2021年09月16日(木)
かんぷー [漢方薬]
孫っぴは漢方のことを「かんぷ-」と呼ぶ。
私が漢方を飲んでいたら、
「かんぷーかんぷー」と自分にもちょーだいとせがむ。
適当なのを渡すと、
これではないと言うジェスチャー。
自分で、漢方戸棚をさがして、
「これや」といつも飲んでいる99番小建中湯を選ぶ。
これには私もびっくり。
漢方薬のパックのピンク色と文字の雰囲気でわかるよう。
漢方薬でもしかしたら色や数字を覚えそう。
でも4番がないのよね。
「おちゃちゃよ」と漢方入りのお水をあげると、
「ちゃう、かんぷーやん」と。
味も覚えているよう。
「かんぷー飲むひと」というと
「はーい」と手をあげる。
そして、粉をそのままスプーンでも、袋のままでも、飲むから凄い。
先日、いすから落ちて鼻のところを打撲。
めっちゃ腫れそうだったので、89治打撲一包。
これは、かなり苦いけど、
牛乳に入れたら(ちなみに牛乳100ml+治打撲一包を一袋」
「かんぷーやん」と一気に飲んでいた。
おかげで、翌日腫れは軽快。
2日後は全くきれいに治った。
このまま、ずっと「かんぷー」好きでいるかなあ。
Posted by さかざきひろみ at 19時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2021年09月12日(日)
疲れた子どもには [漢方薬]
何といっても99小建中湯。
中というのは、東洋医学では胃腸機能のこと。
この薬は、胃腸機能を建てなおすという意味がある。
消化管を丈夫にすれば、すべてがうまくいくということを昔の人は知っていた。
この薬は、身体が疲れたときだけでなく心が疲れたときにも有効。
構成生薬は6つ。
桂皮はシナモン。身体を温めて気のめぐりをよくする。
芍薬は、鎮痙鎮痛作用があり緊張緩和。
大棗(なつめ)、生姜(しょうが)、甘草で胃腸機能改善作用。
膠飴はオリゴ糖でプレバイオティクスとして作用。
また滋養作用、潤す作用がある。
これらの組合わせで、胃腸が丈夫になり元気になり風邪もひきにくくなる。さらに緊張が緩和し、情緒安定作用もある。
まさに、身体も心も元気にしてくれる素晴らしい薬。
小児の聖薬とも言われ小児科領域で一番処方されているのではないだろうか。
疲れたお子さん、虚弱なお子さんにはぜひお勧め。
小建中湯が効きそうなお子さんは
1)食が細くやせている
2)何となく顔色が悪い
3)腹痛をよく訴える
4)便秘がち、または下痢しやすい
5)睫毛が長い、目の下にくま
6)地図状舌
7)汗をかきやすい
8)頻尿傾向
9)腹部はうすく柔らかい。
腹直筋がピーンとはっている(2本棒)
これも1800年前からある薬。
1800年間もの間、たくさんの子どもを元気にしてきた。
そして、現代でも多くのお子さんの強い味方になっている。
Posted by さかざきひろみ at 19時48分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
外来状況 [クリニック情報]
少し気温が下がり秋の気配と思ったら、また暑い。
お天気も雨かと思ったら、昨日のように急に晴天。
こんなときは喘息などアレルギー症状が多い。
熱はないけど、ぜーぜーするお子さんたち。
機嫌よさそうだけど、診察のためお洋服とぬぐと、
軽度の陥没呼吸。
夕方の受診だったけど、保育園には行けたらしい。
本人もわりと元気そう。
ママ曰く
「夜の咳がひどくてしんどそうだったけど、熱がないので、保育園に行きました。
ただ、園でお昼寝のときに咳がひどいので、病院を受診するように先生に言われたのできました」
もともと喘息と言われてなかったら、軽い喘息症状にはなかなか気づきにくいかもしれない。
ただ、夜に咳で眠れないなどの症状があったら、登園前に受診したほうがよいかと思う。
今年はRSウイルスが大流行したので、RSに罹患したことがあるお子さんはその後ぜーぜーの症状がでやすいので、特に注意したほうがよさそう。
他には、イネ科やブタクサのアレルギー症状。
鼻水くしゃみ、眼がかゆいなど。
さらにほんとに久しぶりに手足口病。
先週、3名。
昨年は全く流行しなかった。
本来なら、今年は流行年のはずらしい。
でも皆さん、食欲もあってひどい症状ではなかった。
手足口病これから、増えるのかな?
