は弱い。
したがって、軽い湿疹に使用するか、または皮膚の炎症が強いときは、ステロイドでしっかり症状を抑えてから、再び悪くなるのを防ぐために、ぬり続けるという使い方をする。
また、顔や目の周りにも使用できるメリットもある。
以前からあったプロトピック軟膏も同じ使い方だけど、こちらは皮膚の刺激感があってピリピリすることがある。
また、モイゼルトは使用量の制限がないので、身体などの広い範囲はモイゼルト軟膏が適している。
患者さんによって、塗りごこちや使い勝手が違うので、お子さんにあったものを使うとよいかと思う。
Posted by さかざきひろみ at 18時43分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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