2022年04月19日(火)
タミータイム
この言葉を、先日の小児科学会の『乳児期の頭のかたち』の講演で初めて聞いた。
『タミー』とは英語の赤ちゃん言葉で『おなか』のこと。
タミータイムとは、赤ちゃんが起きているときに、大人が見守っているなかで、うつぶせにして過ごさせること。
日本語にすると、「うつぶせ遊び」かな。
米国小児学会は、乳幼児突然死症候群を予防するために、、赤ちゃんを仰向けに寝かせることを推奨した。すると、あおむけで長時間ねることによって、頭の形がゆがんだ赤ちゃんが増加。そこで、赤ちゃんの頭の形がゆがまないようにするためにタミータイムが広く行われるようになった。
米国小児科学会の推奨方法は、
自宅に戻ったら、
1日2-3回、1回3-5分で徐々に延長して合計30-60分。
目覚めたときやオムツ替えの後に。
タミータイムの効果は、
@体幹を強くして、運動発達を促進。
A頭の形の変形の予防
B視力の発達促進
視野の変化で奥行きを感じる。
C呼吸器の発達促進
背中が床で圧迫されないため、背中側の肺が広がりやすくなる。
注意点としては、
@赤ちゃんが起きてるときに。
A必ず、保護者が近くで見守る。
うつぶせにしたまま1人にしない。うつぶせの状態で赤ちゃんから離れない。
Bそのまま眠らせない
うつぶせの姿勢で眠らせることは、窒息や乳幼児突然死症候群のリスクを高める。眠りそうになったら仰向けに戻す。
『眠るときはあお向けに、遊ぶときはうつ伏せに』がお勧め。
だけど、うつぶせにするのがこわいというママもきっと多い。
実際に、3ヵ月健診で一度もうつぶせにしたことがないと言われる場合もある。
本当は、うつぶせが怖いのではなく、うつ伏せ寝が怖い。
ママたちが、しっかり目を話さずにうつぶせ遊びができたら、親子のコミュニケーションにもなる。
タミータイムは赤ちゃんの運動発達を促進して、頭の形もきれいにしてくれる。少しずつでも取り入れていけたらいいなあと思う。
タミータイムツール 日本語版も参考にしてね。
Posted by さかざきひろみ at 18時38分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2022年04月17日(日)
WEBにて [学会]
日本小児科学会、開催は福島県の郡山。
ハイブリッド開催だったけど、さすがに遠く、WEB参加。
本当は、芦屋ベイコートでWEB参加する予定だったけど、
孫っぴが来るとのことで断念。
だけどお天気もよく、お庭で学会。
その隣では、孫っぴがおままごと??
やはり、COVID19関連の話がとっても多い。
スマホと学力や起立性調節障害の話も聞きたかったけど、これは診療中だったので、断念。
他には、子どもの外傷、睡眠の話。
子どもの自殺について考えるというシンポジウムは思わず聞きいってしまった。
あとは、腸内細菌叢、乳児期の頭の形など、色んな分野の話がたくさんありとても勉強になった。
今、ハナミズキが満開。
ピンク色がとても可愛い。昨年よりお花がたくさんで大きい。
アゲハチョウもやってきた。
お昼ごはんもお庭で。
今回の学会は、ライブで教育講演を拝聴して、テストに合格しなくては、参加が認められない。
娘と一緒に、参加して、一緒にテスト合格。
彼女のほうが、聞いたことをよく覚えている。
ラッキー。
Posted by さかざきひろみ at 18時45分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2022年04月16日(土)
3種類のHPVワクチン [診療]
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)には現在3種類ある。
定期接種で使用されているのは、サーバリックス(2価)とガーダシル(4価)。
サーバリックス(HPV16型・18型)2価
ガーダシル(HPV16型・18型・6型・11型)4価
どちらにも 子宮頸がんの発がん性の高いヒトパピローマウイルス(HPV)の15種類のうちの16型と18型の2種類が入っている。
ガーダシルはそれ以外に 性感染症のひとつである尖圭コンジローマの原因ウイルスであるHPV6型と11型も含まれている。
日本では16/18型の2つが子宮頸がんの原因の60-70%を占めるため、この2つの型に対してはサーバリックスとガーダシルで予防効果の差はないと言われている。
ただ、当院では一時サーバリックスが品薄であったりして、現在はガーダシルのみの予約にしている。
さらに新しくシルガード(9価)という9種類のHPVに対して効果があるワクチンが、2021年2月で国内でも接種できるようになった。
シルガード(HPV16型・18型・6型・11型・31型・33型・45型・52型・58型)9価
アジア人に特に感染が多く見られるHPV52/58型を含むため、原因HPVの90%をカバーするとのこと。
ただ、現在日本で接種することができるが、自費になり1回3万円近い。
世界では、9価ワクチンが標準なのだけど....。
でも、やっと、今年の4月にシルガードを定期にする案が厚労省で議論されはじめたが、いつ定期接種になるかわからない。
「9価ワクチンが公費になるまで、待った方がよいですか?」と質問されることも多い。
まだ小学校6年生、中学1年生ぐらいなら、すこし待ってもよいかと思うが、VPDの会では、「性交渉を経験する前に接種することがもっと大切で9価ワクチンが定期接種になるのを待つのではなく、ワクチンを早めに受けることを優先してください。」と書かれている。
さらに定期接種をしたあとに、シルガードを追加接種することについては日本産婦人科学会では、以下のように提言されている。
「CDCでは、すでにガーダシルやサーバリックスで3回接種している場合では、一番頻度の多いHPV16/18型に対する免疫は獲得されていて、シルガードを追加す効果が限定的で、また異なるワクチンを接種した場合の有効性と安全性のデータは限られているので推奨はされない。」
「3回接種が完了していない場合については、CDCでは、なるべく同一薬で接種を完了することが望ましいが、9価に切り替えて完了することも可能と記載されている。
ただ、日本では、異なる種類のワクチンを交互接種した場合の有効性、安全性については十分なデータがないため、原則は同じワクチンで3回の接種を完了することとされている。」
これも変わるかもしれないけど、とにかく
待っている間に定期接種の期間を逃してしまったということがないように。
Posted by さかざきひろみ at 17時42分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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