2024年07月28日(日)
何を食べたら?
1日に必要な鉄の量は以下のとおり。
思春期の時期とママ世代はとってもたくさん摂取が必要。
鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある。
動物性蛋白に含まれるのは、ヘム鉄で身体に吸収されやすい。
一方、非ヘム鉄は、たくさんとっても身体に吸収されにくい。
実は、病院で処方される鉄のお薬は非ヘム鉄になる。だけど、ビタミンCを多く含む食品と非ヘム鉄を一緒に摂取すると鉄の吸収率は上がる。ビタミンCを多く含むのは、ピーマン、ブロッコリー、キウイなど。
そして、下の表は、1回に食べる食品にどのぐらいの鉄が含まれるか。
鶏レバーが一番、鉄の量が多い。
お値段も牛肉に比べて安い。
豚肉<鶏肉<牛もも肉<鶏レバー。
鶏肉や豚肉は鉄分が案外少ない。
思春期の時期は、牛肉150g(4mg),鶏レバー30g(2.7mg),卵1個(1mg),納豆30g(1mg),あさり30g(1.1mg)+αで何とか、1日10mgとなる。
もし鶏レバーが食べないなら、牛肉が250gも必要。
鶏肉だけなら、500gも.....。
何よりも、小さいときからバランスのよい食事をとるということが一番大切。
Posted by さかざきひろみ at 19時20分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
鉄が足りない!
最近、とっても鉄欠乏性貧血のお子さんが多い。
特にHBが正常でもフェリチンがとっても低い。
4以下のお子さんもいる。
ヘモグロビンは血液の中の鉄で、身体のすみずみに酸素を運ぶ役目をしている。
一方フェリチンは、貯蔵鉄で、いざというときに鉄を補給してくれる。わかりやすく例えるとお財布の中のお金がヘモグロビンで、銀行に預けているお金がフェリチン。
ヘモグロビン(g/dl)の年齢別正常値は、
6ヵ月〜4歳:11以上
5-11歳:11.5以上
12-14歳:12以上
15歳以上の女性12以上 15歳以上の男性13以上
妊娠女性:11以上
ちなみにフェリチンの正常値はさまざまで、だいたい男子は50以上、女子は30以上を目指している。しかし、欧米では100以上とも言われている。
また、感染症などで、鉄過剰でなくてもフェリチンの値は高くでることがあるので、注意が必要。
乳児期と思春期は、成長がすごいので、貧血になりやすい。
乳児期後半になっても、母乳ばかりで離乳食を全く食べないお子さんは貧血になっていることが多い。
赤ちゃんの場合は、貧血があっても比較的元気なので見た目だけではなかなかわからない。
たまたま、熱が続くため血液検査をしたときなどに見つかる。
貧血になると、体の色々なところへ酸素を運ぶ量が減ってしまう。特に脳に影響がでやすく、精神神経の発達に影響が出る可能性がある。
きーきー言ったり、夜泣きがひどかったりする場合もある。
思春期も体が急に大きくなるので、鉄の必要量が増える。
この時期に激しい運動をしているのに、食べる量が少なかったり偏食だったり、過激なダイエットをすると、あっという間に貧血になってしまう。
それ以外の時期でも貧血のお子さんがいる。
顔色が少し悪く疲れやすいので
「ご飯ちゃんと食べてる?」とお聞きすると
「お菓子しか食べません。」
「ジュースばかり飲んでます。」という場合もあるが、
「この子、食べるときは食べるんですが、食べないときは全然なんです。」という答えも多い。
たくさん食べていて、太っていても炭水化物ばかりだと貧血になりやすい。
鉄欠乏性貧血とわかったら、食生活を見なおして、鉄分を多く含む食品なども積極的に摂取することが必要になる。
しかし、貧血の程度が強いと、食事だけで回復することは難しいので一緒に鉄のお薬も必要。
どんな食品に鉄がどのくらい含まれているかについては、次回に。
Posted by さかざきひろみ at 15時46分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年07月27日(土)
4年に1度 [クリニック情報]
パリオリンピックが始まった。
そして、オリンピックの年、4年に1回流行するのが、マイコプラズマ。
今週は、とっても多かった。
最初は熱だけであまり咳がひどくないことが多い。
インフルエンザやコロナは陰性。
だけど、その後も熱はつづき、途中から咳がひどくなってしまう。咳は、げぼげぼよりこんこん。
そんなときに検査をすると、陽性になることが多い。
そして、兄弟はその2週間後ぐらいに発症している。
今のところ、ほとんどがマクロライド系の抗生剤が有効。
まれに、ニューキノロン系が必要な場合もある。
サイトカインストームのようになって、解熱せず、入院してステロイドの治療が必要になったのは1例だけ。
そして、マスコミが騒いでいるように、新型コロナが増えてきた。だけど、お子さんは比較的元気で、翌日解熱するケースも多い。長くても熱は3日ぐらい。
他には、手足口病、溶連菌などなど。
インフルエンザは今週はやっとゼロ。
真夏の感染症。
暑いので、クリニックに受診するのも大変。
早く下火になりますように。
Posted by さかざきひろみ at 19時59分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年07月25日(木)
57番温清飲 [漢方製剤]
うんせいいん
温という文字がついているが、実は冷やす薬。
抗炎症作用が強いN黄連解毒湯+71四物湯。
炎症をおさえながら、血のめぐりをよくして潤す作用もある。
N黄連解毒湯は冷やす薬、
71四物湯は温める薬。
冷やすものと温めるものが一緒に含まれる不思議な処方。
効能効果は、皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いる:月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症。
黄連解毒湯が含まれるのでとっても苦い。
月経トラブルに処方するよりも、ひどいアトピー性皮膚炎に処方する機会が多い。
もちろん男性にも処方できる。
特に、なかなか治りにくい皮膚の炎症に、57温清飲+125桂枝茯苓丸加ヨクイニンを処方すると、効果を発揮することがある。
粉薬が飲めない場合は、黄連解毒湯の錠剤と四物湯の錠剤で処方できる。
Posted by さかざきひろみ at 18時27分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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