2016年01月14日(木)
新兵器(呼気NO検査) [クリニック情報]
呼気(吐く息)中の一酸化窒素(NO)濃度を調べることができる、測定機器を購入した。
喘息などで気道に炎症があると、この呼気NOが上昇する。
どんなメリットがあるかというと、
@すでに喘息と診断されていて、治療の経過を診る(気道炎症の程度を測る)ための指標になる。
NOが高いと、治療をステップアップする必要がある。
NOが低いと、治療をステップダウンできる。また、調子がよければお薬を中止できる指標になる。
A今まで、喘息とは診断されていないが、咳が長く続いている場合。
NOが高いと喘鳴がなくても咳喘息の可能性が高い。喘息治療開始の目安となる。吸入ステロイドが有効である可能性が高くなる。
検査は簡単で約2分ぐらい。
@座ってから、思いっきり息を吐き出す。
Aその後、専用機器のマウスピースをくわえ、大きく息を吸う
Bマウスピースをくわえたまま、10秒ほど息を吐き出す。
ラッパを10秒吹けるようなら検査は可能。
4才からできる場合もあるそうだが、やはり6才以上年長さんぐらいからか。
呼気NOの解釈は
成人25ppb未満、12才未満20ppb未満
気道炎症は存在しない。喘息の患者さんでも吸入ステロイドの適応は低い。
成人50ppb以上、12才未満35ppb以上
気道炎症が存在する。吸入ステロイド薬の効果が期待できる。
25ppb以上50ppb未満、12才未満20ppb以上35ppb未満
気道炎症の存在の可能性はあるが、臨床的な状況を参考にしながら慎重に解釈する必要がある。
以前からある呼吸機能検査と合わせて、喘息の診断、治療にこれから大いに役立ってくれるに違いない。
Posted by さかざきひろみ at 19時35分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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