2023年11月18日(土)

品薄 [クリニック情報]

今週も溶連菌感染症がとっても多い。
あとは、ウイルス性胃腸炎が増えてきた。
インフルエンザは横ばいかやや下火。
久しぶりに新型コロナはゼロ。

そんな中、溶連菌感染症に有効なペニシリン系の抗生剤が品薄。粉薬が厳しいらしく、錠剤はたくさんあるとのこと。

20kg以上で錠剤がのめる場合は錠剤で。
無理な場合は、薬局にお願いして錠剤をつぶしてもらって処方している。
第3世代セフェム系(メイアクト、セフゾン、フロモックスなど)は、在庫は十分らしいが、溶連菌で10日間も飲むので、できれば使用したくない。
これは、消化管での吸収が20%前後と極めて悪く、ほとんど効かない。しかも、耐性菌を生み出しやすく、抗生剤としての効果はほとんど疑問視されている。
また、メイアクトやフロモックスは低血糖を誘発することもあるので、要注意。

私が抗生剤を使うのは、溶連菌ととびひ。
他には、血液検査をして、白血球と炎症反応が高いとき。

とびひには、第1世代のセフェム系(ケフラールなど)。
これも一時品薄で、どうしようかと思ったが、回復したのでほんとによかった。

関東の方は、ペニシリン系の抗生剤がもっと厳しいらしい。
ほかにも、タミフルドライシロップもないとのこと。
インフルエンザのキットも手に入らない。
やはり、人も多いし、クリニックも多いからあっという間になくなるのかな。

さらに、喘息のお子さんが吸入に使うインタールが出荷停止。
自宅で吸入しているお子さん達もいるので、在庫がゼロになったらどうしようかと思案中。

風邪の漢方薬も品薄。
ただ、当院の門前薬局はもともとたくさん処方していたので、何とか入荷はある。
一時、鼻つまりに有効な葛根湯加川芎辛夷の錠剤が品薄でとても困った。これを愛用しているお子さんが多い。
今は、1週間ぐらいずつなら何とか処方できている。

以前は、ワクチンが品薄になったこともある。
必要なものがないというのは、ほんとに悩ましい。

Posted by さかざきひろみ at 20時00分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年11月16日(木)

偏食外来

外来小児科学会のオンデマンド。
色々興味ぶかい内容がたくさん。
「食べることを嫌がる乳幼児と養育者への支援 神話から科学的な対応へ」

神奈川県立こども医療センターで偏食外来を担当をされている大山 牧子先生のご講演。
「子どもの偏食外来」という本の著者でもある。
発売されてすぐに購入したのだが、この本もとても面白い。

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乳幼児(0-4歳)の摂食障害のスクリーニング方法は、次の6項目のうち2個以上チェックがあれば専門医受診を勧められている。

1)おなかを空いたことを知らせない。
2)十分量を飲んだり食べたりしない。
3)食べるのにかかる時間は、5分以内または30分以上。
4)食べたり飲んだりするのに、何か特別なこと(おもちゃ、テレビ、ビデオ、ユーチューブを見せる)をしている
5)お腹いっぱいだと知らせない。
6)お子さんの食事について心配がある。

食べるようにするにはどうしたらいいのか
1)大山先生は、食べることの強制をやめることが一番効果があると言われていた。たとえば、スプーンを見せたら顔を背ける場合はスプーンを一切やめるなど。食べるかどうかを皆で見ているのも強制になるらしい。
2)食事時間は、15−30分で。
45分を超えてしまうと、食べることに費やすエネルギーが食事のエネルギーを超えてしまう。
3)体格にあった椅子と食卓で。
  食べるという微細な運動のためには体幹の安定が必須。
  椅子の調整ができているかどうかが大切。
4)テレビやユーチューブを見せながら食べさせると、それがないと食べなくなり、食べる機能が発達しない。
5)空腹を感じるような生活リズムを整える。
 食事を決まった時間に。早起きして生活リズムを整える。
 眠りの儀式で眠るまでの一連の行動を決める。

これらのことは、
神奈川県立こども医療センター偏食外来パンフレットにとても詳しく掲載されている。
ぜひ多くのママたちに見てもらえたらと思う。

1歳で、固形食をほぼ食べていない場合は鉄を、
2歳以降で食べる品数が20品目以下は鉄、亜鉛、ビタミン A, B1, C, D, 欠乏を疑いチェックしたほうがよいとのこと。

Posted by さかざきひろみ at 17時43分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年11月14日(火)

「ねるねる」と「にがいのとんでいけ」 [漢方薬]

「おくすりパクっとねるねる」
こんなものを見つけた。

「ねるねるねるね」というお菓子があって、それの服薬補助剤バージョン。
「ねるねるねるね」については、買ったこともなく知らなかった。
調べると1987年に発売。
私が医学生のときだから、知らないはず。

ただ、名前は聞いたことがあったので、この服薬補助剤がどんなものか、漢方薬との相性はどうか気になって購入してみた。

ひと箱に、6袋入りで、メロンソーダとイチゴがある。

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専用トレーに、水ひとさじと「ねるねるのもと」を入れて、スプーンでよく混ぜる。」
さらに、漢方薬109番を入れて、混ぜてみた。

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ねるねる

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漢方入り


メロンソーダも味見してみた。

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ねるねる

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漢方入り


ねる過程は面白い。
きっとお子さんたちは喜ぶはず。
そして、お味の方は、苺は口にいれてしばらくは甘いけど、やっぱり後味に漢方がでてくる。
舌ざわりは確かによくなる。
メロンソーダは、私にはもともとの味が.....。

しかも、6回分で492円。 
熱や鼻づまりで、少し飲むのはいいかもだけど、ずっと飲む薬だと高すぎる。

他にも、「にがいのにがいのとんでいけ」という服薬補助剤をみつけた。

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これも味見してみた。

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チョコは砂糖不使用らしい。
ただ、これも後味に漢方薬がでてくるので、すぐに水を飲んだほうがよい。チョコを食べたことがないお子さんにとったら、美味しく感じるかも。普段からチョコをよく食べているお子さんには、いまいちかも。
ただ、3包で194円! これも高すぎる。

お薬のマスキングの良さは、「ねるねる」のイチゴ味が一番いいかな。
だけど、どれも高価。
お薬を飲むために、わざわざ買うよりも、自宅にあるものから工夫したほうが現実的かな。

Posted by さかざきひろみ at 19時44分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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