2022年09月06日(火)
親指が
「この子、親指が曲がったままです」と、時々相談されることがある。
ばね指かなと思って、いつも小児整形外科に紹介させてもらっていた。
こういった場合に、一番多いのが「強剛母指」というものらしい。
大阪小児科医会会報に保坂先生が詳しい記事を書いて下さった。
「強剛母指」は、親指の第一関節が曲がった状態で、たいてい親指のつけに硬いしこりがある。
これは、親指の腱が太くなっておこるのだが、太くなる原因は不明。
「強剛母指」は自然に治ることが多く、小学校入学ぐらいまでは経過観察でよいとのこと。
「ばね指」というのは、腱が太くなるのでなく、腱をおおう鞘が炎症をおこして腫れて、腱がとおるトンネルが狭くなるのが原因。
子どもではなく、更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にも見られやすい。
子どもはばね指ではないのね。
他にも「握り母指症」というのがあって、これは、親指の第2関節で曲がっていて、第1関節は伸びている。
こちらは、親指の腱が一部なかったり機能が悪かったりして、装具をつけるので、手外科専門の整形外科に紹介する必要がある。
親指が伸びないという訴えでも、原因は色々違う。
Posted by さかざきひろみ at 19時02分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2022年09月04日(日)
お天気頭痛 [漢方薬]
台風が沖縄あたりにいるので、気圧の変動が強いよう。
台風、梅雨、雨の日は頭痛を訴える人がふえる。
女性の方に多いけど、お子さんにも結構多い。
気圧の変化があると、身体の水のバランスが崩れやすい。
頭痛以外にも、身体がむくんで重だるい感じにもなる。
そんな時はまずはP五苓散。
身体の水のバランスを是正してくれる。
ただ、五苓散だけではうまくいかないケースもある。
気圧の変化があると、身体の気の流れも異常がおこる。
本来なら、「気」は上から下へ流れるのだが、その気が逆上してしまって、頭痛やめまいをおこす。
これは、東洋医学でいう「気逆」。
その場合は、水のバランスをよくする蒼朮茯苓と気の流れをもとにもどす桂枝と甘草の入った ㊴苓桂朮甘湯がが効果的。
OTCでは、五苓散はテイラック。
苓桂朮甘湯はノイスホール。
他には、冷えが強く頭痛が激しい場合は呉茱萸湯、
胃腸が弱く、体力が低下している場合は半夏白朮天麻湯、
月経トラブルもあれば、当帰芍薬散や加味逍遥散など色々な処方がある。
ただ、漢方薬を飲めば大丈夫というわけでなく、冷えや胃腸機能の低下、食生活の乱れ、ストレス、運動不足、睡眠不足、姿勢なども影響していて、それを改善しないとなかなかうまくいかない。
でもそれが一番難しい。
Posted by さかざきひろみ at 18時40分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2022年09月03日(土)
外来状況 [クリニック情報]
8月の下旬になって、新型コロナの患者さんは減少傾向。
ただ、学校がはじまってからまたやや増加。
それも、今週はだんだん減ってきた。
中高生の発熱は、コロナが疑わしいが、
保育園のお子さんたちは、熱がでても、ほとんどが陰性。
高熱のみで受診され、のどをみると水疱がある。
これはヘルパンギーナ。
手足に発疹があるのが、手足口病。
最初にのどの水疱だけで、あとになって、手足に発疹がでてくる場合もある。
あとは、ヒトメタニュウモウイルス。
本来なら、流行のピークは3-6月なのに、コロナ禍では、季節感がなくなっている。
症状は、高熱が4-5日続き、咳がとてもひどい。
RSウイルスと症状はよく似ているが、RSよりも少しマシかな。
これに有効な薬はなく、基本は対症療法となる。
また、検査も6歳未満のお子さんにしか保険適応がない。
ちなみに、RSは1歳未満だけ。
今週のケースでは、
高熱でて、翌日受診。のどに水疱もない。
咳はまだ少しか、ほとんどない。
このご時世なので、まず新型コロナの検査をするも陰性。
しかし、その後も高熱が続き、咳がとってもひどくなるため再受診される。
コンコンと咳がひどくすこし喘鳴もあり。
検査でヒトメタ陽性。
実はヒトメタの検査キットが在庫切れで、注文したのだが、来週まで届かない。いつもはすぐ来るのに、やはりあちこちで需要が増えているのかもしれない。
熱が続いても、血液検査は正常で、咳がとてもひどい。
おそらく、それはヒトメタなどの呼吸器系のウイルス。
どれであっても、治療方法は変わらない。
必ずしも検査が必要ではない。
お子さんたちは、新型コロナの鼻の検査でトラウマになっていることが多い。できたら鼻ぐりぐりは最低限にしてあげたい。
あとは、ひどい咳で全く眠れない、ゼーゼーがひどく呼吸が苦しそうなときは救急受診が必要となるので、要注意。
食欲は少しだけど、水分はとれる、夜間は眠れている場合は、あわてなくて大丈夫。
だけど、症状が続くときは、日中に小児科に受診してね。
登園の目安は、しっかり解熱して咳が軽快してからで、たいていは1週間はかかってしまう。
無理せずに、ゆっくりお休みすることが大切。
Posted by さかざきひろみ at 19時20分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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