2019年01月26日(土)
痛みの漢方セミナー [漢方薬]
土曜の夜は福岡の平田ペインクリニックの平田道彦先生の「痛みの漢方治療」
以前から、ネットの漢方スクエアでの連載がとても面白く大阪で講演されるときは絶対に聴きたいと思っていた。
先生曰く、
「痛みの治療は、西洋医学的には限界がある
痛みは単なる神経や筋肉の症候だけでなく、元気になることが大切。西洋医学は痛い部位だけを見ている。漢方治療はその日との全身と心身を診て治してくれる」
今回の講演で学んだこと
@患者さんの寒熱を見極める
西洋薬は冷やす薬しかないが、痛みが長い人は冷えている人が多い。そんな場合は温める漢方が必要。
例えば膝の痛みなら、熱があるときは越婢加朮湯+桂枝茯苓丸加ヨクイニン。
冷えがあるときは、桂枝加朮部湯。
水っぽくて冷えているときは、防己黄耆湯+麻黄附子細辛湯。
A循環障害(お血)があるかどうか
桂枝茯苓丸加ヨクイニンなどの駆お血剤を加えるのもポイント。ヨクイニンはむくみをとったり、塊をなくす作用がある(消腫軟堅作用)
B治打撲一方の話。
これは、平田先生が一番よく処方されるとのこと。
打撲、骨折などの外傷性に私はよく使っていたのだが、骨関節の変形の痛みにも効くそう。しかも、この薬はお腹に圧痛点がある。
小児科領域ではもっとたくさん処方できる機会がありそう。
C頚椎症関連の痛み
葛根湯+桂枝加朮附湯がよいことが多い
他のところが痛いが、頸椎がからんでいることもある。
D交感神経過緊張の痛み
なかなか治りにくいときは、長期の痛みのために交感神経が過度に緊張している。→加味逍遥散、抑肝散、四逆散など。舌があまり出ない人は抑肝散、舌をべろーっと出す人は加味逍遥散。まじめで舌が黄色い人は四逆散。
ストレスが多いお子さんもこれがあてはまることがある。
実際ひどい頭痛で抑肝散や柴胡桂枝湯がよかったケースも多い。
E腰痛
急性か慢性か、元気なのか弱った人なのか、冷え、いつ痛くなるか、期間、年齢など色々なポイントに応じて処方を提示された。
F五十肩
二朮湯だけで治るのは20%。
冷えてるときは附子または桂枝加朮部附湯を加える
熱がある人は越婢加朮湯を
胃腸が悪そうなときは六君子湯
お血があるひとは桂枝茯苓丸を加える。
ほんとに1人1人様々な工夫が必要のよう。
整形外科など色々な病院にいってもどこも悪くないといわれて、鎮痛剤と湿布だけ。それでも本人は何年も苦しんでいる。そんな辛い長年の痛みが、平田先生のところで、あっという間に治ってしまう。
患者さんの動画も見せて貰い、皆さんほんとに嬉しそうで私まで嬉しくなった。年配の方の痛みはほんとに複雑で私には難しい。だけど、お子さんの場合は、そこまでこじれたものはないので、漢方薬が役立つことも多い。
Posted by さかざきひろみ at 20時42分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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