2024年08月06日(火)
58番 清上防風湯 [漢方製剤]
せいじょうぼうふうとう。
清上というのは、横隔膜より上という意味で、顔などの炎症に効くということになる。
ニキビに有効な漢方薬で有名。
のぼせて赤ら顔で、炎症が強いニキビ。
構成生薬がとっても多い。
清上防風湯に、黄柏、地黄、芍薬、当帰、柴胡を足すと荊芥連翹湯になる。
ニキビだけでなく、顔が真っ赤になっているひどい花粉症などにも処方される。
他のニキビに対する漢方薬。
18歳以上(主に女性)➡125桂枝茯苓丸加ヨクイニン+㊿荊芥連翹湯
荊芥連翹湯が苦くて飲めない場合➡125桂枝茯苓丸加ヨクイニン
中高生男女➡58清上防風湯
その他(18歳以上の男性・上記以外)➡E十味排毒湯
もちろん、西洋薬のベピオやエピデュオゲルも併用。
私は、昔むかし、ニキビがひどかった。
そのころって、ほとんど薬もなく....。
今は、たくさん良い薬がある。
Posted by さかざきひろみ at 16時24分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年08月04日(日)
猛暑 [漢方薬]
毎日35℃以上の暑い日が続く。
体温より暑い日もあるので、とても危険。
熱中症には、十分注意しないといけない。
とにかく予防が一番。
@定期的な水分補給
A適度な塩分補給
B長時間の炎天下での活動をさける
C日陰や帽子の利用
D涼しい服装
E体調管理 睡眠不足や栄養不足は要注意
睡眠と朝ごはんは特に大切かも。
そのうえで漢方薬。
外来でも、熱中症対策漢方薬を取りに来る方が多い。
まずはP五苓散。
屋外での活動が激しくなければ、五苓散だけでもOK。
運動部で激しい活動をする方は、
P五苓散+㉞白虎加人参湯。
これは、どちらも錠剤があるから便利。
私も朝に駅まで1km歩くので、必ず五苓散を飲んでいる。
昼に、屋外を長時間歩くときも五苓散。
そして、運動はしないけど、夏バテでへばっている人には
136清暑益気湯(せいしょえっきとう)。
これは、漢方界のユンケル㊶補中益気湯の夏バテバージョン。
ちょっと苦いけど、とても良いお薬。
Posted by さかざきひろみ at 18時07分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年08月03日(土)
びっくり! [クリニック情報]
少し前の話。
アメリカからの旅行中の14歳女子。
腹痛と吐き気、下痢で来院。
そして、便に虫がいるとのこと。
動画をとってきてもらったところ、
緑の下痢便のなかに、小さい白い虫がたくさんピチピチ動いている....。
まさか、まさか、ほんまに虫がいて、びっくり。
何か寄生虫のようだけど、見たことがない虫。
さすがに、うちのクリニックで対応できず、総合病院紹介した。
結果は、無鉤条虫。
サナダムシの一種。
原因は牛肉を生で食べるとリスクがあるらしい。
ウシなどの筋肉内に寄生した嚢虫を経口摂取して感染する。
症状は軽く、無症状、または虫体の片節が排便時にでて、腹痛、悪心、食欲不振などがある。
私が見たのは、虫さんの片節。
無鉤条虫の片節は他の条虫に比べて活発で、便中で動く虫体が見つかる。まさに、そのとおり。
成虫は、全長4 - 10mで、きっと小腸のなかにはそれがいるはず。
治療は、抗寄生虫薬のプラジカンテル(ビルトリシド)。
この子は日本で牛肉の生を食べたらしいけど、普通は2−3週間たたないと成虫にならない
となると、母国で感染して、日本で旅行中に発症したと考えられる。
他の条虫(サナダムシ)は、
生の豚肉の場合は、有鉤条虫。
魚のサケ・マスの場合は、広節裂頭条虫などがある。
色々生で食べるのはリスクが高い。
Posted by さかざきひろみ at 18時42分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
【 過去の記事へ 】