2019年01月19日(土)

ほんとに怖いのは [クリニック情報]

相変わらずインフルエンザが多い。
ほとんどがA型。
私は、B型は休日診療で1例みただけ。
まわりの小学校は学級閉鎖や学年閉鎖。
ほとんどの保育所で流行している。

休日診療所や中央急病はさらに混雑し、4-5時間待ちの場合もあるらしい。診察までに3時間、お薬をもらうのに1時間、会計までさらに1時間以上かかった人もいる。
インフルエンザが心配で、救急受診する方も多いが、高熱があっても、水分がとれて意識もしっかりし眠ることができていればあわてなくてもよいかと思う。インフルエンザでしんどいのに4-5時間待つ方が大変だと思う。

日常の診療は、患者さんは多いが予約していると待ち時間は少し。また、予約していなくても今のところ最大1時間弱。会計もすぐ。できれば、平日にかかりつけの受診をお勧めしたい。
熱がでて、48時間以内なら抗インフルエンザ薬は間に合う。また飲まなくても治るお子さんも多い。

それよりも、もっと怖いのは麻疹
三重県での研修会での集団発生。
参加されたほとんどの方はワクチン未接種。
約49人の参加ですでに29人が感染し二次感染も報告されている。麻疹の感染力はインフルエンザの10倍以上。

そして、その研修会に参加した人が名古屋、岐阜、さらに大阪市で発症。さらに感染した人が京セラドームでのAKBの握手会に参加したとのこと(詳細はこちら
1月6日にイオンにいったからと心配されるお子さんもいる。
周囲みながワクチン接種をしていれば、流行は広がらないはず。
1才になったらすぐに、年長さんも、さらにまだ1回しか接種していない方もすぐにMRワクチン接種をお願いしたい。自分のために、まだワクチン接種ができない1才未満のお子さんを守るために。

最初の症状は熱なので、麻疹だとはわからない。インフルエンザかと思って、あの混雑している救急や病院を受診したらと思うとほんとに恐ろしい。

どうかこれ以上感染が広がりませんように。

もし万が一、麻疹が疑われる方は、直接医療機関を受診されずに必ず電話で確認してください。

Posted by さかざきひろみ at 17時31分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年01月15日(火)

小豆粥とインフルエンザ

今日は、小正月、小豆粥の日。
邪気を払って健康を祈るためのものらしい。

白粥も美味しいけど、この小豆粥も大好き。

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今日の外来もインフルエンザばかり。
しかし、休日診療所とは大違い。
自分のクリニックがいかに仕事しやすいか、つくづく実感した。

今、どこの休日診療所もパンク状態。
名古屋の方では1日450人、北摂の方では1日500人もの方が来院されたらしい。
よくランニング中に通る休日診療所では、いつも空いているのに、昨日はたくさんの車、自転車があった。

今日来院されたお子さん達は、土曜又は日曜日からお熱が高かったけど、救急に行かなかった方も多い。
ワクチン接種もしていたし、水分もとれて眠ることもできていたので、様子をみていたとのこと。インフルエンザAだったけど、すでに解熱傾向。インフルエンザの初日はしんどいことが多いけど翌日には少し症状が軽くなることも多い。
もし、水分がとれて、意識もしっかりしていて、眠ることもできるようなら慌てて救急受診しなくてもよいかもしれない。
高熱だと不安になるママの気持ちもとてもわかるのだけど。
色々むつかしい。

また、救急にいってインフルエンザのお薬もらったけど、すぐに熱が下がらないので心配と来院された方もいる。
抗インフルエンザ薬は、インフルエンザのウイルスをやっつける薬ではない。ウイルスが増えるのを抑えるだけで、熱がある期間を1-2日短くするだけ。すぐ解熱しないことも多い。

今日は久しぶりの雨。
湿気に弱いインフルエンザウイルス。
ちょっと下火になったらいいなあ。

Posted by さかざきひろみ at 20時39分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2019年01月14日(月)

侵襲性髄膜炎菌感染症 [診療]

土曜日はワクチンセミナー
テーマは「侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)」
   (IMDについて詳しくはこちら

「IMD」は進行が早く重症化すると後遺症が残ったり最悪の転帰をとることもある。咳やくしゃみなどの飛沫感染でうつる。
最初は高熱でインフルエンザのような症状でわかりにくいがあっという間に重症化してしまう。

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よくわかる髄膜炎菌HPより

まれな病気で、私も経験したことがないが、実際に日本でも、全寮制の学校などで集団発生が報告されている。今後、海外からたくさんの人が来たら、さらに増える可能性がある感染症。

画像(207x240)・拡大画像(376x433)

講演Tの圀府寺先生のお話しでは、実際の患者さんの経過。写真をたくさん見せてもらい、その恐ろしさがひしひしと伝わった。幸い、不幸な転帰をとらずに軽快したそうだが、両下肢は皮膚移植が必要なほど大変な状態だった。

講演Uは中野先生のお話し
日本人の保菌率は0.4%だが、地域によってもっと多いところもある。この感染症のことを知らないではすまされない。
予防するワクチンがあるということを、ぜひ現場から情報を発信してほしいとこのことだった。

髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ)は、患者さんが増えたことでアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどでは定期接種になっている。
日本では、まだ任意接種で費用もとても高い(当院では23000円)。
メナクトラは起炎菌となりやすいA,B,C,Y,W-135型のうち4つの血清型(A,C,Y,W-135)に対応している。B群には対応してないのが悩ましいが、B群のワクチンは日本にはなく輸入ワクチンとなってしまう。
しかし、寮生活をしている方、海外留学をするお子さんは是非メナクトラの接種をお勧めしたい。クラブの合宿も危険かもしれない。また発症が10代後半にピークがあることより、できれば11才以上のお子さんも接種を考慮して頂ければと思う。

ちなみに患者さんのピークは10代後半と40才〜70才代。

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国立感染症研究所 IASR39(1)より

10代のワクチンとして大切なのはもちろんだが、大人のワクチンとしても接種が必要かもしれない。

Posted by さかざきひろみ at 18時50分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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