2021年07月11日(日)
腸内細菌叢の不思議 [漢方薬]
先週の懇話会での内藤裕二先生のお話し。
とても興味深かった。
実は2年前の福岡での日本外来小児科学会で内藤先生のご講演を聞いて、
「これだ!懇話会での特別講演にぜひ」と思った。
講演終了後、ダッシュで先生のところに駆けつけ、
「先生、7月5日暇ですか?」と失礼にもナンパ?いや直談判。
「だれ??」と思われたに違いないのに、内藤先生は快く引き受けて下さった。
ほんとにありがとうございます。
今年4月に発売された、
「すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢」に腸内細菌叢についてほとんどすべてのことが記載されている。
なんとアマゾンベストセラー1位。
ちょっと内容が難しいところも多いが、わからないことを調べるのにもとってもよい。
この本には、
肉体的にも精神的にも、社会的にもすべてが満たされた状態であるwellbeing達成には、腸内細菌叢がとても大切とも書かれている。
「漢方薬からみた粘膜バリア機能とマイクロバイオーム」のご講演では、腸内細菌叢のこと、COVID19、ワクチンのことも話されたが、今回は他の学会と違って漢方薬のとの関連を話された。
@同じ漢方薬でも個々で効果が異なる。
人によって、腸内環境が違う。良い環境のひとは漢方薬が効きやすいが、悪いと漢方薬も効きにくい可能性がある。
A同じ人でも漢方薬が効くときと効かないときがある。
食事が変わると、個人の腸内細菌叢は簡単に変化する。
高脂肪食の多い時は漢方薬が効きにくく、食物繊維が多いと効きやすいかもしれない。漢方薬を効かせるには養生が大切という意見ととても合っている。
B漢方薬を長期に飲んでいると腸内細菌叢が変化し効きやすくなることがある。
漢方薬はその代謝に関わる腸内細菌を誘導する可能性がある。
漢方は、胃腸機能をとても大切にしている。昔の人は腸内細菌叢がとても大切ということを知っていたかのようだ。
ひとつ面白かったのは、62防風通聖散。
OTCの名前はナイシトールで有名。
高脂肪食、砂糖は腸内細菌叢を破壊する。
腸内細菌叢が悪いと太りやすい。また糖尿病にもなりやすい。
腸内細菌のアッカーマンシア・ムチニシアは痩せ菌と言われている。この菌を肥満の人に3ヵ月飲んでもらったところ、体重が2.3kg減少し、しかも脂肪肝が改善。
なんと防風通聖散は、このアッカーマンシア・ムチニシアを増やすらしい。もちろん、防風通聖散だけではやせない。食事、睡眠、運動も大切。
そういえば、腸内細菌叢を見ただけで、その人が太っているかやせているか分かるってめぐ先生が言ってたなあ。
また「小児期、あるいはそれ以降においても健全な腸内細菌を育むために必要なことはありますか?」という質問には、
「3歳までの環境を考えることが重要と考えます。田舎が一番、抗生物質は最小限、食物繊維摂取、砂糖を控える、塩分を控える、動物性脂肪を控えるではないでしょうか?」
これも素晴らしい〜。
乳幼児期に良い腸内フローラを確立することが、これからの人生の中でとても大切。甘いジュースやお菓子、塩分の多いスナック菓子やラーメン、高脂肪食のマクドなどは良い腸内細菌叢の大敵だと思う。
あと、7/15と7/22にNHKで「ダブルゆうじ」で織田裕二さんとで、「ヒューミニエンス 40億年のたくらみ」と言う番組で腸内細菌のお話しをされるらしい。
とても面白そうなので、皆様ぜひご覧ください。
詳しくはこちら。
Posted by さかざきひろみ at 11時39分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2021年07月06日(火)
第4回日本小児漢方懇話会フォーラム [漢方薬]
7月4日日曜日、やっと2年越しで開催。
ほんとは、昨年大阪で盛大に開催するはずだったが、コロナの影響で延期。
今年は、ハイブリッドと悩んだあげく完全WEBの開催となった。
発信場所はグランヴィア大阪「蘭」の間。
蘭子ちゃんの蘭!
