2022年01月29日(土)

後遺症にも [漢方薬]

木曜日夜は、
北里大学 東洋医学総合研究所の小田口 浩先生による「コロナ後遺症に役立つ漢方薬」のご講演。

新型コロナ感染の後遺症は、さまざまな多彩な症状がある
倦怠感、頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、
不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・味覚障害、
物忘れ、記憶障害、PTSD、不眠症、集中力低下、抑うつなど。
このなかでも、とくに疲労感、倦怠感が多く、長引くとされている。

原因は脳の炎症など色々言われているが、まだはっきりとわからない。治療法も対症療法(鎮痛薬、抗不安薬、睡眠薬など)しかない。
漢方薬は生薬の組み合わせでできており、多くの成分が含まれているため。様々な症状に有効である可能性が高い。

身体の中のどのバランスがくずれているか、そのバランスを漢方薬で少しずつ調整することによって、回復促進効果が期待されるとのこと。

よく使用される漢方薬の例と大まかな使用の目安は以下のとおりとのこと。

疲労、微熱、味覚障害、寝汗→㊶補中益気湯
疲労、顔色悪い、脱毛、皮膚乾燥→㊽十全大補湯
疲労、咳、不眠、皮膚乾燥→108人参養栄湯
微熱、不眠、寝汗、動悸→J柴胡桂枝乾姜湯
咳、不眠、微熱→91竹筎温胆湯
倦怠、嘔気、嘔吐、頭痛、関節痛→I柴胡桂枝湯
頭痛、抑うつ、食欲不振→70香蘇散  など

まずは、足りないものを補って身体を元気にするくすり㊶㊽108から選びやすい。
これ以外にも煎じ薬など処方して、回復に向かっている症例をたくさん提示された。

今回のお話しにはなかったが、他にも味覚障害に70香蘇散、嗅覚障害に㉓当帰芍薬散が有名である。

実際に、私は経験したことがないが、コロナ後遺症で悩まれている人が多い。
そんな方に少しでも漢方薬が役に立てばと思う。
今年の東洋医学会には、きっとたくさんの成果が発表されるに違いない。

Posted by さかざきひろみ at 19時10分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年01月27日(木)

新型コロナにも漢方 [漢方薬]

漢方薬は新型コロナにも有効であることが多い。
もともと、ウイルス感染であれば、その原因が何であっても(インフルエンザでも新型コロナでも、夏風邪でも)ステージごとに漢方薬の出番がある。

画像(320x214)・拡大画像(640x429)

熱がでてすぐのときは、㉗麻黄湯または@葛根湯。
汗をかいていったん解熱したけど、また熱が上がり下がりするときは、柴胡を含む漢方薬。
1週間ぐらいたっても、微熱が続いたり、食欲が回復せずに、すっきりしないときは㊶補中益気湯。

インフルエンザや新型コロナは、熱がでてすぐのときから、すでに咽頭痛や嘔気などの消化器症状がある。

このようにウイルスが一気に身体の中まで炎症をおこすときは、
@葛根湯+109小柴胡湯加桔梗石膏がよいと言われている。
これを柴葛解肌湯(さいかつげきとう)という。
エキス剤にないので@+109で代用する。

実際100年前のパンデミックのスペイン風邪のときは、この処方で多くの方が助かったと言われている。

実際、新型コロナの患者さんにこの柴葛解肌湯は良く処方されている。
なかなか苦くて飲めないお子さんも多いが、もし漢方薬が飲めるようなら、これがおすすめ。

そんなにたくさん飲めないということであれば、オミクロン株は咽頭痛がかなり強いので、109小柴胡湯加桔梗石膏だけでもよいかと思う。また小さいお子さんはあまりこじれないので、麻黄湯だけで良い場合もある。味から考えると、㉗麻黄湯が一番飲みやすい。

そして、周りで新型コロナが流行しているようなら、予防にお勧めなのが㊶補中益気湯。

新型コロナにも漢方薬の出番がたくさん。
本日の夜は、新型コロナウイルスの後遺症に有効な漢方の講演。そのお話しはまた後日。

Posted by さかざきひろみ at 19時15分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年01月25日(火)

濃厚接触者

濃厚接触者について聞かれることが多い。
これは、待期期間一覧表。

画像(320x194)・拡大画像(640x388)

埼玉県HPより

濃厚接触者の方は、最後に感染した方と接触した翌日から10日間は隔離。
だけど、お子さんが小さい場合は、隔離が難しい。
感染した人は、10日目隔離期間が終わるのだけど、この10日目が最後に感染する可能性がある日と考えると、それから10日間??
全部で20日間??
一緒に感染したら、10日間で終わるけど、感染しなかったら、濃厚接触者として20日間??
これはかなり大変。
こんな考えもきっとまた変わるはず。

社会機能維持者ってなんか難しい言葉、くわしくはこちら

医療従事者や社会機能維持者の方は検査したら、早く隔離解除ができるけど、今は抗原検査のキットも不足しており、こんなに検査できるのだろうか。早く復帰するには、検査が必要だが、10日間しっかり隔離していたら、検査は基本的には不要。
しかし、会社によっては、検査で陰性確認しないと出勤してはいけないというところもあるらしい。

また、日本環境感染学会による「ご家族に新型コロナウイルス感染が疑われる場合家庭内でご注意いただきたいこと」こちら

でも、これもお子さんが小さい場合は難しい。
マスクをつけて2m以上離れるとか、食事や寝室は別とかは、絶対無理やと思う。

先日、濃厚接触者の方が発熱した場合、検査せずに医師の診断だけでよいと厚労大臣が報道で発表していた。
しかし、実際に保健所に聞いたところ、まだ正式決定ではないので、保健所への届け出は、検査で陽性がでないとできませんと言われた。
どう考えても、絶対そうなのに、わざわざ来院して検査するなんて、検査キットも品薄なのにナンセンス。
でも保健所は、正式決定して通達がないとできないのね。

Posted by さかざきひろみ at 20時15分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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