散発で終わるのかな??
ウイルス性胃腸炎もちらほら。
でも、感染症は少ない。
Posted by さかざきひろみ at 06時24分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2021年09月11日(土)
疲れたオトナ女子に [漢方薬]
水曜日は、ひろこ漢方内科クリニックの高橋浩子先生の講演会。
「女性の悩みあれこれセミナー 第1回疲れたオトナ女子に補気剤」
私が漢方を勉強しはじめたころに、高橋浩子先生の女性漢方の話を聞いてめちゃめちゃわかりやすかった。小児科医の私でも患者さんのママたちに漢方を処方できるかもと思わせてくださった。
現在高橋先生の外来には40歳から50歳代の女性がとても多いとのこと。
この年代で、しんどいのを我慢していて、それをどうしたらよいかわからない、西洋医学的にはどこもわるくない、そんな女性に漢方薬がとても有効とのこと。
補気剤というのは、気(エネルギー)を補う薬で、体力をつけるイメージ。
昔の人は、人の身体は気血水からできていると思っていた。この気血水のバランスや量やめぐりがとても大切で、どこかが崩れると不調をきたしやすい。
補気剤のベースは75四君子湯で胃腸が弱く栄養の消化吸収ができないため、元気がなく体力のない人に、胃腸の働きをよくして全身の消耗をとる。
㊸六君子湯は、四君子湯に陳皮半夏を追加したもの。高橋先生は言われなかったがイメージは、胃もたれがして食欲がない冷えているオトナ女子に㊸六君子湯。
陳皮半夏は、むかつきをとる作用がある。四君子湯が合うひとで、上部消化管の機能異常が出ている場合。あと冷えている場合。
疲れやすい、元気がでない、筋力低下で悩むオトナ女子には㊶補中益気湯。
当院でも処方頻度が多い。これがないと生活できないというママもいらっしゃる。
イメージは上を向いて歩こう補中益気湯!
疲れて落ち込んだオトナ女子には65帰脾湯。
イメージは、もともと胃腸の弱い人が落ち込んだとき。
高橋先生の外来では、コロナ感染がこわい、胃が弱いから薬が飲めない。心療内科はハードルが高くいけなくて、くよくよして夜も眠れない、そんな方にとても有効とのこと。
疲れて落ち込んでイライラしているオトナ女子は137加味帰脾湯。
加味帰脾湯は帰脾湯+柴胡・山梔子
柴胡と山梔子の作用は、いらいらやのぼせをさます作用がある。私の加味帰脾湯のイメージは、不安で不安で心配で心配でたまらなくて体力が落ちて弱っているママにかな。
疲れてむくんでふわふわむかむかのオトナ女子には㊲半夏白朮天麻湯。。胃腸が弱く、エネルギー不足で、めまい、ふらふら、頭痛のある人に有効。
疲れて膀胱刺激症状がでているオトナ女子に111清心蓮子飲。
もともとは、胃腸が弱く元気がない人が、心労によるイライラうつうつ、眠れない、口が渇く、手足がほてり、さらに排尿痛、排尿困難などの症状がある人。エネルギーが足りなくて、膀胱の排尿畜尿作用が失調した人によい処方。
高橋先生の講演はほんとにわかりやすい。
人生の坂道を上り下りするときに漢方薬は杖になるという表現をされた。補剤は、急に症状をとったりすることはないが、ずっと飲んでいると少しずつ少しずつできることが増えて体調が回復する。どちらかというと長く飲んでいて楽になる。
高橋先生のご講演は4回シリーズ、
次もとっても楽しみや。
Posted by さかざきひろみ at 19時44分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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