2022年01月22日(土)

5-11歳の新型コロナワクチン [診療]

先週水曜日に、「 5歳〜11歳の新型コロナウイルスワクチン接種について」日本小児科学会と日本小児科医会合同で報道発表を行った。

日本小児科学会の見解
日本小児科医会の見解
それを受けて、正式に特例承認された。
予定では、3月以降に接種がはじまるとのこと。

学会での見解は、12歳以上のお子さんの新型コロナワクチン接種についてとよく似ているが、まとめると

1)子どもを新型コロナウイルス感染から守るためには、まずは周囲の大人(保護者の方、学校や園の先生など)への新型コロナワクチン接種が重要である。
2)基礎疾患のあるお子さんは、重症化予防のために接種したほうが良い。
3)5歳〜11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義がある。メリットとデメリットを本人や保護者が十分に理解し、接種前・中・後のきめ細やかな対応が必要である。
4)接種にあたっては、接種対象年齢による製剤の取り扱いに注意が必要である。
(5−11歳用のワクチンと12歳以上のワクチンでは、製剤も希釈方法も接種量も全く異なる)

5-11歳のお子さんのワクチンの有効成分は成人の1/3で、
接種量は1回0.2ml。

副反応については、成人とほとんど同じだが、その頻度は低くなるというデータがある。
2回目接種後で、
「接種部位の痛み55.8%」「倦怠感25.9%」「頭痛19.8%」「発熱13.4%」「筋肉痛10.2%」など。

また心筋炎については、アメリカでは800万回以上の接種で、11例で、それ以上の年齢の方よりもかなり少なく、すべて軽症で自然治癒している。

以前はワクチンの発症予防効果も高いが、オミクロン株については、どちらかというと重症予防効果となる。接種すべきかどうか相談されることも多いし、保護者の方も迷われると思う。

もともと、5-11歳は重症化しにくいので、ワクチンのメリットについてはなかなか難しい。しかし、まれに重症化することもあるし、新型コロナに全く無防備で闘うことを考えるとワクチンの接種の意義はあるのではないかと。

重症化する基礎疾患があるお子さんは、もちろん接種したほうがよいが、そのご家族の場合も接種をお勧めしたい。
お子さんの場合の重症化のリスクは
慢性呼吸器疾患、脳性まひなどのように神経に障害がある場合、先天性の心臓病、ダウン症のような染色体異常、小児がんなど免疫低下しているお子さんなど。
さらに肥満もリスクとなる。

森内先生は、アメリカのお子さんが日本より重症化する理由の一つは肥満児が多いからと言われている。
コロナ禍で、肥満児がとても増えているので、そこはとても気になる。

嫌がるお子さんを無理やりにではなく、ご家庭で、しっかり話し合って接種すべきかどうか考えることが大切だと思う。

Posted by さかざきひろみ at 19時01分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 4 )

2021年11月20日(土)

5-11歳の新型コロナワクチン [診療]

先日、厚労省から、5-11歳のお子さんの新型コロナワクチンが 早ければ来年2月から開始予定というニュース。
これだけ見ると、2月から接種できるのかと思ってしまうかも。

ただ、日本では、まだ5-11歳の接種の承認もされていない。
しかも、厚生労働省の専門家の分科会での議論を始めたばかり。結論はもう少し後になる。

5-11歳、接種した方がよいのかどうか、これも難しい問題。
基礎疾患があるお子さんや、そういう方が家族に入る場合は接種をしたほうがよいかもしれない。
だけど、普通は子どもは罹患しても大抵軽症なので、周りの大人の方がしっかり接種していればそれでよいという考えもある。12歳以上のお子さんの接種のように、ご家庭によって事情も異なる。

いずれ、日本小児科学会や日本小児科医会からの見解もだされると思う。

5-11歳の新型コロナワクチンの接種量は大人と異なるが、実はバイアルも違っていた。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

紫が12歳以上、オレンジが5-11歳

12歳以上のバイアルは紫色で、ワクチン量は30mcg(0.45ml)。生食1.8mlを加えて、1人0.3mlで全部で6人分。
5-11歳のバイアルはオレンジ色で、ワクチンの量は10mcg(1.3m)。生食1.3mlを加えて、1人0.2mlで全部で10人分。

実際ワクチン接種がはじまったら、12歳以上と5-12歳未満でバイアルも溶解方法も接種量も異なる。
これは間違いが起こりやすそう。
いずれ接種時期がきたら時間をわけて慎重な接種が必要。

昨日はビーバームーン。
月食の状態から、満月へ。

写真ではなかなかうまく映らないが、月食を初めてみた。
実際はとっても幻想的で綺麗〜。

画像(133x180)・拡大画像(475x640)

月食

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

満月


Posted by さかざきひろみ at 19時18分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2021年08月08日(日)

12歳以上の子どもの新型コロナワクチン [診療]

大阪市でももうすぐ、12歳〜16歳の方に新型コロナワクチンの接種券が配られます。
以前も、お子さんに対する新型コロナワクチンの記事をアップしましたが、もう一度まとめてみました。

10代のお子さんの新型コロナワクチンについての考え
@10代の健康なお子さんは、今のところは新型コロナウイルスに罹患しても、ほとんどが無症状また軽症と言われています。しかし罹患すると、10日間の隔離が必要になります。お子さんに感染させるのは、周囲の大人(家族や学校の先生など)なので、まず周囲の大人がワクチン接種することが大切です。
A高齢者と同居している、または接触が多い場合や、受験やスポーツの対外試合など予定が変更しにくい場合(感染により、塾に行ったり受験そのもの、対外試合などが不可能になるリスクを減らす)は、接種を考慮してもよいかもしれません。
B重度の基礎疾患のあるお子さんへのワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐことが期待されます。

健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(感染した場合のこと感染拡大予防等)とデメリット(副反応等)を本人と保護者が十分理解することが大切だと考えます。
以下はVPDのサイトから引用しています。

[感染によるリスク]
※ワクチン接種でこれらのリスクはほとんどなくなる
@軽症や無症状でも隔離が必要 
A隔離による予定の変更やキャンセル
B周囲へ感染を拡げるリスク      
Cまれに重症になるリスクがある
D日本では実態はよくわかっていないが、何らかの症状が持続するかもしれない

[ワクチン接種のリスク]

※局所反応や全身反応は接種翌日をピークに、ほとんどが1週間ほどで改善
@ 接種後の接種部位の痛みや腫れなどの局所反応
A 接種後の全身倦怠感、頭痛、発熱などの全身反応
B 接種後のアナフィラキシー、心筋炎・心膜炎 ➡ 非常にまれ 
C 長期的な副反応 ➡ 現在のところ懸念されていない

以下は、小児への新型コロナワクチン接種についての各学会の見解です。ご参考にして頂ければと思います。
日本小児科学会の見解 
日本小児科医会の見解
VPDを知って、子どもを守ろうの会の見解
子どもの新型コロナワクチン接種の考え方(ポイント)
子どもの新型コロナワクチン接種の考え方(解説) 

Posted by さかざきひろみ at 18時08分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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