2021年09月18日(土)
女王さま [漢方薬]
㊶補中益気湯が医薬の王様なら、女王様は㊽十全大補湯
補中益気湯と同じ 人参+黄耆が含まれている参耆剤。
どちらも、エネルギー(気)不足を補うくすり。
補中益気湯はメインはエネルギー(気)を補い、下がっているものを持ち上げる作用。
十全大補湯に、エネルギー(気)を補い、さらに足りない血を補う(補血)作用もある。
ちなみに左が寺澤先生の気虚スコア
右が血虚スコア。
それぞれ30点以上で診断され、イメージがつかみやすい。
だるくてしんどいとき、まずは㊶補中益気湯。
しかし、貧血症状があったり、栄養不良があるときは㊽十全大補湯のほうが良い場合もある。
75四君子湯+71四物湯+桂皮+黄耆となる。
四君子湯は、弱った消化機能を改善してエネルギー(気)を補うくすり。補中益気湯に含まれるのは、四君子湯-茯苓。
四物湯は、足りない血を補充して血のめぐりをよくする。血虚の代表の処方。補中益気湯には当帰のみ含まれる。
桂皮は、身体はあたためて、気が上昇するのをおさえる。
黄耆は体表を丈夫にしてエネルギー(気)が漏れ出るのをおさえる。
これらの組合わせで、いろんな症状が改善。
ちなみに、お子さんは、しょっしゅう中耳炎を繰り返す場合や、肛門周囲膿瘍の場合に処方されることが多い。
ブログは、できるだけ火木土日でアップする予定にしている。
今日、今週の火曜日に記事がアップされていないことに気づいた。
非公開から公開にするのを忘れてた。
忘れられてた女王さまの記事、本日アップ。
Posted by さかざきひろみ at 19時48分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2021年09月16日(木)
かんぷー [漢方薬]
孫っぴは漢方のことを「かんぷ-」と呼ぶ。
私が漢方を飲んでいたら、
「かんぷーかんぷー」と自分にもちょーだいとせがむ。
適当なのを渡すと、
これではないと言うジェスチャー。
自分で、漢方戸棚をさがして、
「これや」といつも飲んでいる99番小建中湯を選ぶ。
これには私もびっくり。
漢方薬のパックのピンク色と文字の雰囲気でわかるよう。
漢方薬でもしかしたら色や数字を覚えそう。
でも4番がないのよね。
「おちゃちゃよ」と漢方入りのお水をあげると、
「ちゃう、かんぷーやん」と。
味も覚えているよう。
「かんぷー飲むひと」というと
「はーい」と手をあげる。
そして、粉をそのままスプーンでも、袋のままでも、飲むから凄い。
先日、いすから落ちて鼻のところを打撲。
めっちゃ腫れそうだったので、89治打撲一包。
これは、かなり苦いけど、
牛乳に入れたら(ちなみに牛乳100ml+治打撲一包を一袋」
「かんぷーやん」と一気に飲んでいた。
おかげで、翌日腫れは軽快。
2日後は全くきれいに治った。
このまま、ずっと「かんぷー」好きでいるかなあ。
Posted by さかざきひろみ at 19時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2021年09月12日(日)
疲れた子どもには [漢方薬]
何といっても99小建中湯。
中というのは、東洋医学では胃腸機能のこと。
この薬は、胃腸機能を建てなおすという意味がある。
消化管を丈夫にすれば、すべてがうまくいくということを昔の人は知っていた。
この薬は、身体が疲れたときだけでなく心が疲れたときにも有効。
構成生薬は6つ。
桂皮はシナモン。身体を温めて気のめぐりをよくする。
芍薬は、鎮痙鎮痛作用があり緊張緩和。
大棗(なつめ)、生姜(しょうが)、甘草で胃腸機能改善作用。
膠飴はオリゴ糖でプレバイオティクスとして作用。
また滋養作用、潤す作用がある。
これらの組合わせで、胃腸が丈夫になり元気になり風邪もひきにくくなる。さらに緊張が緩和し、情緒安定作用もある。
まさに、身体も心も元気にしてくれる素晴らしい薬。
小児の聖薬とも言われ小児科領域で一番処方されているのではないだろうか。
疲れたお子さん、虚弱なお子さんにはぜひお勧め。
小建中湯が効きそうなお子さんは
1)食が細くやせている
2)何となく顔色が悪い
3)腹痛をよく訴える
4)便秘がち、または下痢しやすい
5)睫毛が長い、目の下にくま
6)地図状舌
7)汗をかきやすい
8)頻尿傾向
9)腹部はうすく柔らかい。
腹直筋がピーンとはっている(2本棒)
これも1800年前からある薬。
1800年間もの間、たくさんの子どもを元気にしてきた。
そして、現代でも多くのお子さんの強い味方になっている。
Posted by さかざきひろみ at 19時48分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
外来状況 [クリニック情報]
少し気温が下がり秋の気配と思ったら、また暑い。
お天気も雨かと思ったら、昨日のように急に晴天。
こんなときは喘息などアレルギー症状が多い。
熱はないけど、ぜーぜーするお子さんたち。
機嫌よさそうだけど、診察のためお洋服とぬぐと、
軽度の陥没呼吸。
夕方の受診だったけど、保育園には行けたらしい。
本人もわりと元気そう。
ママ曰く
「夜の咳がひどくてしんどそうだったけど、熱がないので、保育園に行きました。
ただ、園でお昼寝のときに咳がひどいので、病院を受診するように先生に言われたのできました」
もともと喘息と言われてなかったら、軽い喘息症状にはなかなか気づきにくいかもしれない。
ただ、夜に咳で眠れないなどの症状があったら、登園前に受診したほうがよいかと思う。
今年はRSウイルスが大流行したので、RSに罹患したことがあるお子さんはその後ぜーぜーの症状がでやすいので、特に注意したほうがよさそう。
他には、イネ科やブタクサのアレルギー症状。
鼻水くしゃみ、眼がかゆいなど。
さらにほんとに久しぶりに手足口病。
先週、3名。
昨年は全く流行しなかった。
本来なら、今年は流行年のはずらしい。
でも皆さん、食欲もあってひどい症状ではなかった。
手足口病これから、増えるのかな?
散発で終わるのかな??
ウイルス性胃腸炎もちらほら。
でも、感染症は少ない。
Posted by さかざきひろみ at 06時24分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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