2020年01月14日(火)

即効性 [漢方薬]

漢方薬というと、「長く飲まないと効かないのでしょう」と言われることが多い。体質改善の漢方薬はやはり時間がかかる。しかし、すぐに効く漢方薬も実は多い。

その代表が 68芍薬甘草湯。
芍薬と甘草の2種類の生薬からできている。
この生薬の数が少ないものほど即効性が期待できる。

今まで絶対漢方薬が飲めなった7才の男の子。
胃腸炎になって、下痢が続いていた。
とにかく、腹痛が強い。外来では元気にしているが、便が出る前に腹痛で泣いていると。しぶりばらと言えば68芍薬甘草湯。
「これ飲んだら、すぐに効くから。頑張って飲んだら痛いのましになるよ」と本人に説明。
それで、なんとか飲めたら、腹痛があっという間に軽快。
その後は自分で率先して飲めるようになった。
あれほど「漢方イヤー」と言ってた子も、効くことがわかったらちゃんと飲める。

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私自身も、お腹が痛くなったらすぐにこれを飲む。
心強い味方。古典にも「芍薬甘草湯、腹痛を止めること神の如し」
という記載があるほど。

芍薬甘草湯は、筋肉の痛みに有効。
筋肉の緊張を緩めてくれる。
こむら返りに効くのはとっても有名。予防にもいい。
他にも、腹痛、胃痛、生理痛、尿管結石や胆石の痛みにも有効。あとしゃっくりにも効く。
しゃっくりは横隔膜の痙攣、横隔膜も筋肉。
ぎっくり腰には、芍薬甘草湯+桂枝茯苓丸。

常備薬として置いておくととっても便利。
ただ、長くずーっと飲んでいると耐性ができて効かなるなるので要注意。

ちなみにこれは、私の筋トレ。

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Posted by さかざきひろみ at 16時33分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年12月17日(火)

ステージ別 [漢方薬]

漢方薬は、風邪のステージ(時間経過)でお薬が変わっていく。これは西洋薬にない概念。

そうやって色々処方していたら、時々ママから質問される。
@「葛根湯と小柴胡湯桔梗石膏の使い分けがよくわからないのですが?」
A「麻黄湯と柴胡桂枝湯ってどうやって使い分けしたらよいですか?」

葛根湯と麻黄湯の共通点は、麻黄という生薬が入っていることで、かぜの急性期、かぜをひいてすぐ、熱がでてすぐに使う漢方薬。この時期はまだ汗をかいていない。
そして、ウイルスが体の表面にいる。
この時期にウイルスを排除できなかったら次のステージへ。

次のステージの主役は柴胡。
小柴胡湯桔梗石膏や柴胡桂枝湯は、その柴胡という生薬が入っていて、こじれた風邪、熱がでて汗をかいたけど、また上がり下がりする、熱がでてもう2−3日たっている、そんなときに使う。この時期は、ウイルスが身体の中に入ってしまっているので、食欲が低下したり、むかむかしたり、口が苦くなったりする。小柴胡湯桔梗石膏は、のどが痛くて、扁桃腺の炎症が強いときに有効。のどが弱い、しょっちゅう扁桃炎をおこすママ達のお気に入り。

ツムラさんがだしている、このかぜの表がわかりやすい。
でも、こうしないと絶対だめというわけでもない。
なんか風邪ひいてすぐだけど、すでにのどが凄く痛いときは小柴胡湯桔梗石膏でもいい。私なんかは、よくわからない時は、葛根湯と小柴胡湯桔梗石膏をいっぺんに飲む。

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そして、風邪の仕上げは補中益気湯。
お子さんでいえば、もう解熱して治っているはずなのに、いつまでも元気がない、食欲がない、そんな時に処方。

色々使えるので、漢方薬は面白い。

Posted by さかざきひろみ at 19時30分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年11月12日(火)

いい夢 [漢方薬]

11才のAちゃん。
毎日、怖い夢をみる、おいかけられたり、母が亡くなってしまう夢をみるのるのがいや。

何でもないのに涙があふれてくる。
こんなときは72甘麦大棗湯
彼女は、これを飲むと、楽しい夢をみるらしい。
薬がなくなったら急に怖い夢。
だからこの薬をずっと飲んでおきたい。
彼女の心の闇は、不安からくる。

5才のBくん。
怖い夢を見るから夜寝るのがいやと。
とても緊張しやすく、チックもある。
また偏食傾向で、あまり食べない。
こんなときは83抑肝散加陳皮半夏
この子もこれを飲むと怖い夢をみないと。

偏食傾向がなく、体格がしっかりしていたら54抑肝散でもOK。
83抑肝散陳皮半夏は抑肝散に陳皮(みかんの皮)と半夏(サトイモ科のカラスビシャクの根)がはいったもの。これは、胃腸機能改善作用がある。

他に、悪夢をみるときは26桂枝加竜骨牡蛎湯が有名。

「怖い夢を見るので、何とかしてほしい」という訴えに対して、西洋医学しか知らないと、それは病気でないので、経過を見ましょうというしかない。
 だけど、漢方というアイテムを知っていると色々なことに対応できる。お子さんにとって、怖い夢を見るというのはとっても辛かったに違いない。楽しい夢を見るようになったと聞いて、私も嬉しくなった。
こんな時、漢方を勉強していてよかったと実感。

Posted by さかざきひろみ at 20時28分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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