さかざKIDSブログ

2023年11月23日(木)

卵黄による消化管アレルギー

食物蛋白誘発胃腸炎症候群、略してエフパイス(FPIES)ともいう。
以前は牛乳によるものが多かったそうだが、
最近は、卵黄によるものが増えている。

先日のアレルギー学会でのハンズオンセミナーに参加してみた。

離乳食で固ゆで卵黄を食べていて、2−3時間後に嘔吐してしまう。例えば、最初は食べれていても、途中から嘔吐するようになることもあれば、これまで食べてた量でも嘔吐するようになることもある。

卵アレルギーを疑って、一般的なアレルギー検査をしても全く正常。さらにじんましんや湿疹などの症状はでないので、軽症の場合は診断されていないものもあるらしい。
不思議なことに卵白では全く症状がでないことのほうが多い。
よくある即時型の食物アレルギーとは機序が全く違う。

症状は嘔吐だけの場合もあれば、下痢や血便、また非常にぐったりすることもある。
軽症から重症までさまざま。

診断は、経口負荷試験だけだが、ある程度のエピソードで判断できる。

診断できたら、卵黄の除去が必要となる。
半年〜1年毎に食物負荷試験を実施して、症状がなくなれば制限を解除する。
負荷試験は、卵黄を1回だけ食べて、その後4時間は経過観察が必要なので、外来だけでというのは難しく、たいていは日帰り入院となる。

卵黄のエフパイスについては、早ければ1歳でよくなることもあり、3歳までには多くの方が治ると言われている。

原因はまだよくわかっていない。
腸内細菌叢が関係しているという説もある。
実際に帝王切開だったお子さんに多い傾向にあるらしい。
離乳食は卵黄からということも関与しているかもしれない。卵白から開始した場合は見られないという報告もある。
これから色々解明されていくだろう。

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Posted by さかざきひろみ at 17時50分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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