2024年11月17日(日)
痩せ漢方?? [漢方薬]
よく、「防風通聖散ください」と言われることがある。
ぼうふうつうしょうさん、ツムラの62番。
これは、OTCでもナイシトール、コッコアポEXなどという名前で市販されている。どちらかというと痩せ漢方という名前で有名。
しかし、これはもともとは痩せ漢方ではない。
新陳代謝が悪くなって、身体の中に毒が蓄積されて、それを改善するための薬。
しかも、実証タイプ、お相撲さんやプロレスラーなみにごっつい人の漢方薬。
普通の体型の人が長期に飲むのは、おすすめでない。
先日、漢方jpで境修平先生が、
「漢方薬で痩せるのか?防風通聖散を中心に」というお話があって、とっても面白かった。
境先生いわく、
BMIでいえば、36.5以上の人。
例えば、158cmなら、87kgぐらいの人は飲んでもよいかも。
実際に防風通聖散の効果判定で研究されたものでは、
BMI36.5以上の人を対象として、食事1200kcal、毎日5000歩を歩く。
80例で、防風通聖散投与群と投与しない郡にわけて調査したところ、
体重減少には差がなし。
だけど、内臓脂肪が減少し、ウエストやヒップの大きさが減少。
さらにインシュリン抵抗性が改善したとの報告。
しかし、体格が普通の方が漠然と飲んでいて、間質性肺炎をおこした症例が何例かあるそう。
しかも、普通の人が飲むと内臓が冷えて、よけい代謝が悪くなり痩せにくくなるかもとのこと。
防風通聖散には、そのなかに、便秘に有効な大黄が含まれているので便秘には、確かに有効かもしれない。
しかし、大黄というのは、身体の中の熱を冷ますので、ずっと飲んでいると体が冷えて、内臓の動きも悪くなる。でも飲まないと便秘で飲むと冷えるの負の連鎖がある。
実際に、女性の便秘は熱よりも裏寒(内臓が冷えて動きが悪くなっている)ケースが多いそう。
(子どもはまた別かも)
原因としては、食生活の欧米化、冷え、自律神経の乱れがある。
したがって、そこを改善する漢方薬がよいとのこと。
実際に境先生の症例では、当帰芍薬散+人参湯で軽快したらしい。
そういえば、出雲漢方の宮本先生は、オンライン診療で漢方やせ外来をされている。宮本先生いわく、㊶補中益気湯やP五苓散が一番処方するケースが多いらしい。
境先生は、内臓が冷えている便秘には㊶補中益気湯がよいと言われていた。
Posted by さかざきひろみ at 17時07分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年11月16日(土)
外来状況 [クリニック情報]
寒かったのに、今週はまた暑かったり。
季節がなかなか進まない。
そんな中、とうとうインフルエンザAが増えてきた。
近くの小学校で学級閉鎖。
他の学校や保育園でもちらほらでてきている。
来週やその次には大きな流行になっているかもしれない。
熱がでて翌日検査することが多いのだけど、
インフルエンザならそのときの検査で陽性になることが多い。
しかもインフルエンザのお子さんたちは、しんどそう。
それで、検査で陰性で、そのまま解熱したら、一般の風邪のウイルス。
その後も熱が上がり下がりして(朝に解熱するけど夜に熱がでる)咳がとってもひどくなっていく場合は、マイコプラズマであることが多い。
朝に解熱しているので、登園登校している方も多い。
夜の熱がさがらないときは、ぜひもう一度受診をお勧めしたい。
先日、フランフランにいったら可愛いオーナメントがたくさん。
どれも可愛かったけど、
その中で選んだのがこれ。
Posted by さかざきひろみ at 20時18分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2024年11月14日(木)
63番 五積散 [漢方製剤]
ごしゃくさん
身体の中に、気、血、痰、寒、食の5種類の病毒がうっせきするのを治すという意味。
構成生薬も多い。
温めて、血行改善してくれる。
当帰、芍薬、川きゅうという、四物湯の地黄以外が含まれる。
麻黄が入っているのも特徴。
冷房病や、冷えを伴ってあちこち痛い場合に処方する。
冷え症の人の不定愁訴にも有効。
防風通聖散の裏返しともいう。
防風通聖散は、熱証の人のたまった毒を取り除く。
五積散は、寒さのために頭痛、身体のいたみ、腹痛があるのを治す。
効能効果は慢性に経過し,症状の激しくない次の諸症:
胃腸炎,腰痛,神経痛,関節痛,月経痛,頭痛,冷え症,更年期障害,感冒.
なんと、かぜにも更年期障害にも神経痛にも有効らしい。
西洋薬にこのような効能効果のあるものはない。
実はまだ処方したことがないけど。
いつか、これが効く人にめぐりあうかも。
Posted by さかざきひろみ at 19時38分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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