2022年04月26日(火)

ケーキが切れない??

小児科学会のオンデマンド配信が始まった。

「ケーキの切れない非行少年たちと頑張れない子どもたち」
立命館大学の宮口幸治先生のお話し

学会のプログラムをみたときに一番気になった講演だが、ライブで参加できなかったので、さっそく拝聴。

ケーキが切れない??って、どういうこと?
私はナイフがうまく使えないことかなと。
実は、ちゃんと、ケーキを等分に切ることができない。4等分と言われたら、普通は十字に4等分する。それが縦に切ったりしてしまうらしい。中学生や高校生ぐらいでもそんな風にする。
これは認知機能や融通のきかなさ、不器用さが原因らしい。

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宮口先生の本

宮口先生は児童精神科の先生で、児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務されていた。
実際に医療少年院でそんな子どもたちに出会ったそう。

医療少年院では、そのような問題のある少年が多く、本来なら小学校などで、特別支援が必要だったお子さんが半分ぐらいいたという。
普通は支援が必要な子ども達は医療機関で診断されるけど、この子たちは、司法経由で診断となる。

実際に知的障害とまではいかないが、一定の支援が必要な境界知能が人口の約14%もいるらしい。この人たちは支援対象外となっているため、社会からはみだしてしまうことも多い。

この子達の特徴は、
@認知機能の弱さ
  見る力、きく力、見えないものを想像する力が弱い。
A感情統制の弱さ
  カッとなってすぐ手がでてしまう。
B融通の利かなさ
  予想外のことの弱い。周りがみえなくなる。
C不適切な自己評価
  自分を評価できず、問題点がわからない。
D対人スキルの乏しさ
 さらにとても不器用。

実際に立体図形などを書いてもらうと、とてもゆがんだ図形になる。

この子たちの支援に考えられたのが、コグトレ。
コグトレは、認知 トレーニング(Cognitive Training)の略称。
身体面、学習面、社会面からのトレーニングでなっていて、点つなぎやパズル的課題で、トレーニングできる。

このトレーニングで3割ものお子さんが通常の授業に戻れるらしい。

この講演をきいて、ケーキの切れない子どもの意味がやっと理解できた。コグトレという言葉も初めてきいた。

学習面や身体面、不器用で困っている子どもたちに、できるだけ早く気づいて、少しでも支援する方向に持っていくことがとても必要と考えた。

私は、まだまだ知らないことが多い。
もっと視野を広げてたくさん勉強しなくては。

Posted by さかざきひろみ at 19時31分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年04月24日(日)

こんな天候のときは [漢方薬]

今日は雨。
湿気も強くどんより。
そして少し気温も低い。

こんな日は身体に湿がたまり、水のバランスが崩れる。
いわゆる水毒体質の人の体調が悪くなる。

頭痛や倦怠感、「だるおも〜」

めまいやたちくらみ。
脳がいらない水ですこし浮腫んでしまう。

その脳のむくみをよくするのがP五苓散。
五苓散には水輸送チャネルであるアクアポリン(AQP)を介する働きがある。

脳にはAQP4が多く存在しているため、五苓散は脳浮腫を取ってくれる。脳外科領域では、脳浮腫や硬膜下血腫などにも使われている。

漢方薬は痛くなる少し前から内服することが必要。

めまいたちくらみもある場合は㊴苓桂朮甘湯もいい。
私はP五苓散と㊴苓桂朮甘湯を一緒に飲む。
これらは、毎日漢方ポーチに入れて持ち歩いている。

虚弱で、胃腸が弱い水毒体質のひとは、㊲半夏白朮天麻湯。
これは中に、人参と黄耆をふくみ、さらに六君子湯も含んでいる。疲れや胃もたれにもいい。

あと冷えがつよい水毒体質の人は㉚真武湯。
私は、ひどい下痢をしたときに内服。

西洋薬には、水毒体質をすっきりさせる薬はない。
天候が悪いときの頭痛には、鎮痛薬ではなかなか難しい。

今日みたいな日の体調不良には、ぜひ漢方薬を。

あと水毒体質の人は、冷たい飲み物やスイーツはできたら避けてね。

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Posted by さかざきひろみ at 18時24分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年04月23日(土)

外来状況 [クリニック情報]

4月から、保育園や幼稚園に行き初めて、咳、鼻水の症状のお子さんが多い。
さらに、お熱も。
毎年4月はこんなお子さん達が増える。

初めて集団生活をするので、いっぱい風邪をひいてしまう。
咳鼻水はずっと。
これはひとつの風邪でなく、たくさんの風邪のウイルスをもらってしまうから。
治りかけにまたひいてしまう。

さらに、お熱もしょっちゅう。
ただ、このご時世どうしても新型コロナウイルスの検査をする場合が多い。
ただ今は、幼稚園や保育園のお子さんはほとんどがマイナス。別のお風邪のウイルスがほとんど。
あるママは、「保育園では熱の出る子がいっぱいいるけど、みんな、新型コロナウイルスは陰性って、先生が言ってました」

ほんとにそのとおり。
4月になって、新型コロナの検査が3回目ってお子さんもいた。鼻に綿棒だから、ほんとに辛いよね。

他には、アレルギー症状。
スギはもう終わっているので、ヒノキ??
スギのときはましだったのに、今がとってもひどいお子さんも多い。
この時期は、ヒノキがメイン。
残念ながら、ヒノキの舌下免疫療法はない。


これは大阪府のHPからの花粉の飛散状況。

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このグラフだと、スギもヒノキも減っていて、今はその他の花粉症。
その他っ何?
調べてみたら、オオバヤシャブシ・ハンノキ(カバノキ科)、コナラ・クリ(ブナ科)、オリーブ(モクセイ科)、ケヤキ(ニレ科)、イチョウ(イチョウ科)、アカマツ(マツ科)など色々たくさん。
日本はたくさん樹木があるので、飛散する花粉も多い。

鼻水、鼻づまり、目がかゆいのはとっても辛い症状なので、
我慢しないでね。

Posted by さかざきひろみ at 20時31分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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