お天気は曇りだったけど、眺めもいいし明るい。
前日大雨で、一時新幹線が停止していた。
東京組がこれるのかめっちゃ心配。
しかし、蘭子ちゃんはすぐに飛行機に変更して飛んできてくれた。
最初、音声が聴こえない!というトラブルもあったが、すぐに復旧。さすがにプロの人に念のためお願いしておいてよかった。
機材もちょっと本格的。
講演前に、久しぶりに生千福先生とお話しできた。
なんか、ますます元気でどんどん若返ってはるような。
私の当日のお仕事は、アナウンサー進行係と特別講演Uの内藤裕二先生の座長。
これもなんとか無事終了。
ほとんど休憩なしの講演。
お聞きになっている先生方も大変やったかも。
でも、とても素晴らしい講演ばかり。
子どもの心の問題に対する漢方薬。
COVID19に対する漢方治療。
江戸時代の小児科の本の幼幼家則のお話し。
特別講演Tは千福先生。
やはり、生千福先生はすごい〜。
声とオーラに惹きこまれる。
古典の話だけど、とってもわかりやすい。
特別講演Uの内藤裕二先生もすごい。
腸内細菌叢の話とCOVID19の話、コロナワクチンの話。
めっちゃ面白い〜。
色々な疾患に腸内細菌が関わっている。
内藤先生の講演の感想はまた後日。
このあとにシンポジウム。とっても盛りだくさん。
今回、ほんとに多くの方に参加して頂いた。皆様、ほんとにありがとうございました。
今回は蘭子ちゃんといずみーると3人であーだこーだ.....。
果たしてWEBなんかできるのかさんざん悩んだ。
でも詳しい先生が色々教えてくださった。
ほんとにいっぱい話し合ったね。
途中、辛いこともあったけど頑張ってよかったね。
2人に比べて私のお仕事は少しだけ。
ほんとにいっぱいありがとう。
来年もまた頑張りたい。私の課題はもう少しWEB開催やZOOMのお勉強をしなくては。
漢方薬を知ったおかげで、ほんとに素晴らしい人たちと関わることができた。そして、たくさんの先生方にも出会うことができた。
皆様、これからもどうぞ宜しくお願いします!
Posted by さかざきひろみ at 16時00分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2021年07月01日(木)
乗り物酔い [漢方薬]
「もうすぐ遠足でバスに乗るから心配」
「修学旅行で長時間にバスに乗る」など、
乗り物酔いの相談をうけることも多い。
ご自宅の車に乗っただけ、
電車に乗っただけで酔うお子さんも。
また2-3歳でも乗り物酔いのお子さんがいる。
西洋薬の乗り物酔いの薬は眠くなる。
また、2-3歳のお子さん用のはあまりない。
私もトラベルミンを飲むと、めちゃくちゃ眠くなり、
その後再起不能に
しかし、漢方薬に出会ってからは随分楽になった。
乗り物酔いには何といってもP五苓散。
2-3歳なら、車にのる30分まえぐらいに1/2-1/3包。
6-7歳なら、1包ぐらい飲んだ方が良く効くが、1/2ぐらいでも有効な場合もある。
漢方薬は西洋薬のように、量依存性でないことも多い。
五苓散で良く効く場合はそれでOK
1日3-4回ぐらい飲んでもいい。
ただ、いまいちの場合は、㊴苓桂朮甘湯に変更、または五苓散に追加。
私は、新幹線に乗る時は、P五苓散2包、㊴苓桂朮甘湯も2包飲む。さらに、ムカムカしたときは五苓散を追加。
市販の乗り物酔いやトラベルミンで眠くて困る、また効かないときは、漢方薬がとってもお勧め。
P五苓散や㊴苓桂朮甘湯には錠剤もあるよ。
Posted by さかざきひろみ at 17時07分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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