さかざKIDSブログ

2023年07月29日(土)

いつの日かRSウイルスも

こんなに暑い中、インフルエンザAがまたまた増えてきた。
小学校で流行していたが、その弟さんや妹さんのいる保育園にも広がっている。

新型コロナは、ご両親がコロナでそこからうつったり、また夏祭り、USJなどにおでかけしてかかってしまったり。
これも増加傾向。

他にもアデノウイルスがとても多い。
高熱が5−6日続くので、大変だが、お子さんたちは熱にも負けず頑張っている。

さらに、まだRSウイルスや溶連菌も。
溶連菌は毎月かかってしまったり、抗生剤を飲み終えてすぐかかるお子さんもいる。

やはり、この中では、お子さんにとってはRSウイルスが一番、しんどそう。今週も生後1カ月の赤ちゃんは入院となった。

RSウイルスは、有効な薬がなく対症療法だけとなる。
日本では1歳以下の乳幼児が年12〜14万人が罹患して、そのうちの4人に1人は入院が必要になる。

アメリカでは60歳以上の方に対して、最初にGSK社のRSウイルスワクチンが承認された。
また、60歳以上と6カ月未満の乳児に対してのワクチンも承認され、様々なメーカーが承認申請中。

ただ、RSウイルスが重症化するのは、新生児。
免疫系が未熟なので、ワクチンの効果は期待できない。

そのため、妊娠24〜36週の妊婦に1回注射し、抗体を母体から胎児に渡すことで予防するという方法も申請中。

あともうひとつ。
ワクチンではなく、RSウイルスに対するモノクローナル抗体の薬。
現在、日本では、シナジスという注射を、重症化リスクのあるお子さんたちに接種している。ただ、有効期間が短いので、毎月接種しないといけない。

他に、現在モノクローナル抗体「ニルセビマブ」というものが承認申請中。
出生時または出生直後に接種すると、血液に直接RSウイルス抗体が送りこまれる。その結果、ウイルスを中和して増殖を防げる。しかも有効期間が長いので、1回接種だけでよい。

シナジス以外は、まだまだ日本では投与できない。
しかし、きっと近いうちに、日本でも承認され、いつの日かRSウイルスで重症化することがなくなる可能性がある。もしかして、10年後ぐらいには、RSウイルスは、過去の感染症になるのかも。

Posted by さかざきひろみ at 19時07分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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