2024年06月11日(火)
不思議の国のアリス
不思議の国のアリス症候群という疾患がある。
とてもインパクトのある名称。
私も初めて聞いた時はちょっとびっくりした。
これは、自分の体の一部が通常より大きく感じたり、見ているものを大きく感じたり、小さく感じたり、時間が実際よりも早く進んでいくという症状がおこる。
「不思議の国のアリス」の世界に迷い込んだような症状が出るからこの名前がついたよう。
実際には以下のような症状がある。
・小視症=ものが小さく見える
・大視症=ものが大きく見える
・変視症=ものが歪んで見える
・時空変異体験=時空が歪んだように感じる
・空中浮遊体験=空中を飛んでいる感覚になる
・離人症状=自分を見下ろしている感覚
・色覚異常=色が変に見える
とっても不思議な病気。
精神疾患と間違えられそうだけど、そうではない。
片頭痛やてんかんがある人におこりやすい。
また、眼科や脳神経外科で検査してもどこにも異常はみつか
実は作者のルイス・キャロルも片頭痛だったらしく、物語の中の描写も実体験のままかもと言われている。
お子さんで、症状が出やすいのは、乗り物酔いがひどい、音や光に敏感など、物事に敏感な傾向のタイプ。
治療法がなく経過観察だけになるけど、漢方薬が有効な場合もある。
先日の日本東洋医学会で、この病気にかかっていた14歳の女子がめまい、吐き気もでてきて、学校にいけなくなった。
その子に㊴苓桂朮甘湯が著効したそう。
他にも抑肝散が効いたという報告も。
AIWSは西洋医学的に治療法がないけれど、漢方治療を試してみる価値はあるかもしれない。
Posted by さかざきひろみ at 19時04分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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