2019年11月14日(木)
4年に1度 [クリニック情報]
外来では、さらにマイコプラズマ感染症がふえた。
なんと、近くの小学校では学級閉鎖。
過去には2011年(このときは愛子さまも罹患)、2015年に流行。なぜかマイコプラズマは4年に1回流行する。
典型的なマイコプラズマは頑固な咳。とにかく咳がひどい。
そこでマイコプラズマ感染症について。
マイコプラズマとは?
ウイルスと細菌の中間の性質と大きさを持つ病原体で、肺炎、気管支炎などおこすが上気道炎症状のみのお子さんもいる
感染経路 咳・痰などの飛沫感染
潜伏期間 2〜3週間。他の感染症に比べて長いのが特徴。
症状
長く続くひどい咳(はじめ乾燥した咳→痰がらみの湿ったしつこい咳)外来で待っている間もとにかくずーっと咳がとまらない。昼間はほとんど咳はなく、朝夕だけというのはおそらくマイコプラズマではない。
発熱
大きいお子さんでは熱もなく元気で、咳だけが続いていることも多い。乳幼児はかかっても肺炎にならずにカゼで終わることが多く、 年長児の方が肺炎になりやすい傾向にある。
発疹がでることもある。
診断
レントゲン撮影で特徴的な肺炎像があり、上記のような症状があれば推測できる。
迅速診断できる方法(イムノカード・マイコプラズマ抗体)もあって、クリニックでは主にこれを使用している。しかし、偽陰性にでることもあるので、注意が必要。また、のどの奥を綿棒でゴシゴシするので、お子さんにとっては、辛い検査。本当に必要な場合だけに検査をするべきと思う。
治療
以前はマクロライド系が第一選択であったが、耐性の場合もある。しかしだからといって、軽症例にミノマイシンやオゼックスなどのニューキノロン系を安易に使ってしまうと、さらに多剤耐性のマイコプラズマになる可能性があるので注意が必要。また、ミノマイシンは9才未満の小さいお子さんは歯が黄色くなったりするので、使えない。
実際、自然治癒例もあるのでお薬は慎重に選びたい。
Posted by さかざきひろみ at 16時43分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2019年11月12日(火)
いい夢 [漢方薬]
11才のAちゃん。
毎日、怖い夢をみる、おいかけられたり、母が亡くなってしまう夢をみるのるのがいや。
何でもないのに涙があふれてくる。
こんなときは72甘麦大棗湯。
彼女は、これを飲むと、楽しい夢をみるらしい。
薬がなくなったら急に怖い夢。
だからこの薬をずっと飲んでおきたい。
彼女の心の闇は、不安からくる。
5才のBくん。
怖い夢を見るから夜寝るのがいやと。
とても緊張しやすく、チックもある。
また偏食傾向で、あまり食べない。
こんなときは83抑肝散加陳皮半夏。
この子もこれを飲むと怖い夢をみないと。
偏食傾向がなく、体格がしっかりしていたら54抑肝散でもOK。
83抑肝散陳皮半夏は抑肝散に陳皮(みかんの皮)と半夏(サトイモ科のカラスビシャクの根)がはいったもの。これは、胃腸機能改善作用がある。
他に、悪夢をみるときは26桂枝加竜骨牡蛎湯が有名。
「怖い夢を見るので、何とかしてほしい」という訴えに対して、西洋医学しか知らないと、それは病気でないので、経過を見ましょうというしかない。
だけど、漢方というアイテムを知っていると色々なことに対応できる。お子さんにとって、怖い夢を見るというのはとっても辛かったに違いない。楽しい夢を見るようになったと聞いて、私も嬉しくなった。
こんな時、漢方を勉強していてよかったと実感。
Posted by さかざきひろみ at 20時28分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2019年11月10日(日)
漢方トレーニングキャンプ [漢方薬]
漢方三昧の2日間。
初心者の方に少しでも漢方薬のことを知って頂きたい、できれば明日からどんどん処方して頂きたい、そんな思いをこめて参加した。
今回は色々な診療科、勤務医の先生、開業医の先生の方々がいらっしゃった。一緒に講師をして下さるのは心強い先生方、漢方エキスパートの八幡先生、福原先生。
私は1日目は風邪の漢方、2日目は女性の漢方のお話しをさせて頂いた。
腹診の実技セミナーも、八幡先生に助けられて何とかこなすことができた。そして、この後は楽しいナイトミーティング。漢方についてあーだこーだと語りつくす。やはり、一方通行の講演より、こうやって傍で話す方が面白い。
2日目の朝は、有志で大阪城ラン。
とっても空気が澄んでいる。
人がいないので、ちょっと皇居っぽくて上品。いつもと違う。さらに朝日を拝むこともできた。
きっといいことありそう。
いつも、ここは人がいっぱいなのに誰もいない。
朝ランのメリット〜。
早朝ランってほんとに楽しい。
思わずテンションあがって、ジャンプ。八幡先生は忍者みたい。
2日間、無事に終了。
お二人の先生に色々助けてもらい、私自身たくさん勉強させてもらった。ご参加の先生方、皆様有難うございました。
とても楽しかったなあ。
展示された生薬。
でもこれよりも、下のハーバリウム(生薬を乾燥させた標本)が可愛い。漢方っぽい茶色でないのがいい。
次回は3月にフォローアップセミナーが開催。
私もそれまでにたくさん勉強して皆様のお役にたてるように頑張ろう。
Posted by さかざきひろみ at 17時10分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
【 過去の記事へ 】