さかざKIDSブログ

2020年01月21日(火)

他科の勉強も [漢方薬]

土曜日夜は泌尿器科婦人科領域の漢方の勉強会。
主人の学会にについて、東京に行く予定だったけど、いろいろあってキャンセル。
おかげで興味深い勉強会に参加できた。                        

最初のテーマは「ストレスによる排尿障害を漢方で治療しよう」
女性医療ルナクリニックの二宮典子先生のお話。
二宮先生は泌尿器科が専門。
排尿障害(排尿痛、頻尿、残尿感、尿失禁、反復性膀胱炎など)は、いろんな原因があって、西洋薬はいまいちでなかなか治りにくいらしい。
それは膀胱しか診ていないかららしい。その人全体を診る漢方のほうがよいとのこと。
@加齢によるもの 
Aあきらかなストレスによるもの            
B自分で自覚していないストレスによるもの
にわけて解説された。
 症例を提示されて、緊張や不安からくる頻尿などの尿トラブルを、O半夏厚朴湯や83抑肝散陳皮半夏で治療されていてとても興味深かった。講演のあと二宮先生と色々お話しできてさらに勉強させて頂いた。

そういえば、お子さんでも頻尿を訴えて受診されることが多い。大抵尿検査は正常なのに、1日何十回とトイレにいくけど、夜はでない。そんな時、99小建中湯、72甘麦大棗湯 54抑肝散で緊張やプレッシャーを不安感をとってあげると治ってしまうケースもある。

次のテーマは、本当は女性のライフサイクルとストレスだったのだが、演者の先生が急遽これなくなり、ピンチヒッターとして市大女性診療科教授古山将康先生。
「骨盤底に効かせる漢方」
更年期は閉経前後ではなく、女性は閉経後はずーっと更年期。
平均寿命が長くなったので、更年期の時期も長くなる。
エストロゲンは、骨盤底筋群をひきあげる。
また、お産によって、骨盤底もゆるむ。したがって、更年期の骨盤底のトラブルが問題になってくる。
頻尿 尿もれの方はは約1000万人いて、女性の3人に一人は尿漏れがあるそう。アメリカでは尿失禁に年間160億ドル以上かかっているらしい。以前はエストロゲンのホルモン補充療法が、尿失禁、子宮脱などの骨盤底のトラブルに有効であったが、長期に投与すると乳がんのリスクなど色々な副作用があることがわかって使えなくなった。
それで、女性の体全般を立て直すのに漢方薬もよいとのこと。古山先生がよく処方されるのは、㊶補中益気湯と108人参養栄湯。
もちろん漢方薬だけでなく、食べるもの、運動、普段からの意識がとても大切だと思う。
今回は普段小児科医の私が聴く機会がない話ばかりなので、とても勉強になった。いろんな分野で漢方薬が活躍していて、ほんとに面白い。

Posted by さかざきひろみ at 19時37分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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