さかざKIDSブログ

2025年05月08日(木)

チックと鼻呼吸法

日本小児科学会総会でのチックの話がとても興味深かった。

チックというのは、むずむずする感覚を運動や声で解消するためにおこる動作。

以前は心理的ストレスが大きく関与すると考えれていたが、
チックは大脳皮質と大脳基底核をつなぐ神経回路の異常で
ドパミン神経系だけでなく、セロトニン、ノルアドレナリンなど他の神経も広く関連している。

チックは、ゲームをしているとき、
けんかをしているときなどテンションが高くなるとき、また不安が強いときに出やすい。

治療に大切なこととして
@早寝早起き朝ごはん 睡眠覚醒リズム 小学生は21時までに睡眠
Aゲームメディア制限  
 ゲームのやりすぎはチックを悪化させるので、時間を決めた方が良い。
B鉄分(モノアミン系神経を助ける)  
 この@−Bが、ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの活性を高くする。
C自分でむずむずを理解する
自分で「ムズムズ」を理解し、チックを制御する方法を知ること。チックを出したいという衝動を抑え込み、『チックをしたい』という衝動が下がるまで、深呼吸しながら拮抗(きっこう)する動作をするという行動療法もある。

チックをすると、ムズムズがなくなりスッキリする。
それを脳が覚えていて、ますますチックがしたくなるという神経回路ができてしまう。
チック→呼吸が乱れる→自律神経が乱れる→交感神経優位→興奮→チック
この悪循環を断ち切るために、あえて意識的に深呼吸をおこなって自律神経の乱れを整えるとチックが減るとのことである。

その方法が、
閉口鼻呼吸法。

しっかり閉口して鼻から3−4秒吸う→2秒とめる
→6−8秒はく(吸気の倍)
(口を閉じている時は、舌は上にしたほうがよい)
これを2分ぐらい続けて、まずは1日3回から。

鼻呼吸がチックによいとされる理由は、
@自律神経の安定化 
 副交感神経が活性化して、緊張や不安を軽減する。
A鼻呼吸は脳への最大の報酬(スッキリ)となり、チックによる報酬系(スッキリ)がなくてもよくなる。
B脳の活性化
 脳の血行を促進して、脳の働きを活性化する。

他にも、歯科の顎関節症用のマウスピースつけると運動チック軽快しているという報告あり。
実際にマウスピースをつけると、咀嚼筋感覚がかわり、それが大脳基底核の線条体の異常活動を正常化するとのこと。

チックについても、色々新しいことが、たくさん研究されている。
鼻呼吸はお子さんにとって、ちょっと難しいかもだけど、練習することでできるようになると話されていた。

Posted by さかざきひろみ at 18時44分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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