2024年11月21日(木)

64番 炙甘草湯 [漢方製剤]

しゃかんぞうとう。

体力がなくて乾燥傾向にある人の動悸に対する漢方薬。
もちろん西洋医学的に不整脈などがない場合。

画像(320x171)・拡大画像(640x343)

炙甘草というのは、甘草をあぶって乾かしたもの。
あぶると、元気にする作用、胃腸機能をよくする作用などが増強するとのこと。
地黄と麦門冬は潤す、麻子仁も潤し、さらに便通もよくなる。
阿膠(あきょう)はロバの皮で、止血作用もある。

基本的には、動悸に対する漢方薬だけど、どちらかというと自律神経失調などがあまりない場合。

精神症状がある場合は以下の漢方薬。
1)不定愁訴が多く月経関連トラブルがある人には㉔加味逍遙散。
2)体力があって、ストレスあり。不安とイライラ→K柴胡加竜骨牡蛎湯
3)体力がなくて、ビクビクして不安→㉖桂枝加竜骨牡蛎湯。
4)のどのつまり→O半夏厚朴湯
5)パニック→㊴苓桂朮甘湯+甘麦大棗湯

画像(240x320)・拡大画像(480x640)

ハナミズキが赤に色づく。
爽やかな秋。

Posted by さかざきひろみ at 18時17分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2024年11月19日(火)

まだ間に合う

シルガードのキャッチアップ接種。
1997年4月2日から2008年4月1日生まれの女子。
今年3月まで3回定期接種するには、11月に1回目をすれば、11月、12月、3月の3回接種でなんとか間に合う。

一時、ワクチンが品薄になりそうだったけど、今は大丈夫。

実際に、17歳〜27歳のワクチン接種率は、50%を超えたそう。
とくに、25−27歳が86%も。
だけど21−23歳が37%と低い。

このままだと年齢によって、子宮頸がん発症率が変わってしまうかもしれない。

欧米などは、長年接種率が高い状態が続いているので、子宮頸がんの発症が激減して、そのうちゼロになる可能性も高い。

ただ、接種をためらう人も実際にはいらっしゃる。
あのマスコミの報道をみたら、ためらうのも当然だと思う。
しかし、実際は、接種後のさまざまな症状が、ワクチンを接種した人にも、していない人にも同じぐらいの割合で見られたといった研究結果がある。
また海外では接種によって子宮頸がんになる人が減ったというデータもあり、接種のメリットが明らかに高い。

子宮頸がんは、若い女性のがん。
20台から30代のちょうどママ世代のがんなので、「マザーキラー」とも呼ばれている。
妊娠中の健診で子宮頸がんと診断されることもある。
がん予防ワクチンは、B型肝炎ワクチンとこの子宮頸がんワクチン。
他のがんの予防ワクチンは今のところはない。

まだの方はぜひとも早く接種をおすすめしたい。

ちなみに15歳未満の方は6ヵ月間隔で2回接種なので、15歳になる前に1回目接種を!
定期接種は小学校6年生から高校1年生の女子。

画像(320x235)・拡大画像(640x470)

Posted by さかざきひろみ at 17時17分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2024年11月17日(日)

痩せ漢方?? [漢方薬]

よく、「防風通聖散ください」と言われることがある。
ぼうふうつうしょうさん、ツムラの62番。

これは、OTCでもナイシトール、コッコアポEXなどという名前で市販されている。どちらかというと痩せ漢方という名前で有名。

しかし、これはもともとは痩せ漢方ではない。
新陳代謝が悪くなって、身体の中に毒が蓄積されて、それを改善するための薬。
しかも、実証タイプ、お相撲さんやプロレスラーなみにごっつい人の漢方薬。
普通の体型の人が長期に飲むのは、おすすめでない。

先日、漢方jpで境修平先生が、
「漢方薬で痩せるのか?防風通聖散を中心に」というお話があって、とっても面白かった。

境先生いわく、
BMIでいえば、36.5以上の人。
例えば、158cmなら、87kgぐらいの人は飲んでもよいかも。

実際に防風通聖散の効果判定で研究されたものでは、
BMI36.5以上の人を対象として、食事1200kcal、毎日5000歩を歩く。
80例で、防風通聖散投与群と投与しない郡にわけて調査したところ、
体重減少には差がなし。
だけど、内臓脂肪が減少し、ウエストやヒップの大きさが減少。
さらにインシュリン抵抗性が改善したとの報告。

しかし、体格が普通の方が漠然と飲んでいて、間質性肺炎をおこした症例が何例かあるそう。
しかも、普通の人が飲むと内臓が冷えて、よけい代謝が悪くなり痩せにくくなるかもとのこと。

防風通聖散には、そのなかに、便秘に有効な大黄が含まれているので便秘には、確かに有効かもしれない。

しかし、大黄というのは、身体の中の熱を冷ますので、ずっと飲んでいると体が冷えて、内臓の動きも悪くなる。でも飲まないと便秘で飲むと冷えるの負の連鎖がある。

実際に、女性の便秘は熱よりも裏寒(内臓が冷えて動きが悪くなっている)ケースが多いそう。
(子どもはまた別かも)
原因としては、食生活の欧米化、冷え、自律神経の乱れがある。
したがって、そこを改善する漢方薬がよいとのこと。
実際に境先生の症例では、当帰芍薬散+人参湯で軽快したらしい。

そういえば、出雲漢方の宮本先生は、オンライン診療で漢方やせ外来をされている。宮本先生いわく、㊶補中益気湯やP五苓散が一番処方するケースが多いらしい。
境先生は、内臓が冷えている便秘には㊶補中益気湯がよいと言われていた。

Posted by さかざきひろみ at 17時07分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

11

2024


          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索


カテゴリーリスト

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2006 さかざKIDSブログ All right reserved.2006 Sakazaki Kodomo Clinic.