2020年07月19日(日)
のどのつまり [漢方薬]
「のどがつまる」
そんな訴えがあるけれど、西洋医学的には全くなにもない。
耳鼻科や内科で精査してもらってもどこも悪くない場合。
それを東洋医学的に「梅核気」「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)」「ヒステリー球」という。のどのところに梅干しの種がつまったかんじ、また炙ったお肉がのどにへばりつく、そんなイメージ。
身体中に流れている「気」がのどのところにつまっている。
原因はストレスやら疲れやら色々。
こんなときに出番なのがO半夏厚朴湯。
つわりに有効な㉑小半夏茯苓湯に気のめぐりをよくする厚朴と蘇葉が含まれている。
「のどがつまるんです」と言う訴えで私のところに来院されることはあまりない。色々な体調不良や自律神経失調症のような症状の方にこちらから「のどがつまったりしませんか」とお聞きするようにしている。
「そうなんです。何で知ってるんですか?」と言われることも多い。
このO半夏厚朴湯は嗄声や湿性咳嗽にも有効。
先日は、そんな症状の方に処方したところ長年の頭痛が治ったとのこと。この方の頭痛は気のめぐりが悪いのが原因だったのね。
気がのどでなく頭でつまったら頭痛にもなる。
胸でつまったら、胸苦しい、お腹でつまったらお腹がはる、またはげっぷがでる。
さらに、最近ではお子さんにも有効。
怖いテレビを見てから、のどが詰まって苦しいと泣く5歳のお子さん。これを飲んだら大丈夫になった。
嘔吐をきっかけに、のどが詰まる。夜のどが詰まって苦しくてパニックになる7歳のお子さん。その子の症状も軽減。
実は主人ものどが詰まるときがあるらしい。
そんなとき、これを愛用している。
この薬の出典は金匱要略。
なんと1800年前の薬。
それが、今とっても役立っている。
漢方薬ってほんとに不思議。
Posted by さかざきひろみ at 14時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2020年07月18日(土)
外来状況 [クリニック情報]
今日は梅雨の晴れ間。
お天気がとってもいい。
お庭のポーラチュカは日光が当たるとお花が開く。
今日は、しっかり咲いていた。
外来では、お熱のお子さんが増えてきた。
のどの所見ははっきりしないけど、エンテロウイルスかな。
隔離室での診察が増える。私は、行ったり来たり、着たり脱いだりはめたりはずしたり。
でも皆さん、長くても2-3日で解熱して元気になっている。
保育園の行き初めで、何度もかぜに罹って喘息性気管支炎の症状。これも毎年ある光景。
じんましんも多い。
じんましんというと食べ物が原因と思う場合が多いが、ほとんどが原因は特定できない。かぜなどで体調が悪い、疲れ、季節の変わり目、寒暖差、ストレス、自律神経の乱れなどでもおこりうる。
一度じんましんのスイッチが入ってしまうと何度も繰り返すので、すべてのスイッチをオフにするために、抗アレルギー薬を長めに飲む必要もでてくる。
掻きむしるとさらに悪化してしまう。
痛いのは何とか我慢できるが、痒みは我慢できない。
とくにお子さんは掻きむしってしまうので、早めの治療が必要。
あと、今コロナの影響で、ほんの少しの症状でも学校や園から病院に行くように指導される。ママも、普段ならこんな軽い症状なら自宅で経過をみているのに、学校から病院に行きなさいと言われたから来ました、と言われる。
自宅安静で十分治癒する可能性の方が高いのに、受診したら、かえって別の風邪をもらってしまうかもしれない。
大丈夫と言う診断書を貰ってきてくださいという学校もある。これも難しい。コロナでありませんという診断書はかけない。それでも診断書がないと登校することができないとのことで、「おそらく普通感冒なので、症状が軽快し本人が元気であれば登校は可能と考えます」というような曖昧な内容にになる。
これから、ずっとこうなのか?まだまだ悩ましい。
Posted by さかざきひろみ at 15時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2020年07月16日(木)
眼で話す
毎月1回、西区保健センターで3か月健診。
短時間にたくさんの可愛いお子さん、育児に一生懸命なママに会える。
ただ、今は当然のことだけど必ずマスク着用。
赤ちゃんに色々なお話をするのだけど、よく考えると赤ちゃんたちには眼しか見えていない。
赤ちゃんって、口の動きも見てまねして口をあけたりしてくれることもあるので少し寂しい。
3か月健診だけでなく、外来受診してくれるお子さんたちも、私達の口の動きがわからない。
マスクで口がふさがれた大人の顔ばかり。
どんな風に見えているんだろう。
まねっこできないよね。
もちろん、おうちでママやパパの顔はみてるのだけど、他の大人は眼だけ。
これは、この子たちの発達に影響がないのか、ちょっと不安になある。
私は、精一杯眼で笑って、話しかける。
小学校のお子さんたちは、お友達とあまり話せない、楽しみにしていた行事が中止になった、他にも規制がいろいろあって、学校が楽しくない。学校に行きたくないといわれるケースも多い。暗い顔しているお子さんも多いように思う。
仕方ないかもしれないけれど、お子さんたちにとってつらいことが多すぎる。大阪もきっとこれからPCR検査数が増えるので、東京なみに感染者数が増える可能性は高い。その際、お子さんたちに、これ以上規制がかからなければいいのだけど。実際、子どもたちをこんなに規制しないといけないのだろうか?
国立国際医療研究センターの忽那賢志先生のWEB講演、
「小児の新型コロナ〜小児は新型コロナを伝番させない?重症化しない?」を視聴した。
日本はもちろん、世界でも小児の新型コロナウイルス感染者の数は成人に比べて極端に少ない。小児はコロナの感染者に暴露されても感染しないことが多い。感染しにくいのではないかと考えられいる。万が一感染しても、重症化しにくい。
その理由は、まだはっきりわかっていないが、新型コロナウイルスレセプターのACE受容体の発現が小児はとても低いというのが原因である可能性があると。
とにかくお子さんの感染が少ない、重症化は少ないというのは、小児科医にとって希望のひとつ。でも全員がそういうわけでもない。持病のあるお子さん、1歳未満のお子さんは注意が必要。そして、これからも慎重に経過を見ていく必要がある。
早く、おもいっきり学校で遊べたらいいね。
赤ちゃんたちにも、顔出してお話してあげたいなあ。
Posted by さかざきひろみ at 18時37分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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