2007年05月20日(日)
東から麻疹流行 じわりじわり [診療]
関東で麻疹が流行し、休講になっている大学が増えている。東京都では、麻疹流行が拡大しているので、ワクチン接種の助成をはじめ、豊島区杉並区新宿区では、麻疹ワクチン(公費対象でない2−18歳)を無料にしているらしい。
関西でも大阪狭山市の専門学校で麻疹患者が発生し、臨時に652人の教職員、学生に麻疹ワクチン接種を行ったとのことだ。
大阪市内での、麻疹発生はまだ聞いていないのだが、流行してからは遅いので、念のためうちのクリニックのスタッフの麻疹抗体価を検査した。
もちろん皆、幼少時にワクチン接種していたのだ。それでも、恐ろしいことに、抗体価がないスタッフもいたのだ。結果がわかって、すぐに麻疹ワクチンを接種した。
ちなみに、うちの16歳の娘は、幼少時に麻疹ワクチンを2回接種していたので、麻疹抗体は十分にあった。
やはり、2回接種が必要なのだ。
当院でも麻疹ワクチンを自費でうける方が増えてきた。
大阪で対象外の方のワクチンの助成をする動きは今のところ聞いていない。流行してからは遅いのに。
関東の医療機関では、麻疹ワクチンが手に入らなくなってきているそうだが、西日本でも、麻疹ワクチンの在庫が品薄で、この間、ある分確保したが(それでも14本しかなかった)、次はいつになるかわからないらしい。麻疹風疹混合ワクチンは、今のところ十分在庫があるそうだが、いっせいに皆が接種しだすとどうなるかわからないらしい。
こんな騒ぎのなか、韓国では、はしか流行ゼロが達成され、国際的に発表された。流行を断ち切るには、こどものワクチン摂取率を95%以上にするのが有効とのこと。
韓国では、2005年に2回接種を終えた子供が対象年齢の95%を超えたそうだ。その後海外からの輸入で患者発生があったが、ついに2006年11月に流行ゼロと認められたのだ。
日本では、まだまだだ。(とっても悲しいことだけど、日本は麻疹輸出国と言われている)
2歳時点のワクチン接種率がやっと90%で、2回接種について知らない方も多い。
わたし達小児科医ひとりひとりがワクチン接種について啓蒙するだけでは、足りないのだ。
もっと政府をあげての大きな対策が必要なのだ。
最後にあんちゃんのお誕生日の写真です
これは、主人が買ってきてくれたアイスクリーム
ハーゲンダズの新製品のドルチェのティラミスだ。とっても美味しくって、ヒットした(*^ー゚)b。
Posted by さかざきひろみ at 08時28分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2007年05月13日(日)
予防接種よくある質問 [診療]
前回に引き続き予防接種についてもう少し。
(今日は、母の日ですね。百合からもらったカーネーション。突然だったのでとっても嬉しかった)
「咳や鼻がありますが、ワクチンは受けられますか?」
症状が軽いときは、咳や鼻があってもワクチン接種できますよ。診察をして軽症と判断したときは、接種します。特にかかりつけのお子さんの場合は、普段の様子をよく知ってしますので、いつもと変わりない元気な様子であれば、接種可能です。
「微熱がありますが接種できますか?」
37.5度未満で元気なら接種できます。
ただし、やはり接種前に診察させて頂いて、判断します。
「下痢をしていますが」
これも、診察して元気なら接種できます。
ただし、ポリオワクチンだけは、免疫がつきにくいので下痢の程度によっては接種できません。
「熱性けいれんの既往があるのですが」
熱性けいれんの既往があっても接種できます。ただし、けいれん後は、小児科専門医が可能と考えれば2週間から接種可能です。私は、患者さんの状態やワクチンの種類によっても変えていますが、だいたい1ヶ月はあけるようにしています。
「病気がなおってどのくらいで接種できますか?」
予防接種ガイドラインでは、麻疹は治癒後4週間程度、風疹,水痘、おたふくかぜについては治癒後2〜4週間程度の間隔をあけて、その他のウイルス性疾患(突発性発疹,手足口病,伝染性紅斑など)に関しては,治癒後1〜2週間の間隔をあけて接種すること。しかし,いずれの場合も一般状態を主治医が判断することとなっています。
ですから、例えば、突発疹になっても、治癒後1週間たったら主治医が判断すれば接種可能なのです。
以上お母さんがたによく質問されることをまとめてみました。
結局、最終的には、その日の状態を問診と診察で主治医が判断して接種するかどうか決めることになるのです。
しただって、集団接種や個別でも予防接種だけに行く病院の場合は普段の様子を知らないので、判断が難しいときはどうしても慎重になってしまいますね。
(私は、母と義母にSKUのパックをプレゼントしました。これは私もお気に入り。とってもしっとりです( ^▽^)σ)゜ー゜))
Posted by さかざきひろみ at 16時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2007年05月10日(木)
予防接種の時間帯 [診療]
![画像(144x65)](/archives/2007/05/images/1178797631.gif)
今日は、昨日と違って、肌寒いです。おまけに風が強くって、大正橋の坂を自転車で渡るのに、かなり気合が入りましたε=ε=ε=。
最近、予防接種の問い合わせが多くなりました。西区は4月にポリオがあったので、丁度1ヶ月たったためと思われます。
当院では、月水金の14時-15時に、予防接種と乳児健診の時間枠を設けています。他の診察時間と分けているのは、ワクチンや健診に来院された健康なお子さんに、他の病気をうつしたくないからなのです。
それでも、この予防接種の時間枠に都合がどうしてもつかず、「別の時間帯(例えば夕方、や土曜日など)ではだめですか?」とよく質問されます。
大きなお子さん達は、既に色々な病気にかかって、ある程度免疫があって抵抗力をつけているので、どうしても都合がつかないときは仕方ないと思います。
しかし、定期の予防接種、健診に来られる1歳未満の小さなお子さんは、免疫力が十分でないので、かんたんに他の病気をもらってしまう危険性がありますので、できるだけ、予防接種の時間帯に接種されることをお勧めします。
Posted by さかざきひろみ at 20時12分